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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『かぐや姫の物語』解説 1 】 高畑勲が描こうとしたのは、女性問題だけじゃない」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『かぐや姫の物語』解説 1 】 高畑勲が描こうとしたのは、女性問題だけじゃない」

2018-05-29 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/05/29
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    今回は、ニコ生ゼミ5月20日(#231)から、ハイライトをお届けいたします。

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     【『かぐや姫の物語』解説 1 】 高畑勲が描こうとしたのは、女性問題だけじゃない


     今回、『かぐや姫の物語』を語るにあたって、同じく高畑勲監督作品である『火垂るの墓』とちょっと比べて話してみたいと思うんですけども。

     「『火垂るの墓』は反戦をテーマにしたアニメでは全くない」ということは、先月にもお話した通りです。

     これについては、もう、高畑さんも何度も「反戦アニメではありません」と言っています。

     しかし、これを見た大部分の人は「戦争の愚かしさや虚しさを描いたんだ」とか、「それに振り回された兄妹がかわいそうで泣ける」という感想を持ってしまっています。

     この理由について、僕は「“生クリーム” が美味しすぎるからだ」と考えています。

    ・・・

     これ、どういう意味かというと。

     先週の『マツコの知らない世界』で、ディズニーランド特集をやったんですよね。

     その中に、ジャニーズの俳優の風間俊介さんという人が出てきて、こんな事を言ったんですよ。

     「今回のマツコさんに対するプレゼンでは、隠れミッキーとか、最新アトラクションや、パレード、グルメを扱いません! なぜなら、ディズニーランドにおける隠れミッキーとかアトラクションというのは、パフェでいうところの1番上に乗っかっている生クリームのみたいなものであって、それだけを味わってディズニーを知ったつもりになるのは、本当にもったいない。 だけど、あの生クリームが美味しすぎるから、みんな生クリームこそがディズニーランドだと思っちゃってるんです!」と。

     これ、すごく上手い表現だったので、僕もちょっとお借りしたいと思うんですけども。

     この『かぐや姫の物語』にも “美味しすぎる生クリーム” が上に乗っかってるんですよ。

     それは何かというと、“女性問題の描き方” と “絵本が動いたような作画” なんですね。

     この2つがあまりにも見事すぎるから、ついついみんな「これがテーマなんだ」と勘違いしちゃうんです。


     「それは“美味しいクリーム”なのか?」(コメント)

     ――というツッコミがコメントで入りましたけど。

     その意味でいうと、隠れミッキーとかアトラクションについて、美味しいクリームだと全く感じない人もいるんですよ。

     これについては、次の次くらいの放送で話すことになるだろう “ブラディズニー” という、ディズニーランドに1人で行く時の楽しみ方という話の中で、ゆっくり語ってみたいと思います。

    ・・・

     さて、美味しいクリームの1つである “女性問題” というのは何かというと。

     エッセイストの雨宮まみさんという方が、ブログ「戦場のガールズライフ」の中の2013年の12月2日「『かぐや姫の物語』の女の物語」という記事の中に書いています。

     雨宮まみさんは、女性問題などの記事に定評のあるエッセイストです。

    ――――――

     『かぐや姫の物語』を見た。強い衝撃を受けた。昔話のあらすじそのままでありながら、昔話ではなかった。これはあきらかに現代を生きる女の話だった。震えた。

    ――――――

     こんなふうに、メッチャクチャ熱く語ってるんですよ。

     もちろん、この雨宮まみさんの感想も間違いではないんですけども、テーマはそこだけじゃないんです。

     やっぱり、生クリーム部分をパフェだと思っちゃってるんですね。

    ・・・

     あとは、一昨日の金曜ロードショーで、『かぐや姫の物語』を放送していた時も、ツイッターでは「男が全部クズ」っていうつぶやきが溢れていました。

     特に「御門が気持ち悪い」と。

     僕、やっぱり今回の一連のツイートの中で好きだったのが、御門のとがり過ぎている顎を分度器で測った「御門の顎は67度」という画像なんですよ。

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     そんなコラージュ画像がツイッターで拡散されてて、ものすごい笑っちゃったんですけども、上手いですよね。

     これでブームになって、しばらくカイジとか、いろんな顎が尖ったヤツの顎の角度を測るという画像がいっぱい流れて、笑っちゃって、しばらくツイッターを見るのが止まらなくなったんですけども(笑)。


     他にも、“捨丸” というかぐや姫の幼馴染。

     この人が、最後、かぐや姫に「逃げよう。2人でどこまでも!」と言うんですけど。

     この時、捨丸には嫁さんもいれば子供もいるんですよね。

     それを捨てて駆け落ちしようとしたので、ツイッターでは「妻子捨丸」というふうに書かれてて(笑)。


     あとは、「言い寄る5人の貴族も全員クズだし、父親もかぐや姫の気持ちを無視してる。もう、出て来る男は全部クズだ」というふうに書かれちゃっています。

    ・・・

     確かに、その通りにも見えるんですよ。

     でも、これも実は『火垂るの墓』が戦争反対アニメに見えてしまうのと全く同じで、実はちゃんと、本編内に「なぜそうなったのか?」という理由があるのに、それがよく見えていないからなんですね。

     じゃあ、どんな映画なのかというと、実は『かぐや姫の物語』というのは、かなりエロい作品、それも “ストレートにエロい話” だというところから話してみようと思います。

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