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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/08/13
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今回は、ニコ生ゼミ8月5日(#242)から、ハイライトをお届けいたします。

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 人類はAIでなく機械に職を奪われる? その1


 今日は新井紀子先生の『AI vs. 教科書が読めない子供たち』の話です。

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 どんな本かというと、表紙の帯に書いてある通り。

 「人工知能はすでにMARCH合格レベル。人間が勝つために必要なこと」っていうふうに書いてあります。


 “MARCH” というのは、関東方面で受験をしたことがある人は知ってると思うんですけど、明治大学(M)、青山学院(A)、立教大学(R)、中央大学(C)、法政大学(H)という5つの大学を指した受験用語です。

 最近では、ここに学習院大学(G)を加えて “GMARCH” って言うみたいです。


 要するに「私立のいいところ」という意味の言葉で、“慶応レベル” とか 東大レベル” みたいに、よく使われます。

 この人が開発している “東大ロボ” という人工知能は、すでにMARCHレベルの大学に合格出来るレベルになっているそうです。

 つまり、「高校3年とか浪人の時代の僕よりも、よっぽど頭が良くなっている」ってことですよね(笑)。


 そして、裏表紙の帯が、また、なかなか挑戦的なんですよ。

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 「AIが神になる? ……なりません! AIが人類を滅ぼす? ……滅ぼしません! シンギュラリティが到来する? ……到来しません!」という、出版社としては避けてほしいような、昨今のAI本とは真反対のことが書いてあって面白いんですけども。

・・・

 今回、この本の内容をザッとまとめてみました。

 まあ、これは僕のまとめなんですけどね。
 
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 まず、1番目は「現在研究されているAIには、原理的な限界がある」ということ。

 だから、シンギュラリティなんて来ないよってことですね。


 次に、「もともと人工知能には、人間の自然言語は理解出来ないし、そのため、到達可能な偏差値もMARCHレベルの65が限界である」ということ。

 つまり、「東大ロボは決して東京大学の入試を通ったりしない」ってハッキリ書いてあるんです。


 東京大学の合格というのは、あくまでも “目標” であって目的ではない。

 目的は「東京大学合格を目標に研究した結果、人工知能のこういう欠点がわかった」という調査ですから。


 3番目は「しかし、逆に言えば、偏差値65以下の人よりは優秀な結果が出せる」ということが書いてあります。

 恐ろしいですね。

 もう、このスタジオにいる人間全員より優秀なのは確実だ、と(笑)。


 そして4番目。「もうちょっと精密な調査と、新しい教育法が必要だ」と。

 まあ、これが、この本の大まかな内容です。


 前半の無料部分では、この『AI vs. 教科書が読めない子供たち』の まとめ というか、人工知能について語ってみようと思います。

 今回も、「人工知能について語る」とか「この本について語る」と言っておきながらも、トランスフォーマー特集の時と同じです。

 つまり「いつになったらトランスフォーマーの話になるんだ?」っていうくらい、ゆっくり話をしたいと思います(笑)。


 後半の有料部分では、「人工知能によって、僕らの世界がどうなっていくのか?」という、驚きの大予想まで話してみようと思います。


 本の紹介がメインと言いながらも、半分以上は僕のオリジナルになりますので、一応、この本をベースにしてるんですけども、本の中身が僕が話した通りであるとは考えないでください。

 あとは、この本の中に書いてある「シンギュラリティは絶対に来ない! 人工知能には原理的な限界がある!」という決めつけ部分に関しては、わりといろんなところで反論もあるようです。

 ただ、僕はこの指摘はものすごく面白いと思います。

・・・

 サブテキストとして、読んでおいたらいいと思う書籍もいくつかあります。

 まずは、西垣通さんの『AI原論 神の支配と人間の自由』です。

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 これは、AIを哲学込みで語っているという、ややこしい本なんですけど、本格的にAIを語りたい人は読んでおいた方がいいと思います。

 あとは、『人工知能と経済の未来』という本。

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 現在、人工知能というジャンルで議論されていることは、だいたいここに書いてあります。

 この中の「2030年雇用大崩壊」というのが、いわゆるよく言われているシンギュラリティ問題ですね。

 こういう話を扱っている本です。


 あとは、著者の名前がふざけているんですけども、読むとすごく面白いのが、『明日機械が人になる』です。

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 海猫沢めろんさんという人の本ですね。元ホストなんだそうですけど、オタクっぽい人で、読みやすいです。

 あとは、インタビュー集なんですけど、ジャレド・ダイアモンドなどの有名な著作者へのAIに関するインタビューが載っている『未来を読む』という本。

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 これは、人工知能学者自身の、いろいろと “口を濁している部分” が面白いんです。

 「人間を超える人工知能が完成する時代は来るのか?」と聞くと、「来てもおかしくない」とか、「可能といってもいいだろう」みたいな言い方をしているんですよ。


 実は、最先端にいる人工知能学者でも、良心的な人は「本当の人工知能って無理なんじゃないのかな?」って考えている感じがチラチラっと見える本でもあります。

 一応、サブテキストはこの4冊です。

 これらは、必ずしも、お薦めの本というわけではなく、あくまでもAIについて理解するための “補助線” として考えて貰えればありがたいと思います。

・・・

 では、今日のお品書きです。

 とりあえず長いしシンドい話になるので、最初にまとめておきました。

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 ――――――
 1,機械に仕事を奪われる?
 2,人智を超えるAIは可能か?
 3,人工無脳の世界
 4,人の8割が計算機に負ける
 5,フラッシュ・ワーク。
 6,来るべき世界
 ――――――

 後半のテーマに行くに連れて、ちょっと加速度的に短くなっていくと思いますけども。

 無料部分では、たぶん、2番目の「人智を超えるAIは可能か?」の話くらいまでは出来ると思います。


 後半の有料部分では、3番から先に入っていくと思います。

 じゃあ、「機械に仕事を奪われる?」という、最初の話に行きましょう。

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