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「天文学者カール・セーガンが心血を注いで撮った “太陽系家族写真”」
ダウンタウンの真ん中へんかな。
ウェスティン・ボナベンチャー・ホテルって分かるかな?
ハリウッド映画に よく出てくる、銀色の筒みたいなものを何本か束ねたみたいな、本当に鏡の塊みたいなホテルがあるんだけども、その近くにある安いホテルに泊まっています。
NASAの無人探査機のボイジャーとか、あと火星探査機のバイキングとかマーズ・パスファインダー・シリーズとか作ったところなんだけども。
まあJPLというやつだ。
1977年に打ち上げられた太陽系の観測ロボットなんだけども。
ボイジャーは打ち上げられたんだけど、当時のロケット技術では木星ぐらいまでしか行けなかったんだ。
1990年の2月14日のバレンタインの日。
ボイジャーは、それまで太陽系の探査ミッションはだいたい3、4年以内に終わってたんだけども、すべてのミッションを終えて、ほとんど休止状態にあったんだ。
で、ボイジャー宇宙船は、ほぼすべてのミッションを終えてたんだけども、特別なミッションが残ってた。
それで、そのためにカール・セーガンっていう科学者のオッサンがいたんだけど。
その人がもう、生涯の最後の何年かを注いでやった “太陽系家族写真” って聞いたことあるかな?
太陽系家族写真っていうのは、もうほとんど電力を失ったボイジャーが、それまでずっと外側向けてたカメラをくるりと内側に向けて、太陽系のほうを向けたんだよね。
つまり、水星も火星も地球も金星もほぼ同じ面を周ってるんだけども。
ボイジャー2号っていうのは、それのほぼ垂直方向に飛んでんだ。
ほかの科学者たちからは、「そんなもん、別に意味がないよ」とか「そんなもん撮ってどうするの?」っていうふうに言われて。
「ただ単に、星が並んでるだけだ」っていうふうに言うんだけども。
カール・セーガンは、「いや、太陽系がひとつの家族で、“だから俺たちは惑星探査してるんだ” っていうのを、みんなに分かってもらうには家族写真を撮らなきゃダメなんだ」っていうふうに言ったんだ。
いわゆる “有権者にアピールする” って言ったらエグい言い方になるんだけどね。
懐かしい感じするし、誰かと旅行行った時にあとで写真見たら、思うことあるよね。
だからその時は、「何の為か分かんないんだけども、絶対に撮っとけ」っていうふうに言ったんだ。
そこのプログラムのなかに180度くるりとカメラを回転させて太陽系の写真を撮らせるっていうので、一苦労だったんだ。
けども、とにかくセーガンは説得して説得して説得して、しまくって、ついにそれ成功した。
でも撮ったんだけど、送信するのにもう本当に電池がない。
みんなは分かると思うけどさ、スマホって送信する時にめちゃくちゃ熱くなるでしょ?
あれは一番電気を食うからなんだ。
で、それで一生懸命 撮った写真を、細かーい画像データに分けて、チッチッチッチッチって地球に何年もかけて送ってきて、やっと撮れたのが太陽系家族写真。
そんなに大した写真じゃないんだけども、いちおう歴史上 初めてワンフレーム上で、つまり「振り向いたらそこに太陽系がある」っていう写真がちゃんと写ってる。
ロマンだよね。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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