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「【Googleへの就職 1 】 映画『インターンシップ』からわかるGoogleの入社事情」
2013年のハリウッド映画です。
ラストシーンには、本物のGoogleの社長まで出てきて出演者と絡むという演出まであります(笑)。
言っちゃえば『グーニーズ』とかと同じなんですよ。
「中学生とか高校生が、ひと夏のキャンプに行ったら、なんか成長して帰ってきちゃったよ。人生も恋も学校も全部ハッピーだ!」というような。
見たところで、何も落ち込むことのない映画です。
そんな、今晩、適当に笑って寝れるくらいの、なんでもない映画です。
ただし、Googleに入社することに関する基礎知識だけは山のように付くんですけどね(笑)。
それが、Googleの有名な “ミキサー問題” です。
「あなたの体が5セント玉くらいの大きさに縮んで、ミキサーの中に放り込まれました。 体は縮みましたが、密度は変わりません。 60秒後にミキサーの刃が動き始めます。 どうしますか?」というやつですね。
パソコンのカメラがありますよね。
あれで、お互いの顔が見えるように、いわゆるskypeの映像通話みたいな形で面接をするんです。
で、「5セント玉くらいの大きさに縮んで、ミキサーの中に放り込まれた。どうする?」ということを聞かれるわけなんです。
「じっくり考えた上で、1つの答えを出す」という回答ではなく、思考プロセスそのものを全て計られるんです。
たとえば、こういう問題を出された時に、やっぱり「5セント玉くらいのサイズということは、厚みもそれくらいだろうし、ミキサーの刃はちょっと浮いたところにあるはずだから、ミキサーの底で伏せていれば、刃がぐるぐる周っても平気だろう」みたいに考えちゃうんですけど。
すると、ビリーはカッとなって「おいおい。それはないよ。 俺達はセールスマンだぜ? ミキサーだって売ったことがある」と怒り出すんです。
ニックもフォローするように「現在、売られている中で世界一のミキサーはドイツのブラウン社製のものですが、そのミキサーでも11時間も連続で回せば、絶対にモーターが焼けて止まります」と言うんですよね。
だって、そういう現実的な反論をされたのは初めてだったからなんです。
そんな仮想問題に慣れ切っていた面接官に対して「世界中に今あるどんなミキサーも、11時間ぶん回したら壊れるよ! 俺達、それを売ってたことがあるけど、お前らは売ったことがあるのか?」と、ビリーは問いかけてしまったんです。
これは “論理的な思考力” を試す問題なんですね。
黙って考えて答えるだけというのはダメなんですよ。
わざわざ、これを言っているというところが重要なんですね。
まあ、5セントコインと言われても、僕らは日本人だからよくわからないんですけど、とりあえず、直径が2センチ弱くらいのコインです。
つまり、大雑把にいえば体が100分の1のサイズに縮むわけですね。
100分の1に縮むということは “長さ” が「100分の1」になるということです。
それに対して “重さ” は縦・横・高さのある3次元であり、その全てが100分の1になるわけですから、100の3乗で「100万分の1」になります。
筋力というのは、たとえば腕の筋肉の断面とか、足の筋肉の断面積に比例するんですよね。
ということは面積ですから100の2乗分の1、つまり「1万分の1」にしかならない。
なので、人間が密度はそのままに100分の1の大きさになった時には、体重は100万分の1になるんですけど、筋肉の力は1万分の1にしかならない。
イコール「今のジャンプ力の100倍のジャンプ力を持っている状態である」と考えられるわけです。
なので、ただ単に「ミキサーの上に飛び出せばいい」というのがGoogle的な正解なんです。
手の平の “摩擦力” というのがありますよね。
そして、手の平の摩擦力というのも面積に関係しているものだから、体重が100万分の1になるのに対して、摩擦力は1万分の1にしかならない。
つまり、通常の100倍の摩擦力を発揮できるということなので、そのままガラスの表面を上に登って行けばいいんですよ。
虫というのは、別に手足の先が鈎状になっていなくても、壁や天井に貼り付けるんですよ。
なぜ、体重が軽い動物が、天井に掴まれたり、壁を登れるのかというと、別に足に秘密があるわけではないんです。
ただ単に、重さと面積の問題なんですね。
こういった答えが、この場合の本来想定されていた回答らしいです。
面接官は、ひたすら質問をして、それに対する答えを貰って、その質問と答えをひたすらメモするだけなんですよ。
面接官というのは採用に関する決定権を何1つ持っていないんです。
おまけに、こういった面接を、面接官を変えて2回も3回もやるんです。
「最低でも4回、最大では7回くらいやる」と言われています。
なので、実際に会った人から感想を聞くのではなく、全てレポートの形で提出させるんです。
こういったレポートと、映像データ、後は、その他の履歴書的なものを全て書いた、メチャクチャ分厚いファイルを山のように用意して。
次は採用だけを担当する人間が集まって、面接などは一切せずに、ファイルを見ながら「こいつはどうだろうか?」と話し合い、次の段階である「Google本社に呼ぶかどうか」を決めるんですね。
だから、1人呼ぶだけでもメチャクチャ金が掛かるので、まずはこのビデオ面接の段階で、ザーッと落として行くわけです。
ビリーとニックは、面接でのこの面白い回答によって「Googleが求める “ダイバーシティ”(多様性)がある」ということで、飛行機代から滞在費まで全部Google持ちで、サンフランシスコに呼んで貰いました。
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