磯辺上げさん のコメント
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/10/25 ───────────────────────────────────
今回は、ニコ生ゼミ10月14日(#252)から、ハイライトをお届けいたします。
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───────────────────────────── 「 【Googleへの就職 2 】 スクールバスの中にゴルフボールはいくつ入る? 」
これが、マウンテンビューにあるGoogle本社です。
メチャクチャカッコいいです。 このオシャレなGoogle色の自転車を見てください(笑)。
僕が行った時は、ちょうどYouTubeで発砲事件などがあった関係で、すごく警戒が厳しかったんですけど、その すごい警戒の中でも、死ぬほどオシャレだったんですよ。 さっきも言ったように、どう見ても頼りない、代々木アニメーション学院の学生のような、世界各国の顔の色をした若造達が、フラッと飯を食いながら歩いてたり、カラフルな自転車でチョロチョロっと走ってたりするんですよね。
“この世の天国” とまでは言いませんけど、「うわー、いいよね、こういう青春は」っていうような場所なんですよね。
このGoogle本社は “Googleplex” っていうんですけども。
有名な話なんですけど、このGoogleplexの中には、何を食べても無料の社員食堂があります。
この映画の中でも、ビリーは「全部無料」と聞いて、思わず「エスプレッソをもう1つ、もう1つ……」と取っていったかと思うと、「ちょっと待って、そのバナナもタダなの? バナナを1個2個……」と貰って、さらには「そっちのコーンフレークもタダなの?」みたいに、どんどん取っていくというシーンがありました。
本当に、何もかもタダなんです。 ただし、この社員食堂には「持って帰ってはいけない」という、不思議なルールもあるんですけど。
こんなふうに、何もかもが無料で、おまけに地元の有機野菜を仕入れたヘルシーなメニューばっかりを出す社員食堂が、社内に11個もあるそうです。
おまけに、水泳自由のプールもある。 クライミング用の壁は、もうそこら中にあります。 コインランドリーもあるし、予防注射も会社の中で打ってくれます。
外国語のレッスン、ヨガスクール、ダンスの教室もありますし、あと、車で来たら、ガソリン代が出ないだけで、車の洗車とかオイルの交換も、全部Google持ちでタダで出来るんです。
なぜ、Googleはそこまで従業員にサービスするのかというと。
まあ、営業トークとしてはですね「最高の人材を求めてるから」というふうに言うんですけども、それが本当なのかというと、実はGoogleには裏の狙いがあるんです。
その裏の話は、まあまあキナ臭い話でもあるので、後半で話しましょう。
・・・
そんなGoogleに入社するために、もう1つよく出てくる採用試験の問題というのが、この “スクールバス問題” です。
「スクールバスの中にぎっちりゴルフボールを詰めると、何個入るでしょうか?」という問題ですね。
さっきの “ミキサー問題” は論理的思考を試す問題だったんですよ。
それに対して、このスクールバス問題というのは違います。 単純な算数の問題です。
「そんなのわからない!」と思考停止したり、「ああ、こうですね」と答え始めても、途中で言葉が詰まっちゃうとダメ、という問題なんです。 これも、ずーっと考えながら話さなきゃいけないんですよね。
・・・
これはいわゆる “フェルミ推論” なんですよ。
一見すると、絶対に分かるはずのないような問いに対して「この範囲からこの範囲じゃないのかな?」と答えるという問題です。
たとえば、有名なフェルミ推論に「世界中にサッカーボールが何個ありますか?」というのがあります。
「そんなもんわかるはずがない!」と思うんですけども、よくよく考えれば「世界人口は70億だから、まあ、70億以上はないだろう」とわかる。
次に、「サッカーボールって、何人に1人が持ってるの?」って考えたら「子供の数の4分の1くらいじゃない?」と予測できる。
「じゃあ、70億人の人口の子供の数って、どれくらいなの? いや、サッカーボールを持っているようなヤツだから、子供と言っても14歳から下かな?」と考えて行って、最初の70億という数から切って行くと、最終的には「何億から何億の間くらい」というのがわかるんですね。
この「何億から何億の間くらい」と考えるのがフェルミ推論です。
つまり、全く分からないところから、条件を限定していくことで、答えを絞っていくわけですね。
この他にも「日本中に電信柱が何本あるのか?」とか、「ニューヨークにピアノ調律師は何人いるのか?」とか、そういう答えを出す時によく使われるんですけど。
で、実際に調べてみたら……ニューヨークの調律師なんて調べられますよね? フェルミ推論っていうのは、もちろん、数字の扱い方のセンスにも依るんですけど、そんなに外れないんですよね。
フェルミ推論の場合「一桁しか外れてなかったら、もう合格!」って考えるんですよ。
例えば、フェルミ推論で出した数が10万個だったら「うーん、じゃあ、1万から100万の間だったら正解じゃないの?」と。
これが、フェルミ推論の考え方です。
・・・
スクールバスというのは、だいたい高さも幅も3メートルくらい。 長さについては、勝手に計算しやすいように10メートルと考えると、バスの体積自体は3×3×10で、90立方メートルです。
この90立方メートルの中にゴルフボールを詰めるわけですけど、これはあくまでもバスの体積であって、バスは床から下にはエンジンとかギアが詰まっていたり、座席があったり運転席があったり、つり革があったり、いろんな物がある。 だから、体積いっぱいには物は詰まらないだろう、と。
僕が考える場合は「こんなもん、計算しやすいように半分でいいや」と。バスの体積が90立方メートルなんだから、そのバスの中にゴルフボールが入る部分というのは、これの半分で45立方メートルくらいとします。
「45立方メートル」といっても、後でゴルフボールで計算することになるから、“立方センチ” に換算しておいた方がいいですよね。
立方メートルと立方センチは、100×100×100で考えるから、100万倍。 つまり、4500万立方センチというのが、バスの中に詰め込める容積だと考える。
ここまでは、まあ、算数ですよね。
次に、ゴルフボールの1つの体積です。
ゴルフボールの直径って、正確には知りませんけど、4センチか5センチくらいじゃないですか? これもフェルミ推論だから “検討” だけでいいんですよ 。
ボール1個の体積というのは「3分の4πrの3乗」なので、まあ、半径2.5センチの3分の4πrの3乗を電卓で計算して「63立方センチ」です。
まあ、実際には、このボールの大きさについても、フェルミ推論ですから「まあ、40立方センチ以上で、80以下じゃないだろうか?」と考えるわけです。
そして、さっきの4500万立方センチを、63立方センチで割ると「71万個くらい入る」ということになります。
ここに、ちょっとばかしスパイスを効かせるとしたら “空間充填率” を考えるんですよ。 空間充填率というのは何かというと、球形のものを入れると、どうしても隙間が空いちゃいますよね。
こんなふうに、ギッチリ入らずに、何割かしか入らないんです。
この空間充填率というのは、覚えても損がないので覚えてるんですけども、球の場合の空間充填率は大体「7割」です。 真四角のものじゃなく、球形のものを詰めるとですね、7割位しか詰まらない。
71万4285個の7割くらいだから、だいたい50万個くらいになります。
つまり、この「スクールバスの中にゴルフボールは何個入るのか?」という問題の答えは「だいたい50万個」となります。
「これを口に出しながら考える」というのが、有名なGoogleの試験なんですけど。
実際に、もっと綿密に計算しても、60万個という数字になることもあるし、45万個という数字になることもあるので、「ほぼ50万個」というのは、そんなにズレてないんですよね。
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