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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『紅の豚』冒頭シーン徹底解説 3 】 宮崎駿は当初 “志村けんのコント” を作ろうとしていた」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『紅の豚』冒頭シーン徹底解説 3 】 宮崎駿は当初 “志村けんのコント” を作ろうとしていた」

2018-11-15 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/11/15
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    今回は、ニコ生ゼミ11月04日(#255)から、ハイライトをお届けいたします。

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     【『紅の豚』冒頭シーン徹底解説  3 】 宮崎駿は当初 “志村けんのコント” を作ろうとしていた


     宮崎駿が『紅の豚』を作る前に、その原作漫画として模型雑誌に描いていた『飛行艇時代』という作品があるんですけども。

     その中で、マンマユート団が拐うのは、もうパッと見からわかる通り、クラリスみたいな美少女なんですよね。

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     おまけに、マンマユート団に拐われた美少女をポルコが助けに行くと、途中で観光用の飛行船とすれ違うんですよ。

     ポルコが出撃すると “偶然” 、遊覧用の飛行線が通りかかって、その中は、これまた “偶然” 若い女の子だらけなんです。

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     すると「豚さんよ! カワイイ!」という歓声が飛ぶんですね。

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     しかし、ポルコは、そんな黄色い声を上げる女の子達に、クールに「こんなところを飛んでると、団体で拐われちゃうよ?」なんて答えて、投げキッスまでするんです。
     
     すると、女の子たちはまた「カッコいい!」と叫ぶ。この時のポルコの返事が「ウヒョヒョヒョヒョ」なんですよ(笑)。

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     あの、これね “志村けんのコント” みたいなものを想像してくれるといいと思うんですよね。

     いや本当に。


     僕が最初に言った「当初、宮崎駿が作りたかったのは “脳細胞が豆腐になったオジサン達を慰めるためのアニメ” だ」というのは、本来はこういうものだったんですよ。

     これをやろうとしてたんですけども、『紅の豚』として作っている内に、どんどん話が深刻になってきて、あらゆる人物に奥行きを与えてしまった結果、こういった単純な話が出来なくなっちゃったんですね。

     ところが、Aパートと言われる、冒頭の10分15分には、まだ、そういったニオイがプンプン残ってるんですよ(笑)。

     だから、そこが見どころだと僕は思っているんですけど。

    ・・・

     この原作漫画は、ここから先もまだまだ続きます。

     女の子たちから「カッコいい!」と言われたポルコが「ウヒョヒョヒョヒョ」と喜んだ後、どうなるのかというと。


     ……すみませんね、こんなので大喜びしちゃって。

     またネットで叩かれてしまうな(笑)。

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     かくして美少女をマンマユートの魔の手から救ったポルコ・ロッソ!

     しかし、助けた美少女は海に飛び込んでビショ濡れだ!

     「これはいかん! 私にはエッチな気持ちは1ミリもないが、濡れた服のまま飛ぶわけにはいかん。……仕方がない。服を脱ぎなさい」と言って、服を脱がすわけですね。

     「愛機サボイア号の羽の上で濡れた服を干せば、アドリア海の陽光で、すぐに乾きます。毛布の下はスッポンポンでも、私はエンジンの修理をしてるので、大丈夫。見てませんよ」って感じで、続くんです。

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     で、その下のコマが「服は乾きましたか? さあ、ご両親の元へお送りしましょう」ということなんですけど。

     「困ったな、この飛行艇は1人乗り。……そうだ! このポルコめの膝の上に乗りなさい。1人乗りだから仕方ないでしょう。さあさあ」と。

     で、「さっきまでスッポンポンだった美少女を “仕方なく” 膝の上に乗せたポルコ・ロッソは、夕焼けのアドリア海を飛ぶのであった!」というのが、マジでこれ、この漫画のラストシーンなんですよ。

     宮崎駿、すごいの描いてるでしょ?(笑)

    ・・・

     だから、映画版の『紅の豚』にある「この後、ポルコが実際に助けたのは、女学生は女学生でも “幼稚園児” たちでした」という展開は、当てが外れて「ハラヒレホレハレ」となる、志村けんのコントみたいなものなんですよ。


     中年オジサンが笑って楽しめる上に、「お色気もあるのか?」と思ったら、実は当て外れだった、と。

     これが、映画版『紅の豚』の冒頭10分の構成なんです。

     だから、『こち亀』なんですね。

     「金に汚い両さんが失敗する」という話みたいに、「スケベな妄想ばっかりしている中年ポルコが、当てが外れてガッカリする」というギャグアニメとして、最初の10分はわりと作ってあるんですよ。


     しかし、ポルコというのは、徹底的にスケベ親父として描かれているんですけど、実際に女の子が目の前に来ると手を出せないんですよね。

     両さんがいつも失敗する感じと同じなんです。

     だから、フィオが隠れ家に付いて来た時も、いきなり服を脱いで「私、泳ぐね」と言った瞬間に、「やめろ」とも言えず、「おいおい……」と言うだけで固まってしまう(笑)。

     この「フィオがいきなり服を脱いで泳ぐ」というシーンは、実は、前半10分に出てくる隠れ家のシーンと呼応関係にあるというか、伏線と回収に当たるんですよね。

    ・・・

     ポルコというのは、いつも女のことを考えている妄想好きのエロ豚みたいなオヤジなんですけど。

     でも、実際にフィオが来て、目の前で服を脱いでしまったら、「ああ、どうしよう……!」と狼狽えて、固まってしまう。そういった、純情な男の子というか、童貞中学生みたいな話なんですよ。


     この『紅の豚』という作品の楽しみ方の1つには「カッコいいとは、こういうことだ」というキャッチコピー通り、もちろんカッコいい男を見るところにもあると思うんですけど。

     「そのカッコいい男の裏には童貞中学生がいる」と思って見ると “中年男としての『紅の豚』” が見られるんですよね。


     子供の頃に見ると「ああ、カッコイイとはこういうことなのか」と思ったり、若者の頃に見ると「こういう大人になりたいなあ」と憧れたりするんですけど。

     さあ、これが中年になってしまうと「痩せ我慢してるわけじゃないんだけど、なんか手を出せねえよな。臆病なのかな俺?」という、ポルコの気持ちというのもわかるようになってくるんです。


     少年ジャンプの『ゆらぎ荘の幽奈さん』とか、『ぼくたちは勉強ができない』とか、あとヤングマガジンの『こんなところに先生が!?』みたいな漫画があるじゃないですか。

     「とにかくエロいことばっかり考えてる童貞少年が、本当にエロいことに巻き込まれるんだけど、実際にそういうのが目の前にあると何も出来なくて固まって困る」という、例の童貞妄想作品。

     実は、『紅の豚』って、あれと全く同じなんですよ。


     繰り返しますが『紅の豚』のキャッチフレーズというのは「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のための漫画映画」なんです。

     つまり、もともとは満員電車で、エロい記事を恥ずかしながら、もしくは、恥ずかしげもなく読むことだけを楽しみにしている、ごく普通のオジサンたちのために、宮崎駿がサービスで作る映画になるはずだったんですよね。

     その意味では、今のオタク少年たちと宮崎駿は “童貞妄想” みたいな意味で、すごく趣味が似てるんです。


     まあ、そこら辺を女子には一切バレないように作っているところが、ちょっと今時の男子向け漫画と違う、宮崎駿の上手いところだと思うんですけど。

     
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