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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/12/28
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今回は、ニコ生ゼミ12月16日(#261)から、ハイライトをお届けいたします。

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 飛行機の進化の歴史を終わらせた “B-52” と “X-15”


 さて、1945年に戦争が終わりました。

 アメリカは戦争に勝って、世界唯一の超大国になったんですけど、それでも不安でしょうがなかったんですね。

 というのも、もともとドイツだって、第1次大戦が終わった時に二度と立ち上がることが出来ないくらい痛めつけたはずなんですよ。

 しかし、そんなベルサイユ条約で徹底的に金を奪い、誇りを奪い、産業を奪ったドイツは立ち上がってきた。

 おまけに、黄色人種の、ちっちゃい島に住んでいるはずの日本人も、アメリカに戦いを挑んで、4年間も戦った。

 「この弱いはずの2つの国が、アメリカを4年も苦しめた」ということで、アメリカは戦争に勝った後も、ものすごくビビりました。


 「この恐怖に勝つには、絶対に負けない新兵器を作るしかない!」と、アメリカ人は単純ですから、考えます。

 「B-29より速く、高く、より大きな爆弾を積んで、長く飛べる機体。零戦や、今後に登場する戦闘機にも勝てる、そんな戦闘機や爆撃機が欲しい!」と。

 そう考えたアメリカは、なんと、第2次大戦の最中から次世代航空機というのを研究し始めます。

・・・

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 これ「JET AGE」と書いてあるんですけども。中を開けるとアメリカのご婦人が家庭で使う縫い物用の針なんですよね。

 「錆びません」ってパッケージに書いてあるんですけど、その通り。

 60年たった今でも全然錆びてなくて使える針が中に入ってるんですけど。

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 こういう、アメリカの普通の主婦が使う家庭用品にすら、ジェット機のイラストと共に「JET AGE(ジェット時代)」と書く。

 これがこの時代、1950年に入る頃のアメリカだったんです。

 こんなものにまで「JET AGE」と書いたら売上が上がったわけですね。


 本当にそれくらい、なんでもジェットにしようとしたんです。

 「B-29を進化させてジェット爆撃機を作ろう。さらに、ジェット機より先の “ロケットエンジン” で、宇宙まで飛べる戦闘機を作ってしまおう!」と。

 そういう時代に生まれたのが、このジェットエンジンを使った戦略爆撃機 “B-52” と、X-15ロケット機なんですね。

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 このB-52戦略爆撃機と宇宙船X-15は、なんと、ニール・アームストロングが高校から大学に行っている間、もう本当に早い時期に、開発や配備が始まりました。

 なぜ、この2つを紹介するのかというと、実は、飛行機の進化の歴史というのは、事実上、ここで終わってるからなんですよ。


 ……いや、異論がある人がいるのは分かります。

 それも分かった上で言うんですけども。

 B-52戦略爆撃機って、運用を開始してから60年経ってるんですけど、いまだ現役なんですよね。

 アメリカ軍は、まだこれを使ってるんですよ。

 そして、X-15が打ち立てた速度記録や高度記録というのは、まだ塗り替えられていないんです。


 つまり、X-15はいまだに世界で最も性能の良い飛行機だし、B-52爆撃機はいまだにアメリカ軍が現役で使える爆撃機である。

 ということは、飛行機の進化というのは、この1950年代で終わってしまってるんですね。

 以後は、これをバージョンダウンしたり、もうちょっと使いやすくしたりしたもので、やりくりされているんです。

・・・

 高校生だったニールも、当たり前だけど、こういうジェット戦闘機に乗りたかったわけですね。

 だけど、高校生がどんなにバイトしても、プロペラ機の免許がなんとか取れたくらい。

 ジェット爆撃機を乗るには大学へ行くしかない。

 でも、ニールの家は貧乏です。

 そして、当時、貧乏な家の子が大学に行くためには、軍に入るのが一番合理的な方法でした。


 ということで、ニール・アームストロングは、海軍に入隊して、その研修プログラムとして、パデュー大学の “工学科” に行ったんですね。

 飛行機が好きで飛行機に乗りたいと思っていても、ニール・アームストロングというのは、パイロットではなくて、飛行機を作るエンジニア、技術者になりたかった人なんですよ。


 ニールは海軍に入ったことにより朝鮮戦争に参加することになるんですけど、その後、大学を卒業した頃に、やっと「飛行機を作る」という目標に近い就職先が見つかりました。

 エドワーズ空軍基地というところで、後にNASAになる “NACA” という機関が、新たにテストパイロットを募集していたんです。


 NACAというのは飛行機のいろんな発展に貢献した団体なんですけど。

 このNACAが極秘に開発していたはずのロケット機は、スプートニク・ショックで大騒ぎになったアメリカのマスコミに見つかってしまって「これこそアメリカ人を宇宙に送り込むロケットだ! 宇宙船だ!」と、もてはやされることになりました。

 それが、最初に話したこいつ(X-15)なんですよ。

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 極秘だったはずなのに、スプートニクの大騒ぎのおかげで「アメリカにもソ連に勝てるものはないのか!?」というふうにマスコミが探しまくって結果、見つけちゃったんですね。

 で、「え? ロケットじゃん、これ! それも、人間が座ったまま飛ばされるだけじゃなくて、ちゃんと操縦して、宇宙カプセルみたいに墜落するんじゃなくて、ちゃんと飛んで帰ってきて、着陸機脚を出して着陸してるじゃん! これならソ連に勝てるじゃん!」ということで、大騒ぎになったんです。


 ニール・アームストロングは、朝鮮戦争に行ってから大学を出してもらってすぐに、この宇宙船のテストパイロットに命じられました。

 さて、アームストロングとX-15の話はここからどうなるんでしょうか?


 ということで、ちょっと駆け足で話してしまったんで、予定よりも早いんですけども、無料放送はここまでにしたいと思います。

 ちょっと早口になりすぎたな(笑)。


 後半は、「なぜX-15はそこまでやっときながら、歴史の影に葬られたのか?」についてと、「ケネディ暗殺の真相」、「本当の宇宙飛行士とは何か?」というのを話そうと思います。

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