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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「痴漢冤罪を防ぐにはどうすればいい?」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「痴漢冤罪を防ぐにはどうすればいい?」

2019-01-26 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/01/26
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    今日は【岡田斗司夫アーカイブ】から選りすぐり 2017/05/21放送の『ニコ生ゼミ』
    のハイライトをお届けします。


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     痴漢冤罪を防ぐにはどうすればいい?

     
     まず、「痴漢冤罪にあったらどうするべきか?」。

     ここの一番シンプルなところから言うよ。

     これはもう、いろんな人が言っている通り、残念ながら正解はないんだ。

     俺、今回は完全に痴漢「冤罪」に限って話をするね。

     だから、「痴漢というのがどれだけけしからないか」とか、「痴漢の被害にあう女の人がどんな気持ちか」とか、「痴漢を告発する時、女の人がどんな勇気を出して痴漢ですと言っているか」とか、そこら辺は一切、今回の話では酌量しない。


     今回、僕がターゲットにしているのは痴漢冤罪の話だけだから、そこのところを注意して聞いてください。

     なぜこれに正解がないのかっていうと、今の話で出た通り、「本来は弱者であるはずの女性」や、「本来は正義の味方のはずの警察」が加害者側になるからなんだよ。

     この弱者や正義の味方が加害者側になるという構造が、僕らにはまだよくわかってないから、この痴漢冤罪という話がわかりにくくなってるんだ。


     というのも、女性側はやろうと思えば、イタズラ心とか悪意で持って痴漢騒動を起こすことができるんだ。

     もちろん、本当に触られて騒ぐというのもあるんだけども、やろうと思えば、痴漢をするけしからん男と同じように、けしからん心でもって特定の男性を破滅させることが簡単にできてしまうんだよね。

     変な言い方だけども。


     そして、それに対抗するための有効な手段とか抑止手段というのは、原則的に無い。

     たとえば女性が痴漢にあわないための対抗手段というのには「女性専用車両」という構造があるんだけども、男性が痴漢冤罪に会わないための構造的な対抗手段というのは、現実的にないんだよね。

     男性専用車両が無いから。

     なので、この時点で冤罪を受ける男性側というのは、ハンデを背負っているのと同じ。


     次に、なぜ警察が加害者側になるのかというと、彼らは通報を受けた時から「犯罪者を捕まえる」という前提で来てるからなんだよね。

     「有罪か無罪かの判定は裁判所がすることで、俺らの仕事はとりあえず捕まえることだ」って思ってる。

    (中略)

     「なぜ痴漢冤罪にあったときにどうすればいいか?」を考えるときには、このメタ的な「なぜ正解がないのか?」を考えればいいんだ。

     なぜ正解がないのかというと、設問が間違ってるからだよね。

     「冤罪事件に自分が巻き込まれたらどうするか?」ではなくて、「冤罪事件が近くで起きたらどうするか?」というふうに、発想を切り替えなければいけない。


     当たり前だけどさ、自分自身が痴漢冤罪に会う確率よりも、自分が乗っている車両で痴漢冤罪事件が起きる確率の方が、はるかに高いんだ。

     つまり、僕ら男性が痴漢冤罪問題について考えるべきは「自分が疑われたらどうしよう」ではなくて、「自分が乗りこんでいる車両の中でそのことが起きたらどうしよう」を考えるべきなんだ。


     僕らは、ついつい視野が狭くなってるんだ。

     だって、痴漢冤罪ってさ、めっちゃ怖いじゃん。

     そんな「疑われたら逃げられない」とかさ、怒りとか恐怖しか湧かないわけよ。


     「警察も信じられない、女も信じられない」というふうになってきたら、怒りと恐怖しか巻き起こらないから、ついついミニマムな防衛手段を考えちゃうんだよね。

     でも、たとえば国の防衛を考える場合、「軍事的な防衛力だけを上げればいいのではなく、国際環境を正常化させるべきだ」というのが当たり前の回答としてあるように、痴漢冤罪に関しても、その車両の近くにいる男性全員がどういう動きをするのかによってまったく変わってくるんだよ。


     よく「逃げればいい」と言うよね。

     でも、俺の結論からすると、「逃げる」のではなくて、考えるべきは「逃がす」なんだよ。


     どうすれば冤罪にあっている人間を逃がしてあげることができるか?

     それには、さっきも言った「人間力」が、俺らに問われちゃうのと同じなんだよね。


     つまり、もうすでに、警官にしても駅員にしても、彼らは自分自身の責任問題として、自動的に「そういう事件が起きたら被疑者を勾留する」という行動になっちゃうから、それをさせないようにするためには僕らが動くしかないんだよ。

     そして、僕らがこれをするということは、人間力が問われるわけだから、「本当にこいつが痴漢かどうか?」というのを、僕ら自身の目である程度判断しなきゃいけない。


     「じゃあ、なんか怪しげな格好をしていたら痴漢だと思えということか?」っていうと、そういうのじゃなくて。

     まず、プロセスとしては、女の人に対して「どういうふうに痴漢にあったんですか?」と聞く。

     そうすると、たとえば「このドアの近くであった」というふうに答える。


     ポイントは「先に女の人に説明させる」ってところなんだ。最初に疑われてる男の側が「そんなことねえ! 俺、そこにいたんだし!」なんて言った場合、女の人が「私もそこにいたわ!」って言葉をかぶせられたら、どんどん変な状況証拠が生まれちゃうじゃん。

     だから、そうじゃなくて、まず最初に女の人にどこにいたかを言わせて、次に男に反論させる。

     そして、男の反論に対しての証言を周りから集めるんだ。


     もう、他のみんなが降りちゃった後ではさ、たとえ男が「俺はそこにいなかった。反対側のドアにいたよ」って言ったとしても、女の人が「うそつけ!」って言ったりすると、もう水掛け論になって、その瞬間に「じゃあ本当はどうだったかは警察に行って確かめてください」になっちゃう。

     なので、できるだけその場で、「この人の近くにいた人いますか?」というような男性側の主張を保証する証言を集めるしかないんだ。


     というのも、その人が痴漢をしていたかどうかに関する証言なんて、めったにあるもんじゃないんだから。

     できることは、精々「その男性が本当にどの位置にいたのか」とか、「女の人が主張する通りの位置にいたのか?」くらい。

     こういう証言をきちんと集められるだけの人が周りにいる間にやらなきゃいけない。


     なんかね、面倒くさいんだけどさ、そういう駅員とか警察が人間力を出してやるようなことを、男性全員で引き受けるしかない。

     この回答から目を背けていると延々と「痴漢冤罪になった時にどうしたらいいのか?」という、正解のない問題に振り回されて、無益な「もう線路に飛び込めばいいんだ!」みたいな、そっちの方に行っちゃうんだよね。

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