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今回は、ニコ生ゼミ1月20日分(#265)から、ハイライトをお届けいたします。
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「【 漫画版『攻殻機動隊』を掴むための3つのキーワード 2 】バブル経済」
第2のキーワード、『攻殻機動隊』が出現した前提としてあるのが「バブル経済」です。
なので、「核戦争が起きた後、もう世界は滅びて、水を奪い合って殺し合う。バイクに乗ったヤツらがウェーイ! みたいな世界だ」って考えちゃうんですね(笑)。
この2つの世界観の差は何かというと、バブル経済と後に呼ばれることになる、未曾有の好景気の時代にあります。
そんなことを、経済担当の大臣が集まってやってるんです(笑)。
このおかげで、円の価値が一時的にガーッと上がるというのは、この段階からわかってたんですね。
…これ、僕も当時を生きていたからわかるんですけども、“半額セール” と言われたんですね。
アメリカの資産の買い取りとか、ビルとか、もう本当に島とか、そういうものをガンガン円で買えた時代があったんです。
海外旅行のブームも起こりました。
つまり、海外にあるものは、全てがそれまでの半額に思えたんですね。
海外旅行であれ、海外の不動産であれ、海外の会社であれ、全てがこれまでの半額で手に入るということで、空前の投資ブーム、旅行ブームというのが起こりました。
なので、現在の東南アジアの好景気というのは、実はこのプラザ合意におけるドル安円高誘導のおかげでもあります。
日本にいたら、別に同じなんですよ。
「急に景気が良くなった」といって、100円のものはやっぱり100円でしか買えないんですね。
ところが、海外では100円が200円の価値で使えるという半額セール状態ですから、海外の物がいきなり安くなっちゃうわけです。
普通の人は輸入品を安く買っていたんですけども、そこら辺、ちょっと利に聡い人は、海外の物件に投資したり、海外で生産拠点を作るために工場を作ったりし始めたんです。
そして、日本というのは、工場を作る時に、とにかく工場で働く人達を教育するし、言葉は教える。
科学技術も教える。
あとはみんなに “タイムレコーダー” という仕組みまでも、骨の髄まで教え込む。
ということで、実は現在の東南アジアの好景気というのは、ほとんどが、このプラザ合意における円高誘導の結果、東南アジアに多大な投資を、別に政府からでなくて、民間から、皆が勝手にやっちゃったおかげで今の発展があるわけですよね。
これは、10数年前のNHK特集で言ってたことなので、今さら言ってもしょうがないことなんですけど。
1つ目の「終末戦争とサイバーパンク」だけでは、この第1ページに出てくる巨大なビル群というのは説明できないんですね。
経済が発展している状態になっています。
だいたい普通の人は『攻殻機動隊』を読もうと試みても、あのシーンを見て逃げちゃうんですけども(笑)。
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