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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「SF作品を作るとは「科学的な辻褄を合わせること」じゃない!」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「SF作品を作るとは「科学的な辻褄を合わせること」じゃない!」

2019-07-11 07:00

    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/07/11

     今日は、2019/06/23配信の岡田斗司夫ゼミ「『アラジン』特集、原作『アラビアン・ナイト』から、アニメ版・実写版まで徹底研究!」からハイライトをお届けします。


    『ガンダム THE ORIGIN』の気になるシーン

     ああ、ここまででもう35分を過ぎちゃった。えらいこっちゃ。
     まだ『アラジン』に行かないんですけども。『ガンダム THE ORIGIN』が、もう、楽しくて楽しくて。

     NHKで毎週日曜日に放送している『ガンダム THE ORIGIN』なんですけど。
     ちょうど今、6月23日の日曜日の夜8時に喋ってますから、ここでは先週の話しかできないんですけども。
     先週は第8話「ジオン公国独立」というエピソードでした。
     内容としては「月のスミス海で亡命しようとしているミノフスキー博士をザクが襲う」という話。
     なんか僕、これを見ていてフッと思い出したんです。

     「ちょっ、ちょっと待て! 俺、この話、知ってるぞ!」と。
     「もう、かれこれ30年くらい前に、俺、その話を考えたよ!」と。
     「ミノフスキー博士がジオンから連邦に亡命しようとして、ザクに襲われるって、俺、その話を考えて、マンガを描いてもらったことがあるよ!」という(笑)。
     沖一さんというマンガ家がいて、シナリオを描いたのはストリームベースの高橋昌也さんなんですけど。
    (本を見せる。『マンガ兵器サイバーコミックス (1)』)

    nico_190623_03739.jpg【画像】サイバーコミックス

     この中に、『ミノフスキー博士物語』というエピソードが載ってるんですけど。今回の「ジオン公国独立」の冒頭は、丸々それなんですね。

    nico_190623_03758.jpg【画像】ミノフスキー博士物語

     自分がアイデアを考えたお話を、30年後に、いきなりNHKのアニメで見るこの感動という。
     いやあ、人生ってなんて面白いんだろう。この時、しょーもない仕事も真面目にしてて良かった(笑)。

    「同人誌?」(コメント)

     同人ではありません。これはバンダイから出版している、ちゃんとした商業雑誌ですから(笑)。
     まだ、これ、Amazonとかで手に入りますから、興味がある人は見ておいてください。

     まあ、ただ単に「こんな事があった」という話なんですけども。

     今回の『ガンダムTHE ORIGIN』で気になったのがここなんですよ。
    (パネルを見せる)

    nico_190623_03902.jpg【画像】ORIGIN会議シーン ©SOTSU・SUNRISE

     月のアナハイム・エレクトロニクスという、後にガンダムを作ることになる会社の会議室の風景ですね。
     テム・レイ、いわゆるアムロ・レイのお父さんが、ガンダムの大プレゼンをやっているところで、アナハイム・エレクトロニクスの偉いさんたちが、月のフォン・ブラウンシティというところだと思うんですけど、そこの会議室に座っています。

     これ、何か気になるのかというと「この椅子にクッションがある」ということなんですよ。
     あのね、月の重力は地球の6分の1なんですよ? 椅子にクッションなんていらんのですよ。というか、クッションなんかが下手にあると、お尻の座りが邪魔されるんです。
     いわゆる、地球で言うと……フワフワな、コートとかに使っているダウンみたいな材質があるじゃん? そんな、ものすごくフワフワなもので作った椅子に座らされるみたいな、お尻がフワフワになっちゃう感触。
     月というのは、地球の6分の1の重力なので、椅子にクッションいらないんですよ。お尻が座面にフィットしなくて、逆に座りにくくなっちゃうんですね。

     この「コップに水」というのもありえない。
     なぜかというと、月では重力が6分の1。ということは、コップの中の水も、コップに対して1Gじゃなくて6分の1Gしか掛かっていないんですね。
     その中で普通に水を飲んだら、水だけが慣性の法則でバシャッと上の方にあがってきてしまう。だから、こういうコップみたいなものに水を入れるはずがないんですよ。
     これ、「アニメの方のミスかな?」と思って調べてみたら、マンガの方も、やっぱりこういうふうに描いているんですよね。

     おまけに、「汗が下に流れてる」んですよ。
     6分の1の重力くらいでは、汗というのは表面張力の方が大きくなっちゃって、下に流れないんです。

     なんでこんなことを言うのかというと、これって「編集の人が仕事してない証拠」なんですね。
     マンガ家とか作画の人というのは、そういうことを知らずにやるんですけども。ここで高畑勲みたいな人間が出てきて「これは違うでしょ?」って言わないと、どんどん「いわゆる~」になっちゃうんですよね。
     この椅子のクッションなんかも典型的。椅子のクッション、コップ、汗もそうですけど、なぜ、彼らが背広を着てるのかも、全部「いわゆる~」なんですよ。
     この場面で、椅子を単純な絵でなく、わざわざ手間をかけてクッションまで描いているのは、「画面にリアリティを与えるため」なんですよね。
     ところが、この手間を掛けて書いた椅子のクッションが、逆にリアリティを減らしてしまう。

     さっきも言ったように、重役がスーツ姿なのも気になります。「なぜ、月面の企業のはずなのにスーツなのか?」と。
     シリコンバレーで働いている人達は、「俺達はシリコンバレーで働いているんだから」ということで、過剰に自由な服を着るじゃないですか? みんな、Tシャツ・ジーパンで働いているんですね。
     つまり、「俺達はシリコンバレーで働いている」というプライドが、彼らのファッションというのを、ある程度、決定しているわけです。
     じゃあ、月に本社がある企業というのも、同じように、月なりのプライドがあるはずなんですよね。
     むしろ、地球出身のテム・レイだけが逆にスーツであるべきなんですよ。テム・レイは地球生まれだから。彼がアナハイムでプレゼンする時に、地球の流儀でスーツを着ているのに対して、重役たちはノーマルスーツ(宇宙服)の下に着る温度調整が簡単に出来るジャージのようなハイテクアンダーウェアを着ている。そうすれば、この「アナハイムというエリート集団の元に、テム・レイという、ちょっと立場が悪いヤツが来ている」ということを見せれるはずなんです。
     そこを考えずに、「いわゆる偉い人だからスーツを着てて、テム・レイは研究者だから白衣を着てて」という考えのなさが、「ちょっと待てよ!」と。

     いや、安彦さんがマンガで描いちゃうのは、手の癖だからしょうがないとしても、そこで「カドカワの編集、何やってんだ?」と。
     お前らがやるのは、ガンダムファン上がりみたいに「このザクは違いますよ」とか、「このガンダムはこういう性能があって~」という、そういうしょーもない指摘ではなくて、もっとちゃんとした大学を出てるんだから、技術的なことを教えてやれよと思うんですけど。
     本当に「仕事してねえな」と思います。

     あと、この会議室の天井の高さ。これも気になってて。
     月面という環境を考えたら、この部屋も天井が低いはずなんですよ。
     だって、そうでしょ? そういうところで天井を高くしても、危険度があがるだけなんですよ。

     そういうところで、会議室みたいなところで自分達の権力を誇示したいから天井を上げるのか? そうではないんですね。
     例えば、「砂漠の民族は、金持ちだったら噴水を作るのか?」っていったら、案外、そっちの方に行かないんですよ。「どのように権力を見せるのか?」というのも、その土地土地の文化とかフォーマットというのがあるんだから。
     それを考えることをサボっているんですね。

     高い天井なんか作っちゃったら、与圧する部屋の体積が増えて無駄が多いんですよ。
     せっかくコロニーと月との差を見せるチャンスなのに。
     コロニーは逆なんですよ、コロニーは巨大なシリンダーの中を丸々与圧してるから、ここでは高さというのを出してもいいんですけど。
     「月とコロニーの差を見せる」というのは、天井の低さを思いっきり出すことによって、見せられるはずだったのにね。
     コロニーというのは、全てにおいて大量の規格品で出来ていて、部屋は広くて天井が高く、エレベーターで中心軸に登れば0Gなるんですけども。
     月というのはコロニーよりもエリートが多くて、天井は低くて、部屋も狭くて、どこに行っても6分の1の重力で、こういった椅子とかは、案外、簡単な出来のものになっている。
     そこら辺で文化の差というのを見せて欲しかったんですけど。

     そういう環境の差というのが、そこに住む人間の常識の差になるので。なんか、砂漠の民と海の近くに住んでいる民族って、絶対に文化とか世界観違うじゃないですか。
     そういうところを見せるべきだったと思います。

     SFというのは、「科学的な辻褄を合わせること」じゃないんです。
     「それが本当に現実化した場合、コロニーが現実化してたり、月にハイテク企業の本社があるということが現実化した場合、お互いに、どのような常識の塊が、その世界を支配しているのかを考えること」がSFなんですね。

     このSFアニメの作り方に関しては、もうちょっと言いたいことがあるので、後半で話してみたいと思います。
     というのも、富野さんは講演の中で、怒りを爆発させて「どんなにアニメのスタッフというのが、宇宙をわかっていないのか!」って力説していたことと、この問題とが、偶然、合ってたので。
     今のは僕の意見なんですけど、「じゃあ、富野さんはどういうふうに語っていたのか?」という話を後半の方で語ってみたいと思います。


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