岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/07/26

 今日は、2019/07/07配信の岡田斗司夫ゼミ「新スパイダーマン+都市伝説「NASAとLINEの陰謀」&70年代トラウマ・マンガ〜今夜のゼミは甘辛ミックス!」からハイライトをお届けします。


 じゃあ、第1特集「LINEスコアの真実」の話をしましょう。

 6月末に、LINEが新しく始めたサービス「LINEスコア」。
 これ、LINEのウォレットの画面を開くと、こんなふうに、スコアというのが表示されるんですよね。
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nico_190707_02803.jpg【画像】LINEスコア

 この「スコア」というところをタップすると査定が始まって、15問くらいの質問に答えると、スコアが出てきます。

 最初、僕は何も答えない状態で144でした。
 あるフリーターの人がやったら「一番最初は110くらいだった」と言ってるから、たぶん、年代によって差があるんだと思います。
 僕がその質問に答えていったら、もう多いかどうか全然わからないんですけど、535というスコアがでました。
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nico_190707_02836.jpg【画像】スコア535

 「こんにちは岡田斗司夫さん」と書いてある下にある数字ですね。535です。
 まあ、ローンや借金はしてないんですけど、離婚して1人暮らしで住んでいて、住んでるマンションも賃貸なので、これくらいだと思います。

 これ、LINEの家計簿を使ったり、LINE Payというネット決済を使うと、スコアはそれぞれ20ずつ上がります。
 ここにも「LINE Payを使いましょう! 使ったらスコアが上がりますよ?」という案内が出てくるんですけど。

 27歳のフリーターの人が自分の数値を公開していました。27歳男性独身フリーターで、年収150万だったら、スコアは218だそうです。
 この218と、僕の535の差が何なのか、よくわからないけども、たぶん、大きいのは年齢だと思うんですよね。年齢による安定性。
 あとは……そうか、定職か。僕は会社役員なんだ。給料は低いけど会社役員なんですよね。なので、そこら辺だと思います。

 これ、点が上がっていくと「LINEスコアでマイカラーをランクアップ」と、ここに書いてあるように、マイカラーというのがLINEにはあって、それが段々上がっていくそうです。
(パネルを見せる)

nico_190707_02947.jpg【画像】マイカラー

 スコアが626以上だとマイカラーがブルーになる、と。で、726以上だとグリーンになって、5%還元。LINE Payの支払いが、最大4%還元とか、5%還元というふうになります。
 こんなふうに、マイカラーとしてブルー、グリーンというふうに徐々に上げていくことが出来るみたいです。

 その他、このLINEスコアに参加するだけで、映画の試写会のサービスの抽選に応募出来たり、ブランドバッグのレンタルとか、カーシェアリングの割引など、各種サービスが開始されています。
 LINEは、たぶん、この参加するだけでサービスというのを、全力で増やしてくるわけですね。
 これは、誰にも損がないからです。なぜかというと、こういう割引サービスとか無料サービスとかというのは、提供する会社は広告のつもりでやるから無料で提供するし、LINEにしてみたら情報を出すだけでいいので、一銭も損をしないんですね。
 なので、こういったタイアップのサービスみたいなものは、どんどん増えて来るでしょう。
 まあ、例えば、スマートニュースとかでやっているクーポンと同じですね。マクドナルドとか牛丼屋などのクーポンサービスも、組み合わせで出て来るはずです。
 だから、今のところ、こういうLINEスコアみたいな格付けサービスみたいなものに対して「いやあ、そんなのは~」と抵抗している人も、徐々に徐々に、例えば、自分が入っている携帯の通信会社でマクドナルドのポテトが半額になるサービスを使うようになるみたいに、抵抗なく、こういうサービスに馴染んでいくと思います。

 本命のサービスは、「この夏」って言ってるから、たぶん、来月くらいから展開される、このスコアによって利息と利用可能額が変更される少額融資サービス、LINEポケットマネーなんでしょう。これが始まるわけですね。
 面白いですね。これ、たぶん、1000点満点なので、これが何点かによって、さっき話したフリーターの218点の人と、535点の僕とでは、LINEからお金を借りる時の利息と利用可能額が違う。

 ブログとかを調べてみたら、もっとスコアが高い人はいくらでもいたんですよね。IT関係のライターの人とか、たぶん、僕よりも東京の中心に住んでいて、奥さんと子供がいるような人は僕より点が高くなるんですよ。
 そういう人は、LINEポケットマネーから、安い利率で利用可能額が多くお金を借りられるわけですね。

「470点だった」(コメント)

 お、ありがとう。
 やっぱりそうですよね。たぶんね、年齢要素かなりデカいと思うんですよね。

 さっき「LINE Payとか他のサービスを使うと、ポイントがたされる」という話をしたんですけど。
 次の段階では、こういうふうに、LINEのアプリを使えば使うほど、有利に買い物が出来るし、借金も出来るようになる。
 逆に言えば「使わなくては損だ」というふうに、徐々に徐々になっていくわけですね。

 例えば、クレジットカード会社でも、「旅行中の怪我とか事故に対しては基本的に保険金が降りるけど、飛行機に乗れなかったというトラブルが起きた場合、アメックスのクレジットカードで払っていれば保障があるけど、別の会社のクレジットカードでは保障が降りない」みたいに、カード払いでなければ不利になるようなサービスはいくらでもあるんですね。
 そういうサービスがあるからこそ、みんな「この支払はこっちのカードで」という使い分けをよくやっているんですけど。
 それと同じように、今後は「LINEのアプリを使うものと、使わないもの」みたいに、使い分けをするようになると思うんですね。今までの信販会社のやり方から見ると。
 まあ、僕らは、コンビニでおにぎりが無料になるだけで、セブンイレブンの支払いサービスに登録したり、必死になっちゃうわけじゃないですか。
 そういうふうに「ちょっとした得がある」と聞くと、やっぱり、使いたくなるのが人情みたいなものなんで。

 LINEにとっての「ありがたい客」というのは、「LINEポケットマネーという少額融資サービスを、全く使わない健全財政の客」ではなくて、「LINEポケットマネーで金を借りて、後で利子を払って返済してくれるお客さん」なんですよ。
 つまり、LINEのアプリを使いこなせば使いこなすほど、スコアが上がっていくようになるだろう、と。
 例えば、マイラーと呼ばれる人は、必要もないのに飛行機に乗ることがありますよね?
 この間、テレビのバラエティ番組で見てたんですけど、「JALのマイレージカードのランクを上げたいがために、必要もないのに朝から沖縄の方に行って、そこからまた他所の島に行って、東北に行って帰ってくる」という人の話がやってたんですよ。「1日でこんなにマイルが貯まった。以後、空港のラウンジに入り放題だから、わりと得だ!」というふうに話てたんですけど。
 それと同じく、スコアを上げるために、LINEから、必要もないのにお金を借りるようになってくる人も出てくると思います。

 じゃあ、その次の段階はどうなるのか?
 今、LINEが確実にやっているサービスだけを、ここまで話してきたんですけども。ここから先は、来年、再来年、3年後くらいにやるだろう、ちょっと恐ろしい世界の話です。

 僕は、LINEが目指しているのは21世紀型の奴隷制度だと思っているんですよ。
 本当に、奴隷制度だと思ってるんですけども……内容的に無料公開できるような話ではないので、すみませんけど、そっちの話は後半の有料枠でやりたいと思います(笑)。

 とりあえず、LINEがやろうとしているのは、僕が前から言っている評価経済社会のベースになるものであって、それは何もLINEだけではなく、Yahooも始めているし、色んな会社が一斉に始めている。例えば、みずほ銀行とかがJスコアとかを始めましたよね?
 では、それの正体というか、将来像は何なのか? 実は、かなり大きな、この社会の組み換え、それは経済的な部分だけではなく、政治形態とかそっちの方にも引っかかってくるくらい、大きな枠組みの変化が、これから10年15年くらいで始まろうとしている。

 「それに関して、もう国籍というのはなくなっているな」というのが、僕の感覚なんですよ。
 例えば、アリババが中国の資本だとか、LINEが韓国の会社だとか、AmazonとかGoogle、Appleにしてもアメリカの会社だとかいうことで、「そういう外国の企業がやっていることに僕らが組み込まれて行くということは、結局、日本が負けることじゃないのか?」って、僕らは思っちゃうんですけど。
 日本は日本で、ソフトバンクをはじめ、いろんなところがそういうことを始めようとしてるんですけども。
 でも、そういった企業というのは「どこも、それぞれの国を上げて戦ってない」んですね。「どこも、国という概念が滅びた後の王座をかけて戦っているだけ」で。

 なんでしょうね? 僕らは「そういった中から、どの怪獣が勝つのかを見ているだけ」なんですよ(笑)。
 別に、日本から生まれて来たから、ゴジラが偉いわけでもなんでもなく、俺らにしてみりゃ、ゴジラであろうとラドンであろうと、フランス製の怪獣だろうと、メキシコ製の怪獣だろうと、踏まれりゃ痛いし、逆にその怪獣が俺らを贔屓してくれたらありがたい。
 ということで、「国籍が全然関係ない世界に、僕らはちょっと入りつつあるな」という話を、後半の方でしようと思います。


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