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 岡田斗司夫のニコ生では言えない話 第14号 2012/12/24
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【今週のコンテンツ】大事なのはスキル?…いいえ、時代は「いいひと」なんです。
【今週の書き起こし】岡田斗司夫講演「いい人戦略」セミナー(前半)
【岡田斗司夫なう。】最新刊『「いいひと」戦略』発売!
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◆【今週のコンテンツ】大事なのはスキル?…いいえ、時代は「いいひと」なんです。
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12/20にマガジンハウス社から、岡田斗司夫著『超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』が発売されました。
今回はそれを記念して、2011年12月に行われ書籍のベースとなった講演、「いい人」戦略セミナー前編の模様をお届けします。
 
岡田斗司夫の書籍は、岡田斗司夫の講演をベースにFREEexメンバーと共に作られています。
本書もメンバーの手で講演を文字に起こし、構成を練り打ち合わせを重ね、不足分を書き足し表現を修正したりと、多くの人の協力があって作られました。
したがって当初の講演と書籍とでは内容や表現に異なるところもありますのでご了承下さい。
 
本書を既にお持ちの方は、講演を書籍化する際にどのように手を加えたのか、ぜひその違いを読み比べてみて下さい。
お持ちでない方も講演をご覧いただき、興味が湧きましたら重ねて書籍も手に取ってみて下さい。
――「いいひと戦略」なんて胡散臭いし、宣伝ばかりのアナタは「いいひと」なわけ?
……そんな疑問をお持ちの方には、「いいひと戦略」でお許し下さるようお願いします。
 
それでは講演前編の模様、まずはハイライトでどうぞ。無銘のマサフミでした。

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もともとこの「いいひと戦略」というのを考えたのはなにかというと、なんでしょうね、これからは心のキレイないいひとがいいんだよ、という話ではなくてですね、どちらかというと損得勘定みたいなものでですね、戦略として「いいひと」というのを選んでる方がいいだろう、という考え方なんですね。
僕の考え方は、人間の性格とか性分っていうのをですね、わりとなんでしょうね、分けて考えちゃうんですね。
たとえば悲観的とか楽観的といいます。僕は悲観的な人とか楽観的な人というのは、生まれてからの性分だとはあんまり考えないんですね。
自分は悲観的な人間だ。なんでもかんでもネガティブに考えるという人は、心の底からネガティブな人とかですね、そういうふうな人ではなくて、じつはネガティブに考えることが最もその人の利益に即しているからだ、と考えちゃうんです。
悲観的な人はなにかというと、悲観的に考えることがその人の利益を最大化しダメージを最小化する方法だ。
つまり、悲観的に考えているとですね、物事が本当にうまく行かなかったときにダメージが少ないと考えてるはずなんですね。悲観的な人は絶対に。
ネガティブな人というのは、調子に乗ってイケると思ったらあとで転ぶから、とか、あとで痛いからとか絶対に考えているんですね。
これが僕が考える、ネガティブな人とか悲観的な人。逆に、楽観的な人とか肯定的な人っていうのの差です。戦略差にしか過ぎない。性分とか考え方とかで、そんなものは発生しない。
なんでかというと、野生動物に楽観的な野生動物とか悲観的な野生動物とかいないからです。ポジティブなトラはいないし、ネガティブなライオンはいないんですね。
彼らはですね、それぞれの生存戦略によって、臆病に見えたり、たとえばキリンとか臆病に見えたりしますし、あとワニとかはどう猛に見えたりするんですけども、彼らは性格的に臆病なわけでもどう猛なわけでもなくて、生存戦略として、臆病なように振舞うのがもっとも適しているからですね。
それとおなじように、楽観的、悲観的というのも僕らが、たぶんそれ回答出てないんですね。楽観的に振る舞った方がじつは得かどうか、悲観的に振る舞ったほうが得かというのは人間の社会のなかで回答は出てないので、だからどちらかに分かれちゃうんだと思うんですね。
 
【5:15】
 
ただ僕個人としては、悲観的っていうのはもう最近損じゃないかなと思い始めているんですね。
なんでかというとですね、楽観的、悲観的って人間の性格がいつ頃生まれたかわからないんですけども、少なくとも今現在、自分の考えというものが記録が取れるようになって、人間というのは考えているのが他人に伝えられるようになった。
そうなると、これ例え話なんですけども、ある人が悲観的に考えると。
「だってダメだったときに、-100くらい落ち込むじゃない。そうじゃなくて最初から「ダメじゃないかな、ダメじゃないかな、ダメじゃないかな」っていうふうに-20くらいに考えといたら、結果的にあとから良くてもダメでも、-20ダメだと思ったんだからこの差があまりないから。
もしこれが+100でイケるにちがいないとずっと思ってると、あとで+100から-100まで200も落ち込まなきゃいけない。
これはなにか絶対に損だ、というのが悲観的な人の戦略だと思うんですね。
 
これ、昔は僕もこの通りだと思ったんですけども、最近こういうふうに考えるのやめてですね、あえて楽観戦略をとるようにしているんです。
なんでかっていうと、確かに-20で考えておいたら80しか落差がないからいいように思えるんですけども、これがもし1週間後の出来事だとしましょう。この事件が。
1週間後に起きる、たとえば試験発表でもなんでもいいですよ。今日1日目から7日目まであったら、今日から1週間「-20にちがいない、ちがいない、ちがいない、ちがいない、ちがいない、ちがいない」と思ってたら、こんなの単純な足し算できるわけでもないんですけども、これ全部足したら-140になっちゃうんですね。
そうすると、そのあといくら良いことがあって+100になっても、結局-40じゃねぇか、と。
なんか悲観的にって案外ダメージが少ないような気がするんだけど、長期的なスパンで見たら自分の心にストレスを与えちゃうから割と損な戦略じゃないのっていうふうに考える。
こういうふうに考えるようになったのが、「いいひと戦略」というのを思いつくだいぶ前のことなんですけども。
 
ん? あんまりキレイなイレイザーがない。
 
というわけでですね、いいひと戦略というのはいま言ったような考え方に近くてですね、戦略として、自分の生き方として、どういうふうなものを選ぶのか。あえて選ぶとしたら、どういうふうにするのか? というものだと思ってください。
べつに僕たちはこれからこういうふうに生きましょう、という生き方を決めるわけでもなければ、自分の性格を変えようというのではないですね。
そうではなくて、お客さんに対する、もし自営業の人だったらお客さんに対する対応を変えてみようとか、もしくは、なんでしょうね、営業の人とか販売の人とかだったら戦略を変えるみたいなもんですね。
それみたいなものだと考えて貰えばいいと思います。
 
なんでこんなことを言うのかというとですね、僕は自分の本でずっと言ってるんですけども、現在の21世紀の世界というのは、日本をたぶん最先頭としてですね、評価経済社会というのに突入してると思ってます。
評価経済社会というのは、一言で言えばお金より評価が価値を持つ世界ですね。
これをですね、言っちゃうとなかなかややこしいことになって、これだけで1時間半とか2時間かかっちゃうんですけども、基本的にですね、人類の歴史というのは大部分は評価社会だったんですね。
別に今、評価経済社会が来た、未曾有の時代だというのではなくてですね、実は人類の歴史は大部分「評価社会」だったんですね。
それが家柄社会になったり、たまには実力社会になったりする。
いまは実力社会に近いようなものなんですけども。
で、今これ「マネー経済社会」から「評価経済社会」へと流れてる、というふうに僕は考えています。その辺に関しては詳しくは『評価経済社会』という本を読んでみてください。
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続きは書き起こしでお楽しみ下さい。