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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/7/30
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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パヴィスさん/23歳/会社員/ブロマガ会員
「映画の名作の条件とは?」
【質問】
“岡田さんが考える映画の名作の条件とはなんでしょうか?”

【回答】
「ルック」「シナリオ」「役者」「深度」の4つです。
 先日見た『渇き』という邦画でこの4つを説明してみましょう。
 ルックとは映像の独自性。その映画独特の美しい絵があるかどうか。
『渇き』には血や傷口のグロさはあれど、中島監督独特の映像美があります。つまりルックは合格。
 シナリオはストーリーの整合性や「見せる順番」の上手さ、観客をどういう世界に引き込むかの手際です。『渇き』はこれも合格。
 役者はキャスティングや演技。『渇き』は役所広司の演技は満点。演技力が低いヒロインも「演技してるように見せる演出」で、素晴らしい印象でした。なので合格。
 最後の深度。これが『渇き』には徹底して不足しています。なぜ娘がモンスターなのか?なぜ主人公の元刑事はそこまでして周囲を破壊するのか?
 もちろん「設定」はあります。その理由っぽい「トラウマ」も開示されます。でも、そこになんのリアリティもありません。そこら中にある「セカイ系」のマンガやアニメと同じです。
 なので残念ながら『渇き』は僕にとって「刺激的で面白いけど、安っぽい映画」でした。
 名作には一歩及ばず。残念です。