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【質問】
山田玲司さん/48歳/漫画家/「映画ベスト3を教えてください。」
<おっくん>
映画ベスト3を教えてください。
【回答】
<岡田斗司夫>
「リトルショップ・オブ・ホラーズ」それと、「2001年宇宙の旅」は何回観ても飽きない。
あとは時期によって違うんですけど、最近は「ジャンゴ」が好き。タランティーノジャンゴ。
<山田玲司>
まさかの「ジャンゴ」。ジャンゴの魅力は?
<岡田斗司夫>
一カット目から音楽の入り方。
ストーリーの作り方とかシーンの見せ方とか、タランティーノが一段うまくなったのが分かるじゃん。西部劇でコメディーでありながらバイオレンス。
本当は「ジャンゴ」はこんなのがやりたかった、マカロニ・ウェスタンをやりたかったはずなのにっていうのをちゃんとやっているというところ。
タランティーノ映画って好きになりきれないところがあったんだけれども、「ジャンゴ」観てこれだって思ったの。
あと「プラダを着た悪魔」とか「ドリームガールズ」とか好きよ。
<おっくん>
えー。
<山田玲司>
えー。やっぱり中に女の人いるよ。そうなんだよ。
<おっくん>
「ジャージー・ボーイズ」はどうですか。イーストウッドはあまり好きではない?
<岡田斗司夫>
イーストウッド好きは好きなんだけど、イーストウッド監督映画には楽しさが足りない気がして。
「プラダを着た悪魔」でも「ドリームガールズ」でも、歌があったり楽しい場面が必ずあるんだけど、イーストウッドって、「苦い人生を教えてやろうか」ってあれはボクサーでしょ?
俺が見たいのはプロレスであって、ボクサーはどうでもいい。
<おっくん>
プロレスが見たい。なるほど、すっげー面白い。
<岡田斗司夫>
スポーツ嫌いなのは、あれ現象でしょ。
11人を閉じ込めて2チーム集めて、ボール1個与えて、蹴ってお互いにもっていくと。
こういう力学的条件与えて、動いておもしれーって、買った負けたとかないでしょ?
渋谷のスクランブル交差点と同じだよ。
シナリオあるものが芸術であって、スポーツは現象であって、芸術でもなんでもないよ。
<おっくん>
単純にボールを100m向こうまで蹴れるって凄いじゃないですか。
<岡田斗司夫>
それ言い出したら、アンデスの向こうの人が視力良くって、山3つ向こうの羊を数えられるのは凄いじゃん。そんなのびっくり人間大集合に出せばいいんだよ。
<おっくん>
オリンピック…まあいいやもう(笑)
<岡田斗司夫>
オリンピックは出るのは意味あるよ。見てもしょうがないじゃん。
<おっくん>
単純にスゲーなって。
<岡田斗司夫>
自分がヤリ投げてたら意味あるよ。ヤリ投げてないのにヤリ投げ見てどうするの?
貧乏臭い知的……わかんねーや。
他人がやって面白いスポーツはSEXだけだよ。
わ~楽しい(笑)
<山田玲司>
でも現象だったら何回も大体同じになる。このチームにこいつとこいつがいるからとか。
どう考えても負けるはずなのに、100回に一回奇跡が起こったりするじゃないですか。
奇跡見たいんじゃないんですか?
<岡田斗司夫>
アリが行列つくっているところだって、何か奇跡みたいなこと起こったりするでしょう?
<山田玲司>
あの人たちは、奇跡を待って阪神応援しているじゃないんですか?
<岡田斗司夫>
自分がやった気になっているだけでしょう。
俺大阪生まれで、そんな酔っぱらい山ほど見ているからさ。
スポーツ見て盛り上がっている奴人間のクズだと思っている(笑)
<山田玲司>
おー、スッゲー、サイコーだね。おもわずUSAコールしたくなるけどね(笑)
次いこうか。
<山田玲司>
「2001年宇宙の旅」はわかるけど、「リトルショップ・オブ・ホラーズ」は何でですか。
<岡田斗司夫>
「リトルショップ・オブ・ホラーズ」は冒頭のスキッド・ロウ「ダウンタウンに私は生れた」っていう歌の、恵まれない環境に生きた人間が怒りを持って歌っているっていう、あの一連のダンスがもうしびれるぐらい感動するの。
<山田玲司>
自分がそういう状況にあったとか、観たタイミングに影響されているわけじゃないんですか。
<岡田斗司夫>
ないない。凄い楽しいSF映画として劇場で観て、DVD買って見ている内に何で心揺さぶられるんだろうって分析が入りだして、もう今人生のベスト・オブ・ベスト。
<山田玲司>
植物に食べられている奴。
<岡田斗司夫>
ブルーレイいいよ。カットした特撮バージョンが入っていて、オードリー2って花が巨大化してNY襲うんだよ。電車食べてんだよ。本当に凄かった。 (続く)
【まとめ】
「リトルショップ・オブ・ホラーズ」「2001年宇宙の旅」、タランティーノ監督の「ジャンゴ」の3本です。
【質問出典】
キラークエスチョン (光文社新書)
http://goo.gl/y2ubvU