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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/02/17
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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カズキさん/18歳/浪人生/無料メルマガ
「幼い頃に見た夢」【中編】

“私は、今まで特に将来何になりたいでもなく、ただ行きたいという理由だけで京都大学の法学部へ進学すべく勉強をしていました。
 ですが最近、以前のような気持ちでペンをとることができないのです。というのも、幼い頃夢見たアニメ業界で働きたいという思いが心を染め上げてしまったからなのです。
 これは逃げなのかもしれません、私はどうしたらよいのでしょうか?このままではどちらも不意に終わってしまいそうで怖いです。"


【回答】

 特にやりたいことがないので、取りあえず、京都大学の法学部を目指してる。京大法学部という具体的な目標を書いてるのだから、それぐらいの偏差値があるんだろうね。最大限に狙って、有利そうな目標でがんばってるんだと思う。だから、何のために行くのかが、分からなくて悩んじゃう。


■努力で可能なこと、"運と才能"が必要なこと
 君ぐらいの年齢なら、親から散々、「自分のやりたいことをしろ」と言われるよね。
 毎日、努力するぐらいだったら、「京大の方へ行きたい」と考えるわけだ。ところが、問題がある。京大法学部は、努力すれば可能だんだよ。でも、アニメ業界は、“運と才能"が必要なんだ。

 つまり、君は大学受験をやっているけど、「むなしい」と感じてる。毎日の繰り返しの努力をやれば、基本的に目指せるんだ。ただし、それはプロセスでしかない。京大の法学部行ったからといって、4年経ったら卒業して、また次の目標を見つけなきゃいけない。
 でも、積み上げれば可能なんだ。ところが、アニメ業界は、どんなに積み上げても、同級生に庵野秀明がいたら、夢破れて漫画家になるかもしれない(笑)。島本和彦ってヤツがいる。こいつに関しては、ウィキペディアをよく調べてくれたまえ。
 つまり、"運と才能"が必要だ。才能ならば、努力すれば何とかなるけど、運は本当にどうしようもないよ。


■京大法学部を卒業後、アニメ業界に就職
 努力すればOKなことは、努力ができる。つまり、京大の法学部を目指せてるカズキ君は、コツコツ努力をする事が、得意だと思うんだ。それをアニメ業界に向けるのは、リスクが高すぎる。俺ならやらないけどね。

 おまけに、大学受験はプロセスにしか過ぎない。ニコ生見てる人はもう気づいていると思う。カズキ君は、どっちに行こうか悩んでるんだけど、簡単だよ。京大法学部に入って、首席で卒業したら、アニメ業界に入る隙はいくらでもあるよ。なぜなら、他のチンケな大学で屁みたいな学部出て、アニメ業界へ行っても、

「ロクに給料は出ないけど、生きていける?」
「親は近所に住んでる?」
「車は運転できるのか?」

――って、山ほど聞かれるんだ。
 京大ぐらいの高学歴なら話は違う。どんなアニメの制作会社でも、経営者って必要なんだ。経営者枠でアニメ業界に入っていけるに決まってるわけじゃん。


【まとめ】
 京大法学部は努力で可能ですが、アニメ業界は"運と才能"が必要です。カズキ君はどちらにすべきか悩んでるかもしれませんが、京大法学部を卒業してから、アニメ業界に行けばいいだけだと思います。