岡田斗司夫ゼミからのお知らせ
岡田斗司夫の解決!ズバっと「幼い頃に見た夢」【前編】
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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/02/16
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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カズキさん/18歳/浪人生/無料メルマガ
「幼い頃に見た夢」【前編】
“私は、今まで特に将来何になりたいでもなく、ただ行きたいという理由だけで京都大学の法学部へ進学すべく勉強をしていました。
ですが、最近、以前のような気持ちでペンをとることができないのです。というのも、幼い頃夢見たアニメ業界で働きたいという思いが心を染め上げてしまったからなのです。
これは逃げなのかもしれません、私はどうしたらよいのでしょうか? このままではどちらも不意に終わってしまいそうで怖いです。"
【回答】
この文章にちょっと注目してみようか。結論から言うと、「逃げ」だと思うよ。それが文章に現れてるんだ――、ここ注目ね。
『ペンをとること』『思いが心を染めて』(岡田、質問文の2ヵ所に線を引く)
■普通は『思いが心を染めて』なんて言わない
勉強するのを、『ペンをとる』って言う人はいないよ(笑)。これは執筆業やってる人の言い方だよ。「勉強するのができない」って、言えばいいじゃん。それなのに『ペンをとることができない』と言うのは、“表現に酔ってる"状態なんだよ。
つまり、この悩みが嫌じゃないことを示してると思うんだよね。この酔った表現はまだあるよ。アニメ業界に『思いが心を染める』んじゃなくて、「どうしてもアニメ業界で働きたい」って、言えばいいんだよ。でも、『思いが心を染める』と言ってる。こんな表現を使ってるなんて、「本当は18歳じゃなくて、45歳だろう!」って思うんだけど(笑)。
■好きな悩みは文学的になる
文学的に悩み出してるなら、それは悩みたくて悩んでるんだよね。
意地悪で言ってんじゃないんだよ? 文体や文章には、その人間の本音の一部や、心の温度、あり様が現れるんだよ。だから、ケンカ腰の口調とか、皮肉っぽい口調があるんだよ。
同じように、人間は文章を書いた時も、そこから、その人の問題点がちょっと分かる場合がある。
『ペンをとる』と『思いが心を染める』という表現から、「カズキ君はこの悩みが、決してイヤじゃない」というのが分かるんだ。
■京大法学部はプロセス、アニメ業界はゴール
カズキ君が悩んでる選択肢は「京大法学部にするか」「アニメ業界に行くか」だよね?
この選択肢で悩んでるわけだ。でも、京大法学部って、実は進路じゃないんだ。これはプロセスなんだよ。分かるかな? つまり、京大法学部に行く人は京大法学部に行きたいんじゃなくて、「弁護士とか検事になりたい」というゴールがあって、そのプロセスとして、京大法学部へ行くんだ。
車を運転したい人が、自動車学校行くのと、まったく同じなんだよ。京大法学部はプロセスなんだ。それに対して、アニメ業界で働きたいのはゴールだよね? カズキ君は、どちらかと言えば、「アニメ作りたい」って言ってるわけだよ。
京大法学部はプロセスである。法学部に行っても、何をしたいわけでもない。カズキ君の悩みの根本はそこだよね。
【まとめ】
アニメ業界はゴールですが、京大法学部はプロセスにすぎません。京大法学部に入っても、やりたいことがないのが悩みの根本です。でも、カズキ君の悩み方は文学的です。きっと、この悩みが好きなんだと思います。
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