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岡田斗司夫の解決!ズバっと「ダメなSFの見方」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと「ダメなSFの見方」

2015-04-29 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/04/29
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

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    「ダメなSFの見方」

     岡田さんのなかで、「これはダメだ」というSFはありますか?
     ダメなSFの見方などあれば教えてください

    ※この回答は2012/09/08に行われたSF読書会『ドラッガーよりハインラインを読め!』を文章起こししたものです。


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     僕は「SF黄金期の定義は1950年代だ」とよく言うんですけど。
     それとは別にもう1つ、「SFの黄金期は11歳だ」というのがあるんですよ。
     つまり、その人が11歳の頃に読んだ本が1番面白いって考え方なんです。


    ■SFの“センス・オブ・ワンダー”

     11歳の頃に読んだ、自分の目を開くようなSF小説。それを目にした時の感覚。
     僕らはこれを”センス・オブ・ワンダー”って言ってるんですけども。

     僕が小学校の時、林間学校で高野山に行ったんです。
     そこで星空観測をしたとき、理科が得意な先生にこんなことを言われました。

    「今、僕らが見ている一つ一つの星は、実は太陽と同じようなもので、あの周りを惑星が回っている。
     その惑星のどれかには僕達と同じ人間みたいな住人がいて、その内の何人かは僕らのように山で合宿して、星空を見上げているかもしれない。こっちを見つめているのかもしれない。
     そういう可能性が無限にあるのが宇宙だ」

     これを聞いた時、なんだかゾッとするような、いきなり自分の世界がウワッと広がるような感覚があったんですね。


     そういう感覚をSFファンはセンス・オブ・ワンダーって言うんです。

     そして、やっぱり、センス・オブ・ワンダーを一番強く感じられるのは、11歳から13歳くらいの時だと思う。
     だから、その時代に読んだSFはやっぱり「良いSF」だと思いますよ。

     逆に言えば、人からいくら勧められようとも面白くないものはいっぱいあるので、そこはどうしようもないですね。


    ■小野不由美の『屍鬼』はS・キングの『呪われた町』のパクリ?

     例えば僕は、小野不由美の『屍鬼』が嫌いで嫌いでしょうがないんですよ。
     『屍鬼』という小説1本で、僕は小野不由美という作家を評価していて、「あなたはスティーブン・キングの『呪われた町』をパクった人だね?」って決めちゃってるんです。

     たぶん、この意見は小野不由美のファンが見たら全会一致で反論するようなものだと思うんですけども。
     僕は2冊並べて1ページ目から比較しながら、「ほら、小野不由美ダメでしょ?」って言えるんですよね。

     この感想、先に小野不由美の方を11歳の頃に読んでたら、全く逆だったと思うんですよ。
     でも、僕の場合はスティーブン・キングを読んだのが先。それぐらい自分の感覚を開いた作品は彼のものだった。
     そういうわけで、”似ているようで違う物”を見たら、全部ニセモノに見えちゃう。

     なので、「ダメなSF」とはたぶん、自分にとって”近親憎悪”を呼び起こすような物なんでしょうね。
     ……小野不由美さんごめんなさい。


    【まとめ】
     最も素晴らしいSF作品とは「1950年代の作品」という意見の他に、「その人が11歳のときに読んだSF作品」という考え方があります。
     「ダメなもの」とは概ね「良い物」の反対です。
     ですので、若い自分が感銘を受けたそれに“似ているようで違うもの”が「ダメなSF」であるのだと思います。
     
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