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私は父から暴力を受け、10歳のころには「殴られるために産まれた」と思い、何度も自殺を考えました。
それでも身を挺して守ってくれる母に支えられてまじめに生き、あこがれの仕事にも就けました。
大学で知り合った穏やかな男性と結婚した矢先、母が癌になりました。
義母は「嫁に来たんだから実家の親は捨てなさい」、夫は「僕の母は説得できない」と言い、私は母を妹に任せました。
私には、母を見捨てたと強い後悔が残りました。
前夫から授かった二人の男の子とも病気がちで、仕事と家庭の両立で体調を壊しましたが、夫は家事育児を分担せず、離婚を申し入れると「そんなもったいないことしない」と言われ、私は決意しました。
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憧れの職業で働いてるんですよね? それは素晴らしいことです。
前夫との離婚を考えた理由は「病気がちの子供の世話と、仕事の両立が苦しかったのに、夫は家事分担をしてくれない」からですよね?
「じゃあ仕事をやめようか」という迷いは相談文にいっさい書いていません。
15年間、結婚生活を送り、2人の子供までいるあなたが、今の夫を見つけた経緯も、書かれてません。
離婚を決意した理由は、今の夫とすでに出会っていたからじゃありませんか?
今の幸福の構成要素である「憧れの仕事」「優しい今の夫」が、実は苦しみの原因にもなっている。
でも幸福の構成要素は切り捨てられない。恨むこともできない。だから苦しい。
たしかにあなたの過去は辛く、本当にお気の毒です。
でも同時に、それは自分の選択の結果だとも思うんです。
「憧れの仕事」をやめなかったから、母の介護ができなかった。
病気がちの子供がいて、体調を壊したときにも、仕事を辞めるより先に離婚を考えてしまった。
母も子供たちも、自分のやりたいことのために置き去りにしてしまった。
そんな自分の選択を、後悔してたり罪悪感を持ってませんか?
自分は幸せになる権利がない、と意識の深層で思ってるんでしょう。
だから、そういう行動を取らせた原因である「すでに自分の人生に関係ない人」を憎むことに熱中しちゃうんです。
あなたが苦しいのは「過去の人たちを憎悪してるから」じゃない。「今の自分の幸せが許せないから」です。
きついことをいろいろ書きましたが、この回答文を読むだけで、吹っ切って楽になってください。
幸せになってもいいんですよ。もう全部、終わったことだから。
岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/05/17
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おはよう! 岡田斗司夫です。
昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』の相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします
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相談文 「過去の私を消したい」
40代の女性です。
今の夫と再婚し、過去の記憶を消しゴムで消してしまいたいと痛切に思うようになりました。
今の夫は、まるで私の母が私を守ってくれたように、私を慈しんでくれます。
今の夫は、まるで私の母が私を守ってくれたように、私を慈しんでくれます。
私は父から暴力を受け、10歳のころには「殴られるために産まれた」と思い、何度も自殺を考えました。
それでも身を挺して守ってくれる母に支えられてまじめに生き、あこがれの仕事にも就けました。
大学で知り合った穏やかな男性と結婚した矢先、母が癌になりました。
義母は「嫁に来たんだから実家の親は捨てなさい」、夫は「僕の母は説得できない」と言い、私は母を妹に任せました。
私には、母を見捨てたと強い後悔が残りました。
前夫から授かった二人の男の子とも病気がちで、仕事と家庭の両立で体調を壊しましたが、夫は家事育児を分担せず、離婚を申し入れると「そんなもったいないことしない」と言われ、私は決意しました。
今の夫と結婚し、私を虐待した父に姑、前夫は、みんな私を消費した人達だったと気がつきました。
前夫との15年間の結婚生活を忘れたい。大好きな母の最期を一緒に過ごしたかった。過去を憎く思う感情が、重すぎて、消し去りたい。憎しみにとらわれるのは、もう辞めたいのです。
どうしたら私は、今の夫の愛情を素直に受け取れるようになるでしょうか。
前夫との15年間の結婚生活を忘れたい。大好きな母の最期を一緒に過ごしたかった。過去を憎く思う感情が、重すぎて、消し去りたい。憎しみにとらわれるのは、もう辞めたいのです。
どうしたら私は、今の夫の愛情を素直に受け取れるようになるでしょうか。
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岡田斗司夫の回答文
相談文にある「辛いこと」はすべて過去です。
いまの情況は幸せなはず。でも、過去の憎しみに囚われるのはなぜでしょう。
いまの情況は幸せなはず。でも、過去の憎しみに囚われるのはなぜでしょう。
憧れの職業で働いてるんですよね? それは素晴らしいことです。
でも、大好きだった母親の介護ができなかったのは、仕事のせいもあるんじゃないですか?
いくら姑の命令とは言え、妹に任せっきりにしたぐらい時間が作れなかった。
仕事を優先したからじゃないでしょうか?
いくら姑の命令とは言え、妹に任せっきりにしたぐらい時間が作れなかった。
仕事を優先したからじゃないでしょうか?
前夫との離婚を考えた理由は「病気がちの子供の世話と、仕事の両立が苦しかったのに、夫は家事分担をしてくれない」からですよね?
「じゃあ仕事をやめようか」という迷いは相談文にいっさい書いていません。
15年間、結婚生活を送り、2人の子供までいるあなたが、今の夫を見つけた経緯も、書かれてません。
離婚を決意した理由は、今の夫とすでに出会っていたからじゃありませんか?
今の幸福の構成要素である「憧れの仕事」「優しい今の夫」が、実は苦しみの原因にもなっている。
でも幸福の構成要素は切り捨てられない。恨むこともできない。だから苦しい。
たしかにあなたの過去は辛く、本当にお気の毒です。
でも同時に、それは自分の選択の結果だとも思うんです。
「憧れの仕事」をやめなかったから、母の介護ができなかった。
病気がちの子供がいて、体調を壊したときにも、仕事を辞めるより先に離婚を考えてしまった。
母も子供たちも、自分のやりたいことのために置き去りにしてしまった。
そんな自分の選択を、後悔してたり罪悪感を持ってませんか?
自分は幸せになる権利がない、と意識の深層で思ってるんでしょう。
だから、そういう行動を取らせた原因である「すでに自分の人生に関係ない人」を憎むことに熱中しちゃうんです。
あなたが苦しいのは「過去の人たちを憎悪してるから」じゃない。「今の自分の幸せが許せないから」です。
だからといって、いまさら二人の息子になにかできるとは限りません。
もう終わったことだから、あなたが吹っ切れさえすれば、それが一番いいからです。
もう終わったことだから、あなたが吹っ切れさえすれば、それが一番いいからです。
きついことをいろいろ書きましたが、この回答文を読むだけで、吹っ切って楽になってください。
幸せになってもいいんですよ。もう全部、終わったことだから。
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