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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/07/19
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「アニメの制作費を抑えた手塚治虫」
セカエレさん/29歳

 ブラック企業の問題が叫ばれる中で、アニメの制作費の価格を下げた手塚治虫の判断って、岡田さんはどう思いますか?

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 アニメの制作費は安い。
 どうしようもない。
 手塚治虫があの値段で『鉄腕アトム』を始めなかったら、東映動画が今の3倍あたりの予算でアニメを始めたんじゃないか、と言われてる。
 そうするとアニメの制作本数は減ってたと思うんだよ。
 

■アニメが進化したのは、手塚治虫が価格を下げたから
 
 一時期、日本でのアニメの番組数が増えた。
 そのおかげで方法や多様性がどんどん増えて、演出方法や見せ方が広がったわけだよね。
 1960年代~70年代前半、アメリカも土曜の朝にアニメはやってた。
 でもディズニーがピクサーで復活するまで、アメリカのアニメは死んだも同然だった。

 それに比べて日本のアニメは、ものすごく多様化して進化した。
 これは「手塚治虫が価格を下げたからだ」と言えるわけだよね。


■「アニメは儲かる」というテレビ局側の理屈を作った

 テレビシリーズでこそ、アニメの人間のやる気も出る。
 欽ちゃんの仮装大賞的なところもある。
 欽ちゃんの仮装大賞って、出演する人間が自腹で出るわけだよね。
 商売になってないけど、どんどん自分たちでやりたいことやって、クオリティを上げるから面白くなってくる。
 ニコ生やYouTubeもそうだよね。

 昔からアニメ業界はこうなんだ。
 僕は1980年代後半にアニメ業界へ入ったけど、この頃から「アニメ業界は20年以上前から儲からない」と言われていた。
 それでも有能な人や才能のある人は入ったし、表現は増えてきてる。

 いまだに、まどマギのように先端的な作品もある。
 だから「手塚治虫は悪いことした」というより、「アニメは儲かる」というテレビ局側の理屈を作ってくれた部分を評価すべきだと思う。

(次号へ続く)


【まとめ】
 手塚治虫がアニメ制作費を抑えたことによって、アニメは多様化して進化しました。
 テレビ局側に「アニメは儲かる」という理屈を作ってくれた部分を評価すべきだと思います。