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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「『フリーメイソンの陰謀』を信じる人の知能指数」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「『フリーメイソンの陰謀』を信じる人の知能指数」

2015-07-29 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/07/29
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    おはようございます。

    今日は『解決!ズバッと』はお休み。
    情報サイト『探偵ファイル』に掲載したコラムをお届けします。


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    「『フリーメイソンの陰謀』を信じる人の知能指数」

    (元記事はコチラから)


     先日、テレビ東京の深夜番組で、フリーメイソン特番があったのに驚いた。
     ヨシモト芸人の関暁夫氏がヨーロッパのフリーメイソン・ロッジ(集会所)に潜入取材にしたとか、熱く語っていたのだ。

     いまだに、「フリーメイソン」で稼ごうとする人がいることにびっくりだ。
     日本で、フリーメイソン陰謀論を「信じる」人はもういないだろう。
     少なくとも常識がある人なら信じるはずはない。そう思っていた。

     かつては僕も、多くの日本人同様、フリーメイソンが気になっている一人だった。
     ネッシーやミステリーサークルと同じように、大好きな話題だった。
     そして、ネッシーやミステリーサークル同様、徐々に熱はしぼんでいった。

     ネッシーは、一番有名だった写真がねつ造だったと、撮影した本人が亡くなる寸前にカミングアウトした。
     潜水艦のおもちゃの上に小さいフィギュアをつけて撮影したそうだ。

     ミステリーサークルも、「あれは宇宙人ではなく、僕たちがやりました」と、カミングアウトがあった。
     「こうやって作ります」と、ミステリーサークルを作るYouTube映像まで、公開された。

     どちらも、これでオカルトな可能性がゼロになったわけではない。
     けれど、きっかけになった一番有名な写真がねつ造だったとわかったことで、ブームは急速に鎮火した。
     一部、ムーの熱心な読者とか、自称「霊感が強い人」くらいしか、もう信じる人はいない。

     フリーメイソンをはじめとする怪しげな陰謀論や、UFO・ミステリーサークル・ネッシーといった疑似科学は、1970年代~90年代、マスコミでも大きな話題になった。
     1990年末頃には、「と学会」という団体が、本気でさんざん検証し、一つ一つ粉砕していった。
     僕もその末席に参加できて、その手腕をまぢかで楽しめたのはラッキーだったと思っている。

     その中でも、「世界がフリーメイソンにあやつられている」という陰謀論は、比較的初期に「これはウソだね」とされたテーマだった。
     「と学会」にいた、外国語に堪能でジャーナリストでもあるAさんが、イギリスのロンドンにあるフリーメイソン本部に実際に行っちゃったからだ。

     当時の日本では、フリーメイソンは怪しげな団体で、どうやって入るかもわからない秘密結社というイメージだった。
     が、実際にはロンドンのビッグベン近くにちゃんと本部があり、そこはなんと観光スポットになっていた。
     お土産売り場もあり、壁にはフリーメイソンの歴史とかが貼られていた。

     関君が、「絶対に外部の者が身につけることが許されないマーク」と紹介した「フリーメイソン・マーク」のグッズも色々売っていた。
     Aさんは、ピラミッドの上に目玉がついているあの「フリーメイソン・マーク」がガッツリついた腕時計を、大喜びで買って帰った
    10ポンドという安物の時計が、帰りの飛行機の中で壊れてしまったことも含めて、嬉しそうに語ってくれた。
     実にゆるい団体だったのだ。

     先日、高須クリニックの高須医院長がフリーメイソンの偉い人になった。
     そのことを、「フリーメイソンの試験」と、公式ブログで写真付きで報告していた。

     偉くになるには、試験に受からなければならない。
     当然、日本語の試験ではない。
     高須医院長は、一夜漬けで、頭の中に覚えたものをたっぷんたっぷんさせらながら受験。
     見事、合格したそうだ。

     フリーメイソンの偉い人である高須医院長は、「本当のフリーメイソンは、平和と友愛を信条としたボランティアクラブ」と書いている。

     にもかかわらず、そんな番組がTVで放送されている。
     相変わらず切り口は、「世界を陰で牛耳る謎の組織」だ。
     少なくとも、高須医院長をゲストで呼ぶくらいしてもよさそうなのに、謎が解明されてしまうとよほど困るのだろう。

     なぜまだ、そんな話題で儲けられるんだろうか。
     日本人がわからない。
     先日、打合せで、雑誌の担当さんとそんな雑談していたときに、教えてもらったことがある。

     男性読者が多い雑誌は、ネット陰謀論を載せると、売りあげがグンと上がる。
     女性読者が多い雑誌は、社会陰謀論を載せると、売りあげがグンと上がる。

     つまり、男は、ネット陰謀論が好き。
     ネットで、こんな風にうまくやって儲けているヤツがいる、という話に、男性はくいつく。

     女は、社会陰謀論が好き。
     フリーメイソンなど、社会の裏側にはこんな秘密結社があって、世界を牛耳っているという話に、女性は食いつく。
     これ、雑誌業界では定説だそうだ。

     夏になると、オカルティックな話が出てくるのは日本の伝統だ。
     ひと昔前だったら、UFOとか心霊写真とか話題にしていれば良かったが、それもなかなか難しい。

     今や、一人一台、スマホやケータイを持っている時代。
     UFOが本当に飛んでいたら、たとえそれが一時間だけだったとしても、様々な人に撮られまくって、Twitterで大騒ぎになるはずだ。
     が、そんな話は、聞いたこともない。
     心霊写真だって、有名スポットがネットで話題になって、ものすごい人数が訪れて、写真が撮られまくるはずだ。
     しかし、そんな写真はちっともあがってこない。

     そうなると、夏の話題で、狙えるのは陰謀論くらい。
     そんな隙間狙いの戦略が、「ヨシモト芸人がフリーメイソン陰謀を語る」なんだろうなぁ。


    以上、情報サイト『探偵ファイル』よりお届けしました。
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