───────────────────────────────────
おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
「今まで見た映画で1番怖い作品は何ですか?」
映画に詳しい岡田さんから見て、今まで一番“怖い”と感じたホラー映画は、どんな作品でしょうか?
───────────────────────────────────
おまけに答えたからって、特別何かあるわけでもない。
怖いだけじゃなくて、「切ない、悲しい」が引っかかると見ないわけにはいかない。
すごく世間慣れした不動産屋からいろいろ言われても、頷くしかない。
でも「あんまりいい物件じゃない」と思った。
「以前、奥さんは精神病院に通われて、投薬を受けてたこともあるそうですね」と言われたら、シングルマザーは「あの人はそんなことまで言ったんですか!」と、ちょっと言葉が荒くなる。
「今、住むところが決まってなかったら、親権がどっちに移るか分からない」という状況で、新しい不動産を見に行く。
管理人はなんかイヤな感じだし、エレベーターのボタンは1つだけすごく焦げてるし、イヤな予感じがするフロアーがある。
ただ、ここで決めなければ自分の子供と引き離されてしまうかもしれない。
それを上手く結びつけた映画はやっぱりいいよ。
「子供を助けたい」という母親の気持が前へ出てるからこそ、怖い映画になる。
「自分の命」が失われるのは怖い。
見てる人間だって、主人公が死んじゃうのはイヤだ。
けども、「主人公が大事にしてるものが失われる」方が共感しやすいんだ。
監督は同じだけど、「切ない怖さ」という意味では『仄暗い水の底から』が好きですね。
怖いだけじゃなく、切ない怖さがあって好きです。