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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「カリスマは、シナリオライター」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「カリスマは、シナリオライター」

2015-12-08 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/12/08
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    おはようございます。

    今日は『解決!ズバッと』はお休み。
    絶賛発売中の岡田斗司夫の最新著作『カリスマ論』から、ハイライトをお届けします。

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    カリスマは、シナリオライター」


     ▼世界と人間のシナリオを描く「シナリオライター」

     カリスマは、シナリオライターです。
     私もそうですが、カリスマ型の人間は、この世界を物語だととらえています。
     世界がどうなっていくか、先のストーリーがある程度見えているんですね。
     極論するなら、カリスマにとって未来は自明です。
     「やがて日本はこうなる」、「このままだと世界はこうなる」、自分自身の描く未来図に絶対の確信を持っていて、疑ったりしません。
     カリスマごとに見えている未来図はバラバラですが、未来図に確信を持っている点については共通しています。

     さらに、世界がどんな物語を紡いでいくのかが見えているだけではなく、その物語において自分に配役が与えられていると感じています。
     カリスマにとって世界は意味があるものですし、その結果彼らは自信満々に振る舞うことができるのです。

     例えば、『資本論』を発表したカール・マルクスというカリスマ。
     マルクスの思想は20世紀の国際政治や経済に大きな影響を与えました。
     この世界では、資本家が労働者から搾取して利潤を得ている。
     搾取されて貧しくなった労働者は階級闘争を開始し、世界はゆっくりと共産主義に向かっていく―。
     これがマルクスに見えていた、世界の未来図、シナリオです。

     彼にとってはこの未来図はまったく自明のことで、疑う余地などありません。
     だから、彼は「労働者よ、立ち上がれ!」と呼びかけました。
     別にマルクスは、労働者に対して「立ち上がらなければならない」と強制したのではありません。
     カリスマにしてみれば、「どう考えても、最終的にはこうなるに決まってるから、さっさと立ち上がろう」と言っているだけなのです。
     自分には自明の未来図が、どうもほかの人には見えていないらしい。
     カリスマにはそれが不思議でしょうがありません。

     だから、時にカリスマはきつい言葉を発します。
     ジョブズは社員に対して苛立だち、「どうしてわからないんだ!」と罵しることがたびたびあったそうですが、自明の未来が見えない人間がいるということを納得できなかったんでしょうね。

     それでは、カリスマ以外の人にとって、世界はどのように見えているのでしょうか?
     普通の人たちにとって、世界は「現象」です。
     今日のお天気や明日のお天気と同じで、あるがままにあり、自分が関与したり、変化させたり、未来を予測できるものではありません。
     だから、自分が世界のために何かできるなどと考えもしません。

     もっとも、普通の人も世界に意味やストーリーがあると感じることはあるでしょう。
     徹夜明けでハイな気分になっている時などに、「俺はこのために生きている!」なんて叫びたくなったことはありませんか?
     若い時ほど、こういう気分になることは多かったのではないでしょうか。
     でも一時の気分の高揚が過ぎたり歳をとったりすると、人生に大した意味はないし、自分がいなくなっても世界は今までと変わらず、淡々と流れていくだけ。
     そんな風に考えるようになる人が多いんじゃないでしょうか。

     カリスマは違います。
     カリスマの精神状態は、いつも徹夜明けでハイになっています。
     世界にはシナリオがあって、自分自身に割り当てられた役、いわばサブシナリオが見える(と思い込める)。
     同時に、他人のサブシナリオも見えますから、「お前はこうしろよ」とついつい余計な口を出してしまいます。
     これがカリスマが「シナリオライター」であるという意味です。


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