━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/12/29
───────────────────────────────────

おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

───────────────────────────────────

「イスラム国を支持する日本人がいるのはなぜ?」(前編)

 イスラム国を支持する日本国民がいることが理解できません。
 どういった心境で、こういう言動にいきつくのでしょうか?


───────────────────────────────────

 これはどう話しても難しいと思う。
 誤解されるかもしれないけど話していこう。


■支持と共感は違う

 まず「イスラム国を支持する日本人がいる」と書いているけど、支持している人はあんまりいないと思う。
 だけど、共感している人なら、ある程度はいると思うよ。 

 “共感”と“支持”とは違うんだよね。

 たとえば、殺人犯が捕まったとしよう。

 その殺人犯の動機や置かれている状況に理解を示す。
 これが共感だよね。

 でも、「俺だって殺したい!」となると、これは支持になっちゃうんだ。

 だから、支持と共感はあくまでも違う。
 イスラム国に共感している日本人は ある程度いるけど、「分からなくもない」という程度だと思う。

 「支持してる人ならイスラム国に参加していると思う」(コメント)

 その通りだね。

■岡田斗司夫はオウム真理教に共感していた
 
 オウム真理教事件のとき、僕はオウム真理教の人たちに共感してたんだ。
 でも支持はしてない。

 1980年代にオウム真理教に共感することは、イスラム国に共感するぐらい危険なことでもあるし、世間でも叩かれた。

 なのに、なぜ僕がオウム真理教に共感していたのかというと、信者たちの既存の宗教じゃ飽き足らない気持ちが分かるから。
 自分たちが発見した法則や考え方で、世の中を変えていこうという気持ちが分かったんだ。

 でも追い込まれた結果、テロに走って、ハルマゲドンを起こそうとした。
 それは支持できないよね。

■問答無用で弾圧したら9.11テロの時と同じ

 中東のもめ事を起こしたのは、第1次大戦の時にイギリスが行った2枚舌の外交だったんだ。

 それを肯定的に描けば、『アラビアのロレンス』という映画のように、「おかげで中東は近代化されました」ということになる。

 でも普通の見方なら、イギリスがそれぞれの派閥の味方をするふりをして、イスラムを3つに分けてしまったということになる。

 毎日、たくさんの人が殺されたり、難民になっている。
 でもフランスでテロがあったからと言って、「中東を叩け! イスラム国を叩け!」って言うのは、9.11テロの時に問答無用でイスラム教徒の人たちを差別したり、弾圧したりしたのと同じじゃないの?

 そんな疑問符が浮かんでいる人が、イスラム国に共感している人たちだと僕は考えているんだよ。

(次号へ続く)


【まとめ】
 イスラム国に共感する人はいても、支持する人は少ないと思います。
 共感する人は「問答無用でイスラム教徒を叩く」という風潮に疑問を持っていると思います。