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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/02/26
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「西崎義展と鈴木敏夫、どっちの方が悪党?」

 『宇宙戦艦ヤマト』の西崎プロデューサーと、『スタジオジブリ』の鈴木プロデューサー。
 どちらの方が、より悪党ですか?
 
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 西崎さんは悪党じゃなくて、ただ単に古いんですね。

 「芸能とか演芸は、こんなもんだ」と決めていて、その定番通りに振る舞おうとしている。
 ちょっと矛盾した言い方になるけど、人が良くて結果的に汚職しちゃう政治家みたいなもの。

 自分に求められた役割を忠実にこなそうとしたら、汚れているものをどんどん押しつけられた。
 それを「清濁併せ飲む」という変な美意識で、無理して取り入れているうちに悪人にされちゃった。


■鈴木敏夫は人間よりも「鈴木敏夫」を選んだ

 ジブリの鈴木さんは、そうじゃない。
 周りから押し付けられてきたイメージでムリに“鈴木敏夫”をしているんじゃなくて、宮崎駿や高畑勲を120%動かすには、鈴木敏夫をやるしかないと考えている。

 宮崎駿は本人の人格よりも“宮崎駿”という作家になろうとしているし、他人がどんなに説得しても高畑勲は“高畑勲”であることをやめようとしない。
 
 「じゃあ俺も鈴木敏夫をやるしかないじゃないか!」と言って、3人揃ってチキンレースをしていると僕は思う。
 だからジブリの3人組はそろって全員地獄に行く。
 でも、その地獄には『風立ちぬ』の菜穂子はいないんです(笑)

 そういう生き方も面白いと思います。
 素晴らしいとは全然思わないし、僕が行く先も地獄だと思う。
 
 全員、自分が人間であることより、鈴木敏夫であること、宮崎駿であること、高畑勲であること、岡田斗司夫であること、を取った人間なんだ。
 そういう人間は、みんな地獄に行く。

 その地獄では、西崎義展が「ヤマトの諸君」と言いながら、変なワインを飲んでいると思います。
 
 悪党という意味では鈴木さんの方でしょうね。


【まとめ】
 西崎さんは、振る舞い方が古いだけで悪党ではありません。
 鈴木さんは、宮崎駿や高畑勲を働かせるために“鈴木敏夫”という役割を演じています。
 悪党という意味では鈴木さんの方ですね。