日活が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が、今年11月20日で生誕45周年を迎える。それを記念し、新作製作とクラシック作品の活性化をあわせた横断的なロマンポルノリブートプロジェクトがスタートした!


新作製作では、一定のルールの中で撮影するというロマンポルノの特質を引き継ぎ、日本映画界の第一線で活躍する塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督、行定勲監督ら5人の監督が同じ製作条件の中で完全オリジナル作品を撮り下ろししている。この度、5作品の映像が初解禁となる、ロマンポルノリブート予告編が解禁された。

https://youtu.be/yNu1OzJkUtY


新作製作を担った塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督、行定勲監督による「よーい、スタート!」のかけ声から始まる映像では、ロマンポルノの代名詞である「10分に1回の濡れ場があれば、内容は自由である」というルールとともに、新作5作品の映像が紹介されている。ロマンポルノというレーベル特有の製作条件で撮られた各作品には、監督それぞれの個性が表れており、ロマンポルノが17年間つづいた理由のひとつでもある作品の多様性を感じられる内容となっている。

各作品の本編の映像が解禁されるのも今回が初。『風に濡れた女』に主演する間宮夕貴永岡佑の激しいぶつかりあいや、『牝猫たち』に主演する井端珠里の力強いセリフと、真上さつき美知枝が演じる逞しく生きる女たちの姿、『アンチポルノ』に主演する冨手麻妙が躍動するビビットな映像、『ホワイトリリー』に出演する飛鳥凛山口香緖里のエモーショナルなセリフの応酬、『ジムノペディに乱れる』に主演する板尾創路と、芦那すみれ岡村いずみら若手女優との刺激的なラブシーンなど、各作品ごとに一肌脱いで作品に色を添えた俳優陣の役者魂が伝わってくる。さらに、往年のロマンポルノファンも必見!SMクラブのオーナー役で出演している白川和子や、看護婦長役で行定作品に出演している風祭ゆきの姿も!

さらにこの度、各作品の公開日も決定。11月26日より行定勲監督作品『ジムノペディに乱れる』、12月17日より塩田明彦監督作品『風に濡れた女』、1月14日より白石和彌監督作品『牝猫たち』、1月28日より園子温監督作品『アンチポルノ』、2月11日より中田秀夫監督作品『ホワイトリリー』が新宿武蔵野館ほか順次公開となる。



■『ジムノペディに乱れる』
11月26日(土)より~  監督:行定勲/出演:板尾創路、芦那すみれ、岡村いずみ
1週間―。映画監督の古谷は、肌のぬくもりを求めて女たちの隙間を彷徨っていた。仕事、名声、そして愛・・・全てを失った男が、辿り着いた先に見つけたものとはー?ラブストーリーの名手・行定勲監督が、切なく不器用な大人の愛を、美しい映像にのせ官能的に描いた入魂の一作。


■『風に濡れた女』
12月17日(土)より~ 監督:塩田明彦/出演:永岡佑、間宮夕貴
都会の喧噪を避け山小屋で暮らす男・高介は、野性味溢れる魅力を放つ女・汐里との出会いによって、欲望の渦に巻き込まれていくはめに...。欲を捨ててきたはずの男と、欲に純粋な女。塩田明彦監督が、本能むきだしでヒートアップする男と女のバトルを軽妙に描く。


『牝猫たち』
2017年1月14日(土)より~ 監督:白石和彌/出演:井端珠里、真上さつき、美知枝
池袋の夜街を漂う3人の女。呼び出された男たちと体を重ね、また夜が明ける。ネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症...それぞれの悩みを抱えながら、明日に向かって性活する女たちの群像ドラマ。逞しく生きる女性たちの現在(いま)を白石和彌監督が活写する。


『アンチポルノ』
2017年1月28日(土)より~ 監督:園子温/出演:冨手麻妙
小説家として時代の寵児となった女・京子。極彩色の部屋に籠もり、マネージャー典子が伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。私は京子なのか?京子を演じているのか?虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく―。園子温監督が贈るアナーキーな美しき問題作。


『ホワイトリリー』
2017年2月11日(土)より~ 監督:中田秀夫/出演:飛鳥凛、山口香緖里
傷ついた過去を慰めあうように寄り添い生きてきた二人の女。彼女たちの秘密に踏み込んできた男によって、それぞれの愛が暴走をはじめるー。ホラー映画の名匠・中田秀夫監督が、レズビアンの世界に挑み、歪んだ愛の果てにある女同士の究極の純愛を描く。


【新ロマンポルノの製作条件】
●総尺80分前後 ●10分に1回の濡れ場 ●製作費は、全作品一律 ●撮影期間は、1週間 ●完全オリジナル作品(脚本) ●ロマンポルノ初監督

【日活ロマンポルノとは?】
「日活ロマンポルノ」は、日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。1971年11月20日に『団地妻 昼下りの情事』(西村昭五郎監督/白川和子主演)と、『色暦大奥秘話』(林功監督/小川節子主演)の2作品が初めて公開。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、チャンスを与えられた若手監督たちは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦できた。また、通常3本立ての公開を維持するため量産体制を敷いたことにより若い人材の育成を促進。中平康、鈴木清順、齊藤武市、今村昌平らのもと助監督として経験を積み、ロマンポルノの中で作家性を発揮した監督として、神代辰巳、小沼勝、加藤彰、田中登、曽根中生といった才能が生まれ、あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、男性向けに作られながらも、女性とその生き様を深く美しく描くことを極めていった。このほか、ロマンポルノから出発した監督として、村川透、根岸吉太郎、金子修介、石井隆といった方々がおり、製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を継続して公開し続けた結果、映画史において最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価されている。

11月26日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開   
(c)2016日活

■参照リンク
「日活ロマンポルノ」
http://www.nikkatsu-romanporno.com/reboot/
RSS情報:http://news.aol.jp/2016/09/15/romanporno/