米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「マーズ・リコネイサンス・オービタ」は12年前に打ち上げらた火星周回衛星で、以来火星の表面の偵察を続けているが、先日、研究者たちを困惑させる地形を発見した。
NASAが公開したのは相当な深さの「円形の形成物」の写真で、その直径は数百メートル、火星の南極付近で見つかったものである。
この巨大な穴は、凍った二酸化炭素(ドライアイス)の層に囲まれており、そこにはいくつもの浅い円形のくぼみが氷の層についている。このくぼみは、太陽によってドライアイスの一部が昇華した際にできたものだ。
この種の地勢は、その形が穴のあいたチーズとよく似ていることから、その名をとって「スイス・チーズ地帯」と呼ばれている。
NASAは今回発見されたこの深い穴の形成について現在2つの説があるとしている。1つは衝突によってできたクレーターとする説、もうひとつは地表の陥没によってできた説だ。
衝突によるクレーター説では、外からの力、例えば隕石などが惑星の表面に衝突してこの不思議なくぼみができたというもの。
地表の陥没による穴というのは、惑星内部からの要因、例えば火山活動や氷の融解などによってきたもの、ということである。
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