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テレビでは、様々な「ガチ企画」と題された企画が存在する。いわゆる"実際に試してみる"もので、「どちらの料理の値段が高いかを、食べて判定する」企画や、「限定された条件のもと、規定のお金の範囲内で生活をする」といった企画だ。

もちろん、バラエティ番組なだけに、多少の「演出」が存在するは当然としても、「ここまで公然とやっていたのか......」と絶句するのは、若手放送作家のA氏だ。

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A氏は、某番組の「●●円以内で、激安レシピを作る」という企画にまつわる書籍の制作にかかわることになった。そういった「ガチ」番組では出演タレントが自らの頭をひねり、どうにかこうにか工夫。オリジナルの料理を作っては、視聴者を「おーーー!」と驚かせるのが「本筋」だ。

さてある日、A氏は打ち合わせのためにテレビ局に行った。書籍の構成などについて話していたところ、突然番組ディレクターのスマートフォンに何やら連絡がきた。ディレクターは、会議中にもかかわらず「あっ、ちょっとすいません」とその場を中座した。

そして戻ってきたディレクターが持ってきたのは、大量のFAX用紙。その束を手にしたディレクターは「今、○○先生からレシピ案が来ました! これはかなり安そうです!」とニコニコして言うのだ。

タレントがアイデアを出したものを、実際のレシピに落とし込むために、料理研究家が協力する、といったレベルではない。

要するに、「タレントが考案した激安レシピ」は、すべて料理研究家が考えたものだったのである。「それって...」Aさんは突っ込む気も失せ、そそくさとその企画を離れた。全部が全部とはいわないが、本当に「ガチ100%」で活動しているタレントたちにとっては、いい迷惑といったところだ。

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