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『ヌイグルマーZ』は井口昇監督の女子力爆発! 「女性ヒーローモノの集大成を作りたい」
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『ヌイグルマーZ』は井口昇監督の女子力爆発! 「女性ヒーローモノの集大成を作りたい」

2014-01-22 23:00
    Filed under: 国内, 芸能, カルチャー, 映画, アフター5, トピックス, かわいい

    大槻ケンヂによる長編小説「縫製人間ヌイグルマー」を原作に、『片腕マシンガール』(2007年)『デッド寿司』(2013年)の井口昇監督がメガホンを握った、異色コラボ作品『ヌイグルマーZ』。あの"しょこたん"こと中川翔子と次世代アクション女優・武田梨奈を主演に迎えた、ピンク色のフワフワと本格アクション、そしてゾンビが共存するファンタジック・ヒーローアクション映画だ。

    劇中に登場する2体のテディベアの声を阿部サダヲと山寺宏一が担当するという豪華キャストも話題となっている本作について、井口昇監督に語っていただいた。


    「以前からお互いに少しだけ面識があって、僕も筋肉少女帯の歌やオーケンさんの文章が好きだったので、いつかコラボしたいなという気持ちがあって」という井口監督は、「進めていくうちに「縫製人間ヌイグルマー」を映画化して欲しい、とオーケンさんのほうから提案を頂いたんです」

    そう映画化のきっかけを語ってくれた井口監督。その作品たちは、どうしても"ボンクラ男子向け"というイメージが強かったが、
    「こういうヒーロー、ゾンビ、アクション映画って、どうしても女性にとって入り口が狭い感じがしていたんです。ただ、こういう作品でも観てもらえれば面白がってくれるはずっていう気持ちがあったので、まず"女性も観やすいヒーローもの"にしたかった。『片腕マシンガール』(2007年)、『ロボゲイシャ』(2009年)、『古代少女ドグちゃん』(2009年)と、これまでずっとやってきた"女性ヒーローもの"の集大成を作りたいっていうのが、すごくあったんです」と語るように、より女性が楽しめる作品に仕上がっている。

    「それと、『キカイダー』に出てくるビジンダーとか『仮面ライダー ストロンガー』のタックルとかが好きだったので、ああいうポップ感/キッチュ感を持った主人公にしたいなって(笑)。あと、実は子どもの頃に『魔女っ子メグちゃん』とか『花の子ルンルン』とかの"魔女っ子もの"もすごく好きで、その要素も入れたかったんですね。ヒロインが一種の魔法のような状況で変身するっていう」



    しかも本作には、冒頭から我々の大好きなゾンビがたくさん登場する。「世界中にあらゆるゾンビ作品が氾濫してるので、新鮮さは既にないなと思ったんですね。もうゾンビは古典として扱って、そこに新しい要素を加えるしかない。だから、原作に出てくる中央線だったり高円寺っていう重要なキーワードや"阿波踊りゾンビ"は絶対にやるべきだと思ったし、あの日本ならではというか"中央線文化の中で生まれたゾンビ"っていうところは大事にしたいなって」
    こんなところからも、『ゾンビアス』(2012年)などで斬新なゾンビを生み出してきた井口監督ならではのこだわりが感じられるだろう。そして、作品の全編を通して醸し出されるフェティッシュな映像の数々も秀逸だ。

    「あんまり男子心に寄りすぎてもよくないなと。実際、自分の中でガーリー的なものへの憧れが強くて、ケーキバイキングとか女子会とか、いいな~って(笑)。今回も女性ばかりの中で撮ってるのが苦じゃないというか、逆にすごく楽しかったです」と語るように、乙女心と男子心のバランスは流石である。

    「そこはすごく意識したというか、やっぱり自己分析したときに普通の男性より女子力が若干強いような気がするので(笑)、お色気描写としてだけの女子キャラクター/女性像っていうのに抵抗があるんですよね。それよりは、もう少しファンタジックなものがありつつリアルな部分も出していきたい。男子が思うよりもリアルな女性像を、乙女チックな中にちょいちょい入れていきたいなっていうのがあったんです」

    そんな監督だけにキャラクターにも特別な想いがあるようで、「ダメ子の"自身の性別に対する苦手意識が一周して逆に甘ロリになってしまった"(笑)っていうところは、中川さん自身がお持ちの"カワイイものが好きだけどブルース・リーとか特撮も大好き"っていう複雑性みたいなものと、うまくリンクできたらいいなと思ってました。脚本を書いてるときは、自分が中高生時代に学校に馴染めなくて家で映画のビデオばっかり観てた、っていうのをシンクロさせたつもりなんですけど、中川さんに聞いてみたら"まさにダメ子が家で特撮ビデオばかり観てるのは自分の中学時代とほぼ一緒だ"って言ってくれて。そういう意味では僕と中川さんの中高時代がリンクできたかなってすごく思いましたね」と熱く語る。

    「ダメ子っていう、どこか自分の居場所を見つけられないでいる、本当は仲良くなりたいんだけどなれないことにジレンマを感じているような女の子っていう意味では、いちばん感情移入できたなと。響子も表裏一体というか、心を開きたいけど突っ張ってしまってできないという女の子。世の中には男の子よりも女の子のほうが、自分をどう表現したらいいかわからなくてジレンマを感じていたり、なかなか居場所を見つけられなくて葛藤している子が多いと思うので、そういう子たちにこの映画のキャラクターに感情移入してもらえるといいなと思ってます」

    そんな人々に対し井口監督が向ける眼差しは、とことん真摯だ。「いちばん気をつけなくちゃいけないと思ったのは、甘ロリとかゴスロリの子たちや、コンプレックスで悩む子たちを、上から目線で見ちゃいけないということ。僕自身、どこかで彼女たちに共感であったり感情移入したうえで描かなくちゃいけないなと感じていたので、興味本位だったり理解できずに描くのはやめよう、と。だからヒーロー映画ではあるんですけど、人間ドラマというか、いわゆるマイノリティの人たちの感情をちゃんと描いていきたいなと思っていましたね」

    そしてやはり、ヌイグルマーとキルビリーの2役を演じ、見事なアクションを見せた武田梨奈を「彼女はすごく真面目でひたむきな、努力家なんです。スーツを着てアクションするのってすごく難しくて、普通の役者さんだとすぐバテちゃうみたいなんですけど、あれを着たまま何時間も演ってくれて。そこは、ほんとに武田さんの気合みたいなものを感じましたね。しかも、ご本人は普段のクールなイメージと違って、明るくてすごくドジッ子なんですよ。ほんとに真面目で素朴な子なので、彼女の人柄に頼ってた部分もあったりしましたね。僕としては武田さんがもっと世間に浸透していくといいなあと思ってますし、あの"いい子感"を皆さんに堪能してもらいたいです(笑)」と激賞する。

    「まずは、女性のお客さんにも観にきてほしいですね。自分の存在に悩んでる人にこそ観てもらいたいし、そういう意味では男性にも観てスカっとしてもらえるといいな、と。映画っていうのはエンタテイメントであるべきだと思ってるんですけど、この映画を観ることによって、仕事だったり学業だったりにやる気が出てもらえるといいですね(笑)。あと、(オーケンさん率いる)特撮さんの音楽が流れるロック映画でもあるので、いずれ"コスプレしながら観るパーティ映画"のような存在になっていけるといいなあ、って思っています」

    あくまでエンタメであることを強調しつつ、同時に作品内で自身の分身でもあるキャラクターたちを活躍させ、ディープな映画愛をぶちまける井口監督。過去作ファンはもちろん、井口ワールド初体験の人にも是非オススメしたい、時代(とオタク)が求めた傑作の誕生だ。

    映画『ヌイグルマーZ』は2014年1月25日全国ロードショー



    【参照リンク】
    ・『ヌイグルマーZ』公式サイト
    http://ngz-movie.com/ 

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