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【美女と妄想してみた。vol.18】 佐々木希のくしゃみに関する考察!
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【美女と妄想してみた。vol.18】 佐々木希のくしゃみに関する考察!

2014-03-21 22:00
    Filed under: 国内, 深夜, 連載

    春は憂鬱である。少なくとも、中学校に入学してくらいから、ぼくはずっとそう思っている。
    始まりの季節だと、春は呼ばれる。確かに、ある意味ではそうだろう。太陽が優しく輝き、植物は芽吹き、花が咲く。地球単位で見れば確かに春は始まりの季節だ。

    それでもぼくはこの季節が来るたびに、自分の生きるエネルギーを地球に使われてしまっているのではないかという恐れを感じている。地球全体のエネルギーの量は恐らく決まっているはずだから、人間としてのエネルギーは、自然に奪われているのではないか。だからいつも、春は憂鬱である。
    そんな具合だから、美女の声が聞こえないのだ。基本的にこの連載は、毎回一人の美女と相談しながらお話を作っている。もちろん自分の妄想の中の美女ではあるのだが、彼女が実際に存在しようが存在していなかろうが、実体としてその声は聞こえる。大抵の場合、道筋は美女自身が教えてくれる。私だったらこんな話が良いかな、とか、私はこんなことをしてみたい、とか。それを文章としてまとめるのがぼくの仕事だ。

    だけど今日はとても天気が良くて、あまりにも春だから、それはとても憂鬱で、誰の声も聞こえてこない。強引に頼めば、教えてくれるだろう。たとえば℃-uteの岡井千聖ちゃんであれば、あの子はとても良い子だから、色んな話を提案してくれるだろう。だけど先週、鞘師里保さんを取り上げて、続けて岡井千聖ちゃんっていうのは、やっぱりハロー!プロジェクトに寄りすぎているだろうし、それぐらいの判断能力は自分にだってあるのだ。
    だから今日は、普段なら取り上げないような種類の美女に登場してもらいたい。佐々木希さんだ。佐々木希が、最後にくしゃみをする。今日は、本当に、それだけの話だ。



    佐々木希は、美しい。スタイルだって素晴らしいし、顔立ちだってちょっと驚くほどの美人さんだ。いわゆる「美」というものを具現化したら、きっとこんな女性が生み出されるのだろうと、そんな感覚さえおぼえる。
    だが「美しい」と「好き」がそのままイコールではないのが、この世界の難しいところだ。この世界、って何だ。いや、つまり、美女と妄想する世界、って意味だが。むしろ佐々木希は美しすぎるが故に、好きという感情からは少し遠い存在にあると言っても良いだろう。
    それではなぜ、私たちは佐々木希のことを好きになりにくいのか。その理由は、大きく分けて二つある。

    (1)佐々木希は美しすぎるが故に性格が良くないのではないかという不安
    (2)佐々木希は美しすぎるが故に私のことを軽蔑するのではないかという恐れ

    おそらくこの二つになるのではないか。しかしこれらは、本当に正しいのだろうか。
    まず(1)に関しては、実際そんなことはないのではないかと思う。もちろんぼくは佐々木希と会ったことはないのだが、あれだけ美しかったら幼いころから愛さ れて育っただろうし、性格が悪くなるという要素はないのではないか。Wikipediaによると、彼女は野猿のファンだったらしい。野猿のファンに性格が 悪いなんてことはあり得るだろうか。いや、ない。だから(1)は誤りである。
    次に(2)に関しては、確かにその気持ちは分かる。分かるがしかし、私やあなたのような底辺の人間だからこそ、佐々木希は逆に興味を持って見つめてくれるという可能性は大いにあり得る。目黒のさんま、という落語の噺があ る。殿様が目黒で、普段は食べていない庶民の食べ物であるさんまを食べていたく気に入り、さんまは目黒に限る、と言ったという噺だ。これは殿様に対する皮肉の噺ではあるが、しかし同時に、身分が高い人間は身分の低いものの常識を知らないためそれを魅力に感じる、ということを教えてくれる。我々はさんまどこ ろか深海魚のような醜い存在ではあるが、しかしキンキやメヒカリなど、食べて美味しい深海魚もいる。彼女が私たちを気に入る可能性は、決してゼロではない、いや、むしろ、かなり高いと言えるだろう。
    細々と述べてしまった。しかし実は、これらは本質ではないのだ。本質とは何か。つまり、佐々木希を好きになれないのは、私たち自身の心の問題だということである。彼女が私たちを拒否しているのではない。私たちの心そのものが、実は彼女を拒否しようとしているのだ。

    そしてそれは、ぼくの信じる妄想の理念とは相反するものである。妄想とは、現実逃避ではない。いくつかの現実を基にして、自分が信じられる真実を造り上げる という行為である。その真実は、確かに事実ではないかもしれない。だがそれを信じることさえ出来れば、それは真実なのだし、そのようにして世界と接すると いう試みこそが、少しだけこの世界を豊かに、幸せに、美しく色をつけてくれるのではないかとぼくは信じている。
    だからもう、逃げるのはやめよう。佐々木希のことを、ぼくはもう、好きになりたくて仕方がない。想像してみよう。妄想してみよう。ぼくと彼女の物語は、きっとそこから始まるのだ。

    そう、舞台は高校の教室にしよう。朝早く。今日提出する宿題をやるために、ぼくは普段よりも30分早く登校した。教室のドアを開けると、もちろん誰もいな い、と思いきや窓際の席に佐々木希が座っている。お互い、びっくりした顔。だけど普段から話すわけじゃないから、声もかけず、微妙な顔で会釈をする。
    ず いぶん早く登校するんだな、佐々木希さん。あ、そうか。朝練か。朝早くから、たいへんだな。春の木漏れ日で、佐々木希さんの横顔が輝いているのを、ぼくは こっそりと見つめている。付き合いたい、とか、そんなんじゃなくて。でもなんか、今までちゃんと見たことがなかったから、こんな表情を普段はしてるんだ、 なんて気付かなかった。好きになりたい、って思った。好き、とか、そんなんじゃなくて。ぼくは生まれて初めて、誰かのことを好きになりたい、って、今、こ の瞬間、思っていたら、佐々木希はくしゃみをした。

    「くちゅん!」

    とても可愛いくしゃみだった。花粉症なのかな。たいへんだな。二人しかいない教室で、微妙な沈黙が流れて、佐々木希さんはぼくの顔を見て、恥ずかしそうにこう言った。

    「むー......。誰か、私のウワサしてるのかな?」

    ぼくはもう、佐々木希さんのことを好きになっている。君はどうだろう。まだだっていうなら、また今度話をしよう。彼女の可愛らしい真実の姿を、ぼくはいつだって君に伝えてあげられるのだから。

    (相沢直)

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