『アナと雪の女王』の興行収入が5月27日に200億円を突破し、日本国内の歴代興行成績の4位になった。同作の主題歌『let it go』も、映画とともに大ヒットしているが、同曲のサビでも歌われる「let it go~」の日本語訳がなぜ「ありの~ままで~」と訳されたのかを考察する文章が、ネット上で話題となっている。
英語では「レリゴ~」、 松たか子が歌う日本語バージョンでは「ありの~ままで~」で、すっかり耳に馴染んだこの曲。話題となっているのは、5月27日に、イギリス在住の免疫学者・医師の小野昌弘氏が、Yahoo!に発表した『"Let it go"と『ありのまま』の違い』という記事だ。
これによると、小野氏はまず、英語の「Let it go」について、
「怒りや不安でさいなまれている人に、そんなことは忘れてしまいなさいよ("forget about it")、と呼びかける言葉」
「自分自身に怒りや不安を起こさせるような嫌なことを無視できる力を持つこと、耐性力をつけること」
と解説した上で、日本語の「ありのままで」は、
「『ありのままの自分を受け入れてほしい』というのは、しばしば今の日本社会で特に若者にみられる幻想」
「努力をして自分を成長させることで、より高い人格になろうという進歩的な考えはそこにはない」
と、分析。小野氏は、「"Let it go"は『無垢さ』とは無縁の言葉で、その意味で『ありのまま』とはかなり違う」と指摘し、日本語の「ありのまま」について、
「『ありのまま』という言葉に決定的に欠けているのは、社会との関係」
「人格形成のために自分の中だけで『ありのままの自分』探しをしても、論理的に見つかりえない。もし見つかったとしたら、それは間違いなく幻想」
と、切り捨てている。
この「ありのままで」については、これまでにも「和訳のワケ」に関する分析がなされており、
「『レリゴー、レリゴー』の口の動きが、日本語の『ありの~ままの~』の口の動きと似ている』」(THE PAGE)
「エルサの口にあわせて高橋さん(訳者の高橋知伽江さん)が試行錯誤の末、訳された・・・」(NEWSポストセブン)
といった事情によって、「ありのままで」は誕生したようだ。
しかし文化論まで絡めた小野氏の分析には、
「『ありのまま』の訳が悪いとは思わないけど、面白いなぁと思った」
「僕が感じてた違和感を肯定的に拭ってくれる。やはり僕は『ありのまま』という状態をポジティブに受け入れられない」
と、賛同の声が続出。多くの日本人がなにげなく口ずさんでいる「ありの~ままで~」だが、そこには色々な意味が含まれていたようだ。
【参照リンク】
・"Let it go"と「ありのまま」の違い
http://bylines.news.yahoo.co.jp/onomasahiro/20140527-00035720/
・『Let It Go』が『ありのままで』と訳された理由-THE PAGE
http://thepage.jp/detail/20140503-00000010-wordleaf
・アナ雪 『Let It Go』は吹き替え版で「ありのままの」の名訳-NEWSポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20140420_252246.html
・『アナと雪の女王』公式サイト
http://www.disney.co.jp/movies/anayuki/
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