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ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートの最高にホットな二人がお届けする映画『エージェント・ウルトラ』が1月23日(土)に公開される。CIAが実際に行っていたとされる極秘マインドコントロール・プログラムを題材に、ダメ男のプロポーズ計画を織り交ぜた最高にキュートなラブアクション・ムービーだ!本作の脚本を手がけたのは、SF映画ファンの間で「傑作」との評価を誇る『クロニクル』を手がけた鬼才 マックス・ランディス。『ブルース・ブラザース』などの監督を務めたジョン・ランディスを父に持つ映画一家に生まれた彼に、この度、インタビューを敢行した!作品のことや、父との関係、さらには日本のサラリーマンへのメッセージまで幅広く語ってくれた。
――『エージェント・ウルトラ』のアイディアはどのように生まれたのですか?
誰かの愛を勝ち取るラヴ・ストーリーを語りたかったんだ。正直で、絆を手に入れる愛の物語だ。あと、アクションもすごくやりたかった。この映画はインディ・ドラマみたいな始まり方をするよね。登場人物がエモーショナルな、たとえば『エターナル・サンシャイン』みたいな小規模な作品のような。そんなドラマから、いきなり、キャラクターがアクション映画に強制的に放り込まれるような話にしたかったんだ(笑)
――CIAの機密プロジェクト、MKウルトラ(※CIAが、普通の市民をスーパーヒーロー並みのスパイに改造しようと、1950年代から30年にわたって秘密裏に実行してきたプログラム)がモチーフになっていますね。
子供の時に初めて聞いて、"心理的な実験"という部分に魅了されたよ。誰かのアイデンティティを強制的に作り変えていたんだからね。ショッキングだよ。しかも、アメリカが関与していたことを認めている。機密にしていたのも凄い。最高に狂ってて、異様で、恐ろしい実話だ。映画『ボーン』シリーズみたいだよね。
――本作のスパイ映画としての要素や、本作に影響を与えた『ボーン』シリーズ以外のスパイ映画について教えてください。
二人の主人公はスパイ映画的なことにはまったく関心がないのに、いきなりスパイ・スリラー的な展開に巻き込まれていく。二人はただ一緒に過ごし、マリファナを吸って寝ていたいだけなのに、政府のプログラムを崩壊せざるをえなくなる。この要素は本当に書いていて楽しかったよ。
影響を受けたのはレニー・ハーリン監督の『ロングキス・グッドナイト』だね。異なる点もあるが、共通している部分が多い。
――舞台をウェスト・ヴァージニアにした理由は?
普段アクション映画で見ないような街を舞台にしたかったからだ。『ボーン』シリーズは世界中の街が舞台だけど、この映画はアメリカの小さな町を舞台にしたら面白いと思った。実は、『クロニクル』も当初はオレゴンが舞台だったんだ。結局シアトルに変わったんだけどね。でもおかげでシアトルのランドマークでもあるスペースニードルを使えて楽しかったよ(笑)
――本作はアクションのつまったコメディ映画ですが、どうやってこの二つのバランスをうまく取りましたか?
それぞれの要素を強調した作品を書こうと試みたよ。この映画はコメディでもアクションでもなく、スリラーなんだ。アクションとコメディをミックスした作品だね。アクションとコメディは常に相互に関連しているし、楽しいよね。誰かが顔をひっぱたかれる場面なんて、何よりも面白いよ(笑)
――情けない主人公・マイクや、ガールフレンド・フィービーのキャラクターはどのように作り上げていきましたか?キャラを作るにあたり、参考にされた映画や役柄などありましたら教えてください。
マイクにとってフィービーは母親のような存在であり、マイクは彼女の後ろに隠れ、守ってもらっている。マイクのほうがフィービーとの関係に少し不安を感じていて、だからインテリな恋人であるフィービーに好印象を与えようとするんだよ。
僕のキャラクターというのはそれぞれが独自の個性をもったキャラクターをしているけど、マイクはちょっとだけ「Parks and Recreation」(※アメリカのコメディ番組)のAndyにインスピレーションを受けているかもしれない。けど、基本的には"みんなが知っている奴"なんだ。男の子がダメで、女の子の方がベビーシッターみたいに母親代わりのような感じで面倒を見てあげているみたいなカップル。それが少しづつ変化していくというような感じだったかな。
――ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートの主演コンビが素晴らしかったです。この二人の組み合わせをどう感じましたか?
彼らは普段の出演作とは全然違う役を演じているよね。すごくチャーミングだと思ったよ。『アドベンチャーランドへようこそ』の二人も素敵だったし、『エージェント・ウルトラ』の二人も本当に魅力的だった。クリステンが演じた、フィービーの、勇敢でタフでもろい部分はとても良かった。彼女のフィービーは、僕が脚本に書いたフィービーそのものだったからすごく嬉しかったよ。
――ジェシーがアクションシーンをこなす姿も新鮮でしたが、役を演じるにあたり、どのようなことを求めましたか?
「とにかくファニーに!ウケてね!(笑)」と。求めていたのはそれだけだ。ジェシーは脚本をすごく気に入ってくれて、特に僕の書いたセリフを気に入ってくれていたんだ。ちょっとしたニュアンスを折り込んで、素晴らしいセリフ回しができる人だから、そんなジェシーが脚本を気に入ってくれたというのはすごく大きいことだった。クリスティンも全く一緒。僕は、この二人の役者について、今までの作品や監督は、彼らのポテンシャルをまだまだ引き出しきれてないんじゃないかと思っていた。今回は、今までと全く違うことをやってくれているけど、それを見るのもとってもワクワクしたよ。この二人は、もともと書かれていたキャラクター、ストーリーにたくさんのものをプラスしてくれたんだ。
――脚本を書いている際に一番楽しかったシーンはどの場面ですか。
車のボンネットの上で二人が会話をしているシーン(僕は木で君は美しい車なんだ...のシーン)と、それから最後のプロポーズのシーンだね。
――『プロジェクトX』監督とのコラボですが、製作前に監督とどんなことを話し合いましたか?
大部分はラヴ・ストーリーで、感情的なビートが大切だってこと。それが一番重要な要素だって彼に話したんだ。
――ラヴ・ストーリーが本作の鍵でもありますが、あなたの一番好きな恋愛映画はなんでしょうか?
リチャード・リンクレイター監督の『ビフォア』トリロジーだ!あと、ラヴ・ストーリーじゃないけど『影なき男』と続編の『夕陽特急』も好きだよ。キャラクターの相性と化学反応が好きなんだ。あとは、園子温監督の『愛のむきだし』。......本当にたくさんあるよ!『エイリアン』もそうだ。たくさんありすぎて思い出せないよ!本当にいい質問だ!『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズも好き。ファニーだよね。ラヴ・ストーリーは、時代をループして、繰り返し、観る人を幸せにする。『プライドと偏見』も好きだよ。
――SF映画『クロニクル』では世界中で高い評価を得たと思いますが、今回も奇想天外な発想が作品細部に宿っています。そういった設定にこだわる理由は?
それは楽しいからだよ!(笑)意味深いようなキャラクターだったりを描きつつ、爆発があったり、スプーンで人を殺しちゃったり、街を全部滅ぼしちゃったりって...楽しいじゃん?!(笑)ただ、僕は、そういったことを「楽しいから」ってだけでやるのは好きじゃなくて、ストーリーやキャラクターにちゃんとエモーションを持たせたいと思っているけどね。
――個人的に好きなSF映画をいくつか教えてください。
たくさんあるよ!(笑)本当にたくさん好きなのがいっぱいあるから選ぶのは難しいよ(笑)......お気に入りは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(シリーズ1)かな!(笑)
――SF、コメディ、アクション、ホラーと様々なジャンルの脚本を執筆していますが、一番好きなジャンルは?
特に一つというのはないね。強いて挙げるならスリラーだ。それぞれ異なる手段で描いてるけど、僕が書いた作品はすべて究極的にはブレイクダウンしたスリラーなんだよ。
――最初に映画館で観た映画を覚えていますか?
最初に劇場で観たのは『スター・トレックⅥ 未知の世界』のプレミアだね。父さんと母さんが、僕がすごく小さなときに連れて行ってくれたんだ。反重力の暗殺シーンを今でもよく覚えているよ。「ワオ!!!」ってぶっ飛んだね。
――子供の頃から色んな映画を観て育ったんですね?
うん、父さんが見せてくれた映画もあるし、自分で観に行った映画もある。一日に3本観ていたこともあるよ。おかげで僕の頭はストーリーテリングについてたくさん学ぶことができたんだ。楽しかったし、自分にとっては自然なことだったよ。
――父であるジョン・ランディス監督や、彼の作品から教わったことはなんでしょう?
父さんの映画で、一番影響を受けたのは『狼男アメリカン』だ。キャラクターの物語とホラーというジャンルを巧みに融合した素晴らしい作品だからね。あの作品には多大なインスピレーションを受けたよ。僕自身、まだ映画を監督した経験はほとんどないけどね。
――現在執筆中の脚本はどんな作品ですか?
あらゆるものすべてだね。2つのコミックと2つのTVショーと6本の映画の脚本をこの半年で書いたよ。他にも一本インディ映画を売り込もうと思っているし、自分の監督作も一本売り込むつもりだ。あと、ステージ・ショーもね。とてもエキサイティングだよ。本当のことを言うと、脚本家には一切なにも約束されていないからね。これから監督やプロデューサーを見つけるところだよ。どうなるか見てみようじゃないか!
――脚本家にとって一番大切な資質とはなんでしょう?
たくさんあるよ。脚本家という職業はとてつもなくハードだ。一見するよりも遥かに複雑な仕事なんだ。脚本家として働くということは、技術者であり建築家でありアーティストになるということだ。感情を加えないといけないし、人間を理解していないといけない。人がどうやって考え、動き、話し、決断を下すかを理解していないといけない。他人の靴に自分の足を突っ込まなければいけない、つまり他人の身に置いて考えないといけないんだ。その他人の靴に全然興味がなくても、その靴を履いて全体を感情と心を込めて動き回らなければいけないんだよ。そして批評しメモを取る。自分にお金を払ってくれる人にマッチするように脚本を調整し、彼らの意見を理解する。それができなかったらすべては終わりなんだ。
――ラセターとイェーツという二人の上司の間で揺れ動くCIA職員・ピーターが、人間味に溢れておりコミカルで印象にとても残りました。ご自身はこのキャラクターについてどう思いますか?
ピーターはお気に入りのキャラクターのひとりだね。実は脚本中では本当はもっと出番が多かったんだけど、映画化された時にカットされちゃったみたい(笑)彼の役回りというのは正しいことをしようとしている人間。実はイェーツもそうなんだけど、政府という壊れた歯車を表現しているし、「仕事ができない奴」という考えだね(笑)
――ピーターとおなじく、職場での様々なジレンマに悩むことも多い日本のサラリーマンに向けて、上手に乗り越えるための良いアドバイスをお願いします。
基本的にどんな人の意見にも対しても流され決めつけないで、自分で事をしっかりと理解して、やるべきと自分が納得した上で行動すべきだ!
『エージェント・ウルトラ』は1月23日(土)より公開
(C) 2015 American Ultra, LLC. All
https://youtu.be/REolBGl44fE
■参照リンク
『エージェント・ウルトラ』公式サイト
agent-ultra.jp
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RSSブログ情報:http://news.aol.jp/2016/01/20/agentultra/