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1994年・初秋
か、どうかは20年近くも前の話なのではっきりとはわからない
僕のバンド『ジ・エンブロイル』のドラマーマサアキ(天然パーマ)は、
バンドの練習のたびに原チャリで赤羽のスタジオまで通っていた。
バンドの練習のたびに原チャリで赤羽のスタジオまで通っていた。
なので、僕も、
24回払いで買ったばかりの『リード90』で赤羽のスタジオに行くようになっていた。
ちなみにこの『買ったばかりのリード90』。
バイクってほどかっこいいものでもないし、
かといって『90CC』なので原チャリでもない。
かといって『90CC』なので原チャリでもない。
なので僕はかたくなに
『マシン』と呼んでいた。
マサアキとは帰る方向が一緒だったので、
ヤツの原チャリと俺のマシンで競走しながら毎回たのしく帰った。
ヤツの原チャリと俺のマシンで競走しながら毎回たのしく帰った。
マサ「雄大くん! ちょっととめてしゃべりましょうよ!」
みたいな感じで道端に原チャリとマシンをとめ、
芝生に座って小一時間しゃべって帰ることがよくあった。
雄大「はいよ、マサ!(缶コーヒーを投げる)」
マサ「雄大くんサンクス!(缶コーヒーを受け取る)」
なんて場面も付け加えておけば、完全に青春なのだがこれはなかった。
なぜならヤツは現役予備校生で金がない。
言うまでも無く俺はドケチだ。
いや、もしかしたらジュースくらい飲んでたかもしれない!
お互い自腹で。
どちらにしても誰も知らない話だ。
青春だなぁ。
マサ「雄大くん、あのふたりどうおもいます?」
雄大「ん? ヒコとリーダーか?」
マサ「そうっス。なんか、いつも二人でとか言っちゃってとか言っちゃって
ばっかじゃないですか!とか言っちゃって! 真面目な話もできないし、
このバンドこのままじゃやばくないっスか?とか言っちゃって(笑)」
ばっかじゃないですか!とか言っちゃって! 真面目な話もできないし、
このバンドこのままじゃやばくないっスか?とか言っちゃって(笑)」
雄大「マサアキお前よぉ!
完全にうつっちゃってんじゃねぇかよとか言っちゃって(笑)」
マサ「そうゆう雄大くんだってうつっちゃってんじゃないスか
とか言っちゃって(笑)(笑)」
とか言っちゃって(笑)(笑)」
……。
こんな会話を小一時間……。
ばかりではなく、
もちろん、
好きな女がいてどうのこうのみたいな健康的な男子の会話もたくさんあった。はず。
好きな女がいてどうのこうのみたいな健康的な男子の会話もたくさんあった。はず。
ちなみにこのマサアキには、
俺が働いていたコンビニを紹介してやった仲。
俺が昼勤でヤツが夕勤。
バイトも紹介してやれば、女の抱きかたまで教えてやった。
映画『すかんぴんウォーク』に例えれば
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