私たちが生きていく上で欠かす事の出来ない“お金”。映画の世界でも、リメイクもされた『ウォール街』(1987年)等の傑作も多く、ディカプリオの怪演とジョナ・ヒルがイカす『ウルフオブウォールストリート』、現在公開中の『マネー・ショート 華麗なる大逆転』も、リーマンショックの裏側を描いた作品も多数あります。
そんな“お金映画”には、経済や社会の裏側を描いた作品も多く「敷居が高そう……」と敬遠してしまう事も。しかし、そんな難しい話は抜きにして、実は個性豊かなキャラクターが登場する作品も多く、肩の力を抜いて気軽に楽しめる作品もたくさんあるのです。おもわず「お金のためにそこまでする?!」と思ってしまうような個性豊かな面々をご紹介します。ちなみに、今回ピックアップした作品には全て阿部サダヲさんが出ているので、サダヲ・フリークにもオススメです。
「殿様に3億貸して利息をいただく!」命知らずな作戦を企てる【穀田屋十三郎】
破産や夜逃げが相次ぐ町の行く末を心配した穀田屋十三郎が、仲間と集めた3億もの大金を殿様に貸し付け、利息を巻き上げるという、逆転の発想で町の救済に奮闘する物語、『殿、利息でござる』。百姓が搾取される側から搾取する側に回るという逆転の発想は、バレたら即打ち首の前代未聞の大作戦。
人一倍、町の救済への想いが強い十三郎。資金を集めるため、泣く泣く私財を売り払う仲間の篤平治(瑛太)や右衛門(寺脇康文)に対し、迷うことなく形見の品まで売り払う十三郎の思い切りのよさは、息子である音右衛門(重岡大毅)の反感を買ってしまうほど。そんな“ド真面目”かつ“お人よし”な十三郎だが、時には真面目すぎて、観ているこちらがハラハラすることも…!飯屋のおかみ・とき(竹内裕子)に対し密かな恋心を抱きながらも、あと一歩踏み出せない可愛らしい一面もあり、前代未聞な作戦でもなんだか手を貸してあげたくなるかも?
「触れない、使えない、欲しくない」お金アレルギーの元銀行マン【高見武晴】
お金アレルギーの主人公・高見が、お金を1円も使わない自給自足の暮らしを夢見て「かむろば村」へ移住するが、そこの住民は一癖も二癖もある者ばかりで……という映画、『ジヌよ、さらば~かむろば村へ~』。一見どこにでもいるような若者に見える高見だが、他の若者との決定的な違いは、お金恐怖症だということ。しかし現実は甘くなく、お金アレルギーがゆえに散々トラブルを起こす始末。大嫌いな“お金”に振り回され続ける主人公・高見と、彼を取り巻くかむろば村の住民たちとのコミカルなやり取りにクスリとさせられます。
(C)2015 いがらしみきお・小学館/「ジヌよさらば かむろば村へ」製作委員会
夫を献身的に支える良き妻から一転、“冷酷妻”へ?!【市澤里子】
小料理店を営む夫婦の貫也(阿部サダヲ)と里子(松たか子)。火事で家を失い、再び店を構えるために【結婚詐欺】を繰り返す夫婦を描いた映画『夢売るふたり』。騙した相手は、実家暮らしで結婚願望を持つOLや、孤独なウェイトリフティング選手、男運が悪い風俗嬢などタイプは様々。お金が入れば入るほど次第に笑顔が消え、ひとつひとつの仕草や微妙な表情の変化、そして時折見せる笑顔でさえも怖い……!と感じてしまうほどの松たか子の熱演には注目です。
(C)2012「夢売るふたり」製作委員会
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