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ビデオカメラのマニュアル露光は意外に簡単!? プロ級の動画も手軽です
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ビデオカメラのマニュアル露光は意外に簡単!? プロ級の動画も手軽です

2016-02-17 10:30
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    昔は明らかに動画撮影の品質はプロとアマチュアで違いがありました。プロは『Batacam』などの業務用を使い、アマチュアは『VHS』や『Hi-8』などの家庭用で根本から違いました。 
    でも、今はプロもアマチュアも昔ほど差はありません。時々カメラのCMで「この映像は実際に○○で撮影しました」という物が流れます。ところが、実際に私たちが撮影すると何かプロとは違う映像です。ノイズとかが入っているわけではないのに、アマチュアの映像はアマチュアって感じです。

    ※見た目だけではないハイエンドの凄さ! 初売り激安でも売れ残っていたビデオカメラを買いました
    http://getnews.jp/archives/1368779 [リンク] 

    以前の記事で筆者は激安でハイエンドビデオカメラを手に入れましたので、ハイエンドに負けない映像を撮影するためにマニュアル露光を少し覚えて見ました。『拳銃(コルト)は俺のパスポート』という映画が昔ありましたが、ハイエンドビデオカメラを祭りなどに持ち込むと、まるでビデオカメラがパスポートのような感じになり、持っているだけで良い場所まで案内してくれるという話を聞きます(単に地元ケーブル局やローカル局と間違われているだけです)。ただ、これだけでは「きれいな映像」というパスポートを手にすることは出来ません。

    プロがきれいなのはマニュアル露光をしているため

    プロの映像がきれいなのは、カメラの露光設定をマニュアルで行っているためです。もし、上位機種のビデオカメラを持っているが、マニュアル露光を使ったことがないという人は、使ってみるとテレビ番組のような映像をホームビデオでも撮影できてしまいます。

    その前に、カメラに「70%ゼブラ」の機能があれば設定を入れてください。上位機種のカメラなら付いているはずです。

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    ゼブラの機能を入れると70%の輝度の部分に縞模様(ゼブラ)が入ります。人物を撮影する場合はこれを顔に合うように露光を合わせると肌の質感がきれいに再現されます。

    まずは比較のために自動露光で撮影しました

    通常のカメラは自動露光という調整機能が付いています。カメラの絞りやシャッター速度を自動調整します。ただ、自動調整もとりあえず識別できる映像をカメラに収めるという動きなので、映像に深みがなくなります。
    明るい場所での純白のスーツはくすんだグレーになったり、全く質感の無い真っ白なペンキを塗った様な感じになってしまいます。深みのあるピアノも白っぽくなったり、黒一色になってしまったりと非常に残念な映像に仕上がります。

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    特に苦手なのが光のフェードインアウトです。明るく光ると全体を暗く調整し、暗く光ると光が一定になるように調整されます。全く光の明暗が表現されません。

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    ナイロンの白手袋で懐中電灯を持った映像です。白手袋はグレーになり、懐中電灯本体も非常に暗いです。画面全体の明るさの平均で赤縷々差を調整するため、非常に明るいLEDに引きずられてしまっています。

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    晴天の電柱と雲です。カメラは作者の意図を理解できないので、電柱も雲も中途半端です。

    とりあえず覚えておくことは「絞り」「シャッター速度」「ゲイン」

    手動で露光を調整するためには3つの数値を調整する必要があります。この三つの数字を明るくなる方向に調整すれば明るくなります。「蛇口をひねれば水が出る」みたいな単純な理屈ですが、この3つには副作用があります。この副作用を考えながら、どれを調整するかを考えてくださいl。 ただ、ある程度使っていると感覚で分かってくるので大丈夫です。

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    ファインダーにはこのように表示されます。業務用だとそれぞれに独立したダイヤルが付いていますが、家庭用ハイエンドだと、モードボタンで選んでダイヤルを回すという手順です。

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    絞りを明るくした場合の副作用は、ピントの前後が狭くなります。被写体にピントが合うと背景はぼやけてしまいます。このためピント合わせがより厳しくなります。

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    シャッター速度を遅くしても明るくなりますが、下げすぎると残像が残ります。通常はビデオのコマ数である1/30や1/60以下には落としません。非常にゆっくりとした動きの被写体を三脚で撮影する場合に向いていますが、使う機会は少ないです。

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    ゲイン(dB)をあげると明るくなりますが、ノイズが発生します。芸術的な映像ではあまり使いたくありませんが、ドキュメンタリーや記録映像としては重宝します。静止画の世界だとISO感度に相当する設定です。

    この3つの短所(副作用)を覚えておくと自然に調整できるのではと思います。

    実際にマニュアル露光で撮影しました

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    光が明るくなっても暗くなっても全体の明るさは一定です。しっかりと被写体のマウスの質感が保たれています。また、点滅が暗くなった場合でも無理に明るく撮影されていません。

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    懐中電灯を直にカメラに向けない限り、白手袋の質感と懐中電灯の色が再現されています。モータースポーツの撮影で、「ヘッドライトのハイビーム」に照らされてもマニュアル露光ならクルマが黒くなることはありません。鉄道のヘッドライトにも妨害されません。

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    雲を主役に露光してみました。雲の質感が再現されていますが、電柱は暗いです。

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    雲や空は真っ白ですが、電柱は明るく再現されています。電柱と空を同時に再現したい? 無理な注文です。ドライにどちらが主役か瞬時に判断してください。

    マニュアル露光というと常に調整が必要だと思われますが、日の入りや日の出、日陰や日向、屋内外の移動がなければほとんど調整は不要です。人物を撮影するときに顔に「ゼブラ」が表示されていることを意識しておけば良いです。ピントもマニュアルがベストですが、自信が無ければオートフォーカスでも良いです。ある程度コツがつかめたら、子供の運動会や学芸会で是非試してみてください。

    ハイエンドのビデオカメラを持っている人は是非、マニュアル露光を楽しんでみてください。 あと、執筆時ではハイエンドのカメラが比較的安く量販店とかでディスカウントされているので狙い目かもしれません(筆者もこれで買いました)。

    ハイエンドビデオカメラはマニュアル設定が凄い 商品レビュー専門 YouTube
    https://youtu.be/vdMbOIrK1Yo

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    (執筆者: 動画解放軍) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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