まだ寒さが厳しい栗東トレセンだが、特に昨日の11日は辛かった。
気温が1度しかなかったうえに風が強く、調教師席にある風速計は10メートル以上を掲示。「寒いというよりも痛い」と寒風にさらされた人たちは話していた。
そんな中、阪神大賞典1週前追い切りを終えた昨年の菊花賞馬トーホウジャッカルを見たが、金髪のたてがみが風で激しく揺れていた。
その1週前追い切り。Cウッドで行われ時計はまずまず速かったが、騎乗した酒井学騎手は「まだグッと来るものがない」と首をかしげていた。そのあたりは5カ月というブランクの影響かもしれない。
トーホウジャッカルは、この日からまる4年前に生まれた。2011年3月11日。東日本大震災が発生した直後だった。生まれ故郷である北海道日高町の竹島幸治方の牧場も強い揺れに見舞われたが、夕方5時に無事生まれたという。
菊花賞を勝った後、ジャッカルをとりあげた竹島幸治さんが「地震があると産気づく馬が多いんです。この子の母親はお産が遅れることが多いのに、地震の影響か、普通の早さで生まれました」と話していたのを思い出す。
このような馬がクラシックを勝ったことに、なにか神聖なものを感じる。
レースまであと1週間。しっかりと状態を上げて、強いジャッカルを披露してほしいものだ。【岡本光男】
阪神大賞典の1週前追い切りを終え、厩舎へひきあげるトーホウジャッカル。風でたてがみが揺れていた