<小倉記念:追い切り>

 皐月賞12着以来となる3歳馬ベルーフ(牡、池江)が5日、小倉記念(G3、芝2000メートル、9日)に向けてCウッドで追い切られた。3頭併せの真ん中に入り、ラスト1ハロン11秒8の鋭い伸びを見せ、内のダノンシーザー(3歳1600万)に半馬身先着。3カ月半の休み明けとなるが、堂々のS評価で好仕上がりを示した。今週が短期免許最終週となるザカリー・パートン騎手(32)を背に、古馬撃破を狙う。

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パートン騎手を背に、Cウッドコースを3頭併せで追い切るベルーフ(左)

 最後に小倉で花火を打ち上げる。7月18日から短期免許で騎乗中のパートン騎手だが、今週がラスト。夏の中京では苦しんだが、小倉に舞台を移した先週は4勝と調子を上げてきた。小倉記念は、身元引受調教師の池江師が管理するベルーフと初コンビを組み、初対戦の古馬撃破を狙う。

 この日はパートン騎手が騎乗し、Cウッドで追い切られた。3頭併せで、ゴール前では2頭の間からスッと抜け出し、ダノンシーザーに半馬身先着した。ラストは11秒8と鋭く伸び、軽快な動きで久々を感じさせない仕上がり。同騎手は「動きはまずまず。性格は難しいけど、いいエンジンを持っている。あとはそれをレースで出せるかどうかが鍵になる」と冷静だ。

 この日も馬場入りでごねるところを見せて、気難しさを出していたが「馬場に入るときにごねるのはいつものこと。ジョッキーには3回乗ってもらって、感触をつかんでもらっているので」と兼武助手。3週連続で、同騎手が追い切りに騎乗。小倉記念に向けて、少しずつ手のうちに入れてきた。

 実戦は、12着に敗れた皐月賞以来となる。「前走後はごとごとしていたし、疲れが出ていたと思う。休養したことで、そういう面が解消されてきている」と同助手。7月15日に入厩後、乗り込まれて態勢は整った。

 池江厩舎は13年ラブリーデイ2着、昨年はサトノノブレスで勝利し、2年連続連対中と、小倉記念との相性はいい。ベルーフも京成杯を制した素質馬。ザックの手に導かれ、明るい未来の展望を開く。【辻敦子】

 ◆池江厩舎と小倉記念 過去5頭が出走して08年ドリームジャーニー、昨年のサトノノブレスと2勝をあげている。一昨年には、今年のベルーフと同じ3歳馬のラブリーデイを送り出して2着。ちなみに同馬は5歳の今年に開花し、宝塚記念を勝ってG1馬になった。池江勢の小倉記念は【2 1 0 2】で連対率6割!! ベルーフも小倉記念を機にさらなる飛躍を遂げるか。