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香港での勢いを阪神へ。香港C初勝利を果たしたばかりの武豊騎手が、今度はエアスピネルで朝日杯FS(G1、芝1600メートル、20日=阪神)初Vを狙う。ここを勝てば前人未到のJRA平地G1完全制覇を達成する。
エアスピネルと武豊騎手
武豊騎手の香港での勝利は、エアスピネルを担当する中村助手にとってもグッドニュースだった。「流れは最高ですね」と笑顔を見せる。そもそも鞍上はエアスピネルのデビュー当初から、朝日杯FSを意識していた。中村助手は直接助言をもらうこともあり「(武豊騎手に)気にかけていただいている」と言う。
それほどの好素材だ。デビュー戦は好位から楽々と抜け出して快勝。2戦目のデイリー杯2歳Sも、圧倒的1番人気のシュウジを3馬身半突き放した。「直線で抜け出し、鞍上が流しにかかったところでまた伸びた。これってすごいこと。心肺機能がかなり高い」と笹田師も素質の高さに驚く。
前走時もレース後の検量室前でしきりに鳴いていたほどで、まだ幼さを残しながらこれだけの走りを見せてきた。師は「自信を持って出せる」と無敗での戴冠に手応えを感じている。「粒ぞろい」と言われる今年の朝日杯FSだが、05年の秋華賞馬エアメサイアの子が、頭ひとつ抜けた存在かもしれない。【岡本光男】