11/23(金)公開の「カラスの親指」の試写を観てきました。不思議なタイトルのこの映画の原作は直木賞作家・道尾秀介の代表作。負けっぱなしの人生だった2人の詐欺師、タケとテツ。ある日二人のもとにワケあり美人姉妹と1人の青年が現れます。家族のように暮らし始めた五人に忍び寄る、タケが過去に起こしたある事件の影。人生の再逆転を狙った五人は大勝負に打って出るが…。そこには驚きの結末が待っていました。
【関連記事】 渡辺早織@cinema 名作発見!!今月の絶対観るべき映画「アルゴ」レビューといいつつ、これ以上の細かいストーリーはここでは書けません。阿部寛さんの演技は相変わらずいい味だし、石原さとみさん、「ネネット」CMなどで注目の能年玲奈さん演じる美人姉妹も超キュート。村上ショージさんの無邪気な笑顔、役作りのための10kgもの体重増でもなおイケメンだった小柳友さん。これらキャスト以上の予備知識ナシに観ることがこの映画を楽しむ一番のポイントかも。
現実の生活では人に騙されたときは「やられた!」「許せない!」という悔しさを感じるもの。ところがこの映画なら、騙されたことに喜び、爽快感すら感じてしまうのです。騙されていたこと自体に気づかなかった驚きも。試写のあと、伏線を見破れたという人は会場の1割にも満たない数でした。もちろん筆者も見破れなかったほうに入ります…。認識率一割以下の伏線、目を見張って画面の隅まで見逃さないようにしてみて下さいね。
読み終わったら、すぐ最初のページに戻って読み返したい!原作はこんな本
読んだ人が口を揃えて「騙された!」という「カラスの親指」。「詐欺師の話」「伏線満載」こんな前情報も手伝って、騙されないつもりで読み始めるものの、物語が進むにつれてかすかな違和感が顔を出します。これは伏線では?と身構えても、わずか数ページ後で回収されるものもあり、力んでいると肩透かしを食らうことも。
5人の不幸な過去、出会いの顛末、「アルバトロス作戦」での緊張感...すべて楽しませ、引き込んでくれた上で、最後に目を疑う大仕掛けが待っています。読みながら感じた疑問がすべて回収され、それまでとはまるで別な物語に変わってしまう様子は、パズルのピースがはまるようでもあり、だまし絵を見るようでもあります。謎ときの楽しさを堪能できる事間違いなしです。読み終わった後でもう一度表紙を見ると、タイトルの意味が胸を打ちます。そして、最初から最後まで、この本が「詐欺師の物語」であったことに気づくはず。
映画を上回る「だまされた!」をぜひ味わってみてください。
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村上ジョージに名前間違えられてる村上ショージさんが可哀想(´・ω・`)
小説で読んじゃったよ・・・