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▼ 目次

1. 栄喜のスーパー深い話
2. 栄喜が斬る! ぶっちゃけ俺はこう思うんだ
3. 栄喜’s スーパーベストHit!
4. 魂の一問一答! ~それなりじゃない、俺なりの答え~
5. 解禁! 栄喜’s Information
6. あとがき

【1】 栄喜のスーパー深い話

このコーナーでは、栄喜が、ブロマガ読者のためだけに、自身の昔話から今後の事など深く語り尽くします。

◆ vol.16 レコーディング機材の話

先日のアコースティックライブもそうだけど、同期で流れた音声データは、
パソコンを使ってデジタルで音声の録音・編集・ミックスをして作ったのね。
もちろんライヴの同期だけじゃなくて、新曲のデモを録音していったり、
実際のレコーディングにも使用したり……、DAW(デジタル・オーディオ・
ワークステーションの略)って言うんだけど、その作業や機材について、
話をしようと思う。

以前は曲のデモを作るために、YAMAHAのQY-10(音源内蔵のシーケンサー)は
SIAM SHADEの時、早いうちから導入していて、QY-10のスペシャリストだった。
それで淳士とかに教えたりとかね。MIDIで動かすものは得意だったんだよ。
MIDIっていうのは今でも使われていて、要はデータで打ち込んだものを
いいプラグインを使って音を出すっていうのは今でも主流だからね。
それから、AKAIのMPCシリーズ(サンプラー兼リズムマシン)を買って、
鍵盤で音を入れていって、自分で本格的にデモを作るようになったのは、
「アドレナリン」の頃かな。SIAM SHADEの解散する直前には、
自分の頭にあるものを自分で形にできなかったら、人に伝えられないなって思って、
「アドレナリン」の時には全部自分で作って、メンバーにデモを渡していた。
それでAKAIのMPCで打ち込んでいたものを、本チャンのレコーディングで
使用されている(ソフトの)ProToolsに切り替えたのは、月刊HIDEKIの
「この時世」のレコーディングの時で。それまではパソコンを使えなかったから、
そこがターニング・ポイントかな。

その時期は、いろんなドラマーの方々にドラムをお願いしていたんだけど、
自分の考えたドラムと同じように叩いてくれないなぁって思っていてさ。
それだったら、自分で打ち込んだドラムがいいかなって思って、
ドラムをサンプリングの音で打ち込んでいってたら、エンジニアで
DETROXのメンバーでもあったMJ NAGAIさんが、
これじゃ空気感がない、と。要は、ドラムっていうのは、スネア、タム……、
それらを単体で一つ一つをレコーディングした音ではなくて、
スネアを叩いた時はタムのマイクでもスネアの音を拾うわけで、
それで空気感ができるんだよね。だから、サンプリングの一つ一つの音を
合わせても「点」になっちゃって、これでは市場に出てる音にならないから
ダメなんだって。NAGAIさんに言われたのは、そのやり方でやるのであれば、
唯一ProToolsのプラグインで、BFDっていうナイン・インチ・ネイルスとかの
エンジニアのスティーブ・アルビニという人が録った音源があって、それだったら
空気感も全部入っているし、市場に出回っている音にも使われているよって。
そう言われて、俺もProToolsを使うしかないなって思ったんだよね。
俺は、ProToolsなんてMIDIの延長上にあるもんだろうから、
打ち込むのは楽勝だと思っていたから、一週間後にレコーディングに入れちゃった。
それでパソコンも始めたんだけど、何から何までまったくわかんなくて、
ソフトのインストールもできなくて(笑)。あん時は、もう泣いたね(笑)。
今はもう全部わかるけど、何が悪いのかもぜんぜんわからないし、
アプリケーションってどこに何が入ってるんだ?みたいな。
エンジニアに家に来てもらって、やり方を教えてもらって、一週間でやったなぁ。
そこからだね、ProToolsに入っていったのは。大きな転換期だった。