本日、私が主導して議員立法で手掛けた「サイバーセキュリティ基本法」が成立しました。自民党が野党であった平成23年頃から構想を練り、自民党IT戦略特命委員会のメンバーを中心に、与野党をはじめ、産業界や内外の関係学術機関、専門家他からも数多くのヒアリングや意見交換を重ね、世界で初めて「サイバーセキュリティ」という文言を法律で定義し、サイバーセキュリティに関する施策を総合的かつ効果的に推進することが可能となる画期的な立法です。これまでご協力いただいた全ての方に、改めて感謝を申し上げたいと思います。

いまの時代をどのように認識するか。私はコンピュータとネットワークによる第3次産業革命が加速して進行中であると断言します。産業革命とは、汎用的な技術がグローバルな規模で拡散することによって、50-60年かけて、社会を全く新しいものに作り替える、その結果として、生活・仕事・企業・産業等あらゆる面で社会をバージョンアップするプロセスです。例えば、1850年代の第2次産業革命では、電気や石油によって、馬車・帆船・捕鯨産業が衰退しましたが、新しく自動車産業や航空産業が生れます。産業革命の過程では、古いものが淘汰、あるいは進化して生き残り、同時に新しいものが創出されます。すなわち産業レベルの「新陳代謝」が起こることが産業革命における「成長」そのものなのです。

確かに、携帯電話やパソコン、タブレット端末やカーナビをはじめ、家電、電子機器、食品、自動車など、私たちはあらゆるモノをインターネットと繋げることで、生活を飛躍的に向上させました。しかし、ITによる利便性を享受する一方で、益々重要になってくるのがセキュリティ対策です。国家をはじめ、電力、ガス、水道といった重要インフラに対するサイバー攻撃が激増している現在、最先端のIT国家を目指すわが国にとって、サイバーセキュリティは喫緊の課題なのです。

本日成立した法律は、国自らがリーダーシップを従来以上に発揮できるよう、政府としてのサイバーセキュリティ体制の抜本的強化を図るための立法措置です。これからも、私たち国民一人一人が情報セキュリティに関する認識を深め、自発的な活動が促進されるとともに、深刻化するサイバー脅威による被害を防ぐことができるよう、積極的にセキュリティ対策の取り組みを推進したいと思います。

また、本日19時から、初の試みとして、「サイバーセキュリティ基本法」に関するTwitterQ&Aセッションを実施します。ハッシュタグは、#Askhirataku。サイバーセキュリティを中心にインターネット全般に関して可能な限り質問にお答えしたいと思います。皆さん、どしどし質問をお寄せください。