ここ数年、不良少年、アウトロー、ヤンキー物の漫画や映画がちょっとしたブームになっている。「クローズ」や「ルーキーズ」を始め「ドロップ」「莫逆家族」「ワースト」「なにわ友あれ」「新宿スワン」「爆音列島」……。遡るとそのブームの先駆けは「BE-BOP-HIGHSCHOOL」に行きつくと言っていいだろう。

 そしてリアルな世界でもここ数年は「関東連合」「怒羅権」など六本木・西麻布の話題で持ちきりだ。「六本木フラワー撲殺事件」は現在のところ(9月23日現在)、未解決だがこの事件は別に論じるとして、ここでは1970年代から現代の不良少年論とそれらに併行して不良少年漫画も論じてみたいと思う。
 現在でこそ、暴走族は地方でわずかしかいなくなったが、当時は何百人単位で都内近郊のあちこちで喧嘩をし、今やオシャレな青山通りが封鎖されたり、原宿の前で大乱闘が繰り広げられたり大げさに言えば内戦のごとき様相を呈していた。今では考えられない光景である。

なぜ当時の少年たちはあんなに熱くなっていたのか。
なぜ人はアウトロー漫画に夢中になるのか。

「実話ナックルズ」という雑誌で僕は、現在は50半ばの暴走族最盛期の人から30代後半~40代前半までのチーマー、ギャングが盛んな頃から暴走族中期。そして「現在の」関東連合や怒羅権を取材した経験からここで一区切り、まとめておくのも良いかと思う。という訳で今回はまずは、70年代から。
※ただ、ヤクザと違い、名簿があるわけでもなく、あくまで本人たちの記憶に頼らざるを得ないのが暴走族、チーマー、ギャングなどの不良少年などで、例えば初代総長が誰か、とかは多少曖昧にならざるを得ないのが実情である事をお断りさせて頂く。

 日本の不良少年のファッションは世界で類を見ない不思議なものだ。パンチパーマ、アイパ―、ニグロ、特攻服、長ラン、中ラン、短ラン、ボンタン……。
こういったファッションは日本の不良少年独自のものであり、どこから来ているのか諸説あるが、リーゼントからパーマまではアメリカ音楽、ディスコの影響だろうと見られている。またアメリカのバイカー「ヘルズ・エンジェルス」の影響も受けている人もいただろう。

 暴走族最盛期以前、横浜、本牧を中心で昭和40年代に発生した「ナポレオン党」という不良グループがあった。