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               * 堀潤のテレビでは言えない話 vol.9

         ~「言語の壁を越えてアフリカまで届け」の巻~

                発行:8bitNews  2013.5.29 (毎週 月or火曜日発行)

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みなさん、こんにちは!


今、ロサンゼルスにいます。空はどこまでも真っ青で高く、声を上げればどこまでも届いていきそうな気分です。今年3月まで留学していたUCLAの研究者たちにも久しぶりに会いにいってきます。彼らはビッグデータの解析を元に、社会現象を可視化する研究を続けています。東日本大震災や原発事故で情報がどのように伝えられたのか、ともにプロジェクトをおこしています。今年初めに制作した、日本とアメリカの原子力災害をテーマにしたドキュメンタリー映画の追加撮影や再編集もします。今年夏の公開を目指しています。ぜひ、ご覧ください。


NHK時代には、僕の発信に対して局内外からの圧力が相当ありましたが、フリーランスになった今も、出演予定だった番組が突然キャンセルになる、ということがありました。


発信は誰にも止められない。インターネットがある限り、僕は僕の発信を続けます。


今後ともご支援よろしくお願いいたします!


さて、会員の皆様からは「もっと生放送を増やして欲しい」というご要望を頂いております。8bitNewsの事務所も整いつつあり、学生インターンの皆さんも加わってくれたので、帰国後は日々の放送を目指して準備を本格化させます。


皆様からのご指摘やアドバイスなどを元に、より使いやすいサイトになるようあれこれ思案しています。info@8bitnews.jp までぜひ皆さんのご意見もお聞かせ下さい!


さて!今回も前置きが長くなりましたが。。。


今号のコンテンツはこちら!↓

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├○    堀潤のテレビでは言えない話  vol.92013.5.29

├○

├○  01.【活動日記】

├○  堀潤のフリーランス的一週間

├○  8回「古賀茂明(元経済産業省)/やついいちろう/福田萌/NOTTV

├○ 元木昌彦(元オーマイニュース編集長)/藤井宏一郎(Google執行役員)

├○   村上むつ子(元ASIAWEEK東京特派員)/森山幸治(岡山市議会議員)/

├○   ピーター・バラカン(音楽評論家)/

├○ 堀江貴文(元ライブドア・SNS代表)/藤田晋(サイバーエージェント代表)

├○   はぁちゅう(キレナビ)/松田公太(みんなの党)/小飼弾(プログラマ)」

├○    

├○  02.【ルポタージュ】

├○  マスメディアが報じない本当の○○

├○  第8回  「ネットPR選挙前哨戦 政治家とメディアの癒着」

├○ ~政治と韓国メディアの癒着を暴いた ジャーナリスト李洪千氏との対話~

├○

├○  03.【ルポタージュ】

├○  次世代メディアへの創造力

├○  第8回 「調査報道 × Digital Technology」

├○     ~新たな調査報道への創造力 ビッグデータとの親和性~     

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├○  04.【オンライン講座】

├○  そうだ!メディアを創ろう

├○  8回 「スマートフォンの動画アプリを使おう」

├○

├○  05.【動画紹介】 8bitNews

├○  パブリックアクセスへの道

├○  8回「映画『ぼっちゃん』大森立嗣監督インタビュー(1)」

├○      「社会からこぼれ落ちてゆく人は特別な存在なのか」

├○

├○  06.【告知】今週のスケジュール& お知らせ
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「堀潤の発信は誰にも止められない Vol.8」へのリンクはこちらです。

[リンク] http://ch.nicovideo.jp/horijun/blomaga/ar237634

未読の方は併せてお楽しみ下さい。


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┗■  01.【活動日記】堀潤のフリーランス的一週間

   

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このコーナーでは堀の一週間の出来事を皆さんに報告。

ジャーナリストとして、司会者として、そしてNPO法人代表として

第一線で活躍する人々との日々の出会いをエピソードを交えお伝えします。

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・5月20日(月)

講談社「現代ビジネス」で、元経済産業省官僚の古賀茂明さんと対談。与党に批判的な古賀さんが出演する番組への政治的圧力はかなりあるらしく、放送がカットになったり、コメンテーターを外されたりということが日常的に起きている、と語る。それでもテレビ朝日「報道ステーション」は、そうしたプレッシャーを受けながらも番組を守り存続させているとか。スタッフの雇用も言論の自由も守りながら番組を制作する「古館プロジェクト」の代表として、キャスターの古館伊知郎さんの苦労も並々ならぬものがある、と古賀さんは話していた。

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(撮影:古本隆男)

[リンク] https://mall.ismedia.jp/category/select/pid/8767


夜は、東京・六本木ミッドタウンにスタジオを構えるスマホ向け放送局NOTTV に出演。お笑い芸人のやついいちろうさんや福田萌さんと共演。NOTTVNTTドコモ向けのスマートフォンでしか放送していないので、まだまだこれからのメディア。でも、うまく連動してゆけば可能性が広がるメディア。ニコニコ生放送のように、リアルタイムでアンケートができるのも魅力だ。

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・5月21日(火)


ニコ生の対談ゲストに、元オーマイニュース編集長の元木昌彦さんをお呼びした。以前は講談社で「フライデー」や「週刊現代」の編集長を務めていた元木さん、オーマイニュースの立ち上げ当初は初代編集長の鳥越俊太郎さんから相談を受けたそうだ。まさかその後自分が編集長になるとは...と苦笑いしていた。なぜ市民メディアはうまくいかないのか。次回のブロマガで、対談の模様を全文お届けする。


・5月22日(水)

Google公共政策部門の執行役員、藤井宏一郎さんと会食。Googleは東日本大震災の復興支援をしている。Google Appsの無償提供などをはじめ、ネットを使って企業の再建支援を進めているという。霞が関の官僚出身の藤井さんは情熱の人。制度がないならまずは実行して実績をつくってしまえば良い、とフットワークが軽い。ぜひ協業したい。支援を待つ人たちがたくさんいる。


・5月23日(木)

国際基督教大学(ICU)でジャーナリズムを教える村上むつ子さんからの依頼で、ICUの学生に講演をすることに。米メディアが取り組むインターネットとの協業や、オバマ政権が進めるオープンガバメントについてレクチャー。村上さんは昨年まで、米タイム誌系Asiaweekの東京特派員を務めていた。日本発の情報発信が圧倒的に少ないうえ、日本のメディア報道が横並びだと危機感を持って仕事を続けてきた、と話す。


夕方、TOKYO FMのピーター・バラカンさんの番組に出演するため六本木ミッドタウンへ。スタバの横にガラス張りのスタジオがある。震災・原発関連の報道について、ピーターさんと共に語った。Podcastで聴けるのでこちらのリンクからどうぞ。

[リンク] http://www.tfm.co.jp/podcasts/museum/

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夜は、岡山市議の森山幸治氏と会食。堀がNHK岡山放送局にいた頃からの盟友で、もとは飲食店経営者。日本をどうする?どんな社会をつくるんだ?とみんなでよく朝まで議論していた。市議当選後は「マチナカ議会」と銘打ったイベントをたびたび開催。政治への参加が少ない、若い世代を巻き込んで自分たちの力で社会を変えるには何ができるのか?などと話し合っている。9月に開かれるマチナカ議会には堀も参加予定だ。


[リンク] http://kojimoriyama.net


・5月24日(金)

秋田県で、IT関係の業界団体向けに講演。秋田県内企業の約8割がIT担当の専任職をおいていないことが、県のアンケート調査でわかったとのこと。情報発信のツールとしてのSNSの活用や、当事者発信の可能性についてレクチャーした。秋田は、7年前に事件取材で訪れて以来。ゆっくり堪能したかったけど、余裕がなかった。


・5月25日(土)

8bitNewsのスタッフと打ち合わせ後、夕方からは、ホリエモンこと堀江貴文さんのニコ生番組「ホリエモンのコズミック論だん」の司会をした。ゲストはサイバーエージェントの藤田晋社長をはじめ、キャンプファイヤーの家入一真さんにハイパーインターネッツの石田光平さん、個人がネット商店を無料で開けるようにしたBASE代表の鶴岡裕太さん、そしてかつて光通信キャピタルでライブドアや数多くのITベンチャーに投資してきた業界の生き字引、村上輝夫さんがゲストに。「スタジオ」は、ホリエモンが大学時代にオン・ザ・エッヂを創業したビル。サイバーエージェントを設立した当時の藤田氏もここでともに過ごしたとか。クリック広告のサービスで会社は躍進したものの、当時のYahoo! Japanからは相当のプレッシャーがあったとか。それにしても、ホリエモンは仕事に対して一直線にまじめ。打ち合わせも真剣だし、渡された台本にもしっかり目を通していた。最近、「気楽にいきましょうよ」という出演者を立て続けに見てきただけに、こちらも身が引き締まった。ホリエモンがかつてのオン・ザ・エッヂのオフィスを訪ねる様子は、動画でブロマガに掲載しました。

[リンク] http://live.nicovideo.jp/watch/lv133782933

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放送終了後は「裏コズミック論だん」と題して、ホリエモンゆかりの人々をゲストに招いての対談。ライブドア取締役でカリスマプログラマーの小飼弾さんや、大学生時代にライブドアブログをきっかけに有名になったはぁちゅうさんなどが集った。途中、みんなの党議員でタリーズコーヒージャパン創設者、松田公太氏も合流。政治家になろう!と握手を求められ「いや、出ませんよ」と言いながら手を弱々しく握ったら、隣で見ていた藤田さんが「松田さんも最初はこんな感じだったんだよ」と笑っていた。確認ですが、出ませんよ。笑

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以上、堀の1週間でした。


堀に取材を依頼したい、皆さんお困りの問題などあればぜひご連絡を。その他、取材、講演、セミナー講師依頼など受け付けています。

hori@8bitnews.jp までぜひ!




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┗■  02.【ルポタージュ】

     マスメディアが報じない本当の○○

     

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テレビでは言えない話、というタイトル通り「テレビでは扱い辛い」

という理由で、なかなか放送されない話題も沢山ある。

国家や大企業を敵にまわしがちなテーマについては、局側の判断で、

ニュアンスが弱められたり、企画そのものが採用されなかったりする場合もある。

このコーナーでは、そうしたマスメディアが報じない現場の実態をルポ。

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"8 

「堀潤×李洪千 “ネット選挙解禁 政治とメディアの癒着を暴く”」

 堀の携帯電話に先週末、インターネット番組の担当プロデューサーから着信があった。留守番電話にも録音が残っていたが、打ち合わせが続いて確認できていなかった。


 電話に出ると、「堀さん、悪いお話なのですが」と恐縮したうえで、こう切り出した。「お話ししていた番組出演の件なのですが、正直に申し上げると、政治家からストップがかかり、ご出演をキャンセルにさせて頂きたく。本当に申し訳ありません。僕の力が弱いばっかりにこんなことになってしまって」。参院選を前に新たに始まる政治番組で、芸能人の司会に解説者が隣につくという体裁のものだった。堀は準レギュラーのコメンテーターとして打診があり、打ち合わせも済ませ、プレス発表も控えていた。直前になってのキャンセルに、担当者も慌てていた。

 「どうしたんですか? 何があったのですか?」と尋ねると、「堀さんの原発取材の件などへの指摘がありまして…」と口ごもりながら理由を明かした。番組の運営会社側も想定外のプレッシャーだったようで、涙声で謝罪を繰り返した。「○○さんは悪くないですから、大丈夫ですよ。僕のTwitterもかつて国会議員からクレームがきたということで、局から閉鎖するよう話があったくらいですから、慣れています」と伝え、電話を切った。


 ネットPR選挙の解禁が決まり、ネット上では急激に政治家関連の番組などが増えている。政治家や政党が金を出して発信する機会が増えたからだ。IT企業のクライアントとしての政治家の存在が、改めて浮き彫りになった。


 今回は、メディア戦略の研究が専門でネット選挙の動向にも詳しい、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス専任講師の李洪千さんと対談。李先生は韓国記者協会所属ながら、当時癒着が指摘されていたメディアと政財界の結びつきを告発するなどした敏腕記者でもある。


ネットと選挙、我々がとるべき行動とは?


(プロフィール)

李 洪千 -Lee Hongchun-

慶應義塾大学総合政策学部専任講師

19684月生まれ 韓国・馬山市出身

2008年 慶應義塾大学政策メディア研究科博士課程修了(政策メディア博士) 


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ネット選挙が解禁になり起こった韓国の「落選運動」


(李)

韓国の場合、1997年から選挙のたびに有権者側が新しいテクノロジーを使って、それを政治家が規制することの繰り返しなんです。


(堀)

有権者の方が先に新しいことを仕掛けていくんですね。それは、具体的にどんなことがあったんですか?


(李)

先ほどもお話ししましたが、2000年の選挙の時は落選運動が起こりました。この頃はまだインターネットがそれほど発達していませんでしたが、ウェブ上に、落選させるべき議員のリストが公開されたんです。公開された以上、メディアはこれを取り上げなければいけませんから、全国に広まって、みんなが「え、誰なの?」と興味を持つようになりました。それで実際に、半分ぐらいの候補者が当選できませんでした。政治家から見れば、これはとても怖いことなんです。


(堀)

怖いですよね。一般の有権者から何をされるかわからないから、政治家のほうも相当脇を締めてやっていかなければならなくなりますよね。


(李)

それ以来、ウェブページに対して規制がかけられるようになりました。


(堀)

なるほど。そしたら次はどうなったんですか?


(李)

2002年の選挙の時は、インターネットを使って人をたくさん動員しました。


このころ韓国では、米軍が訓練中に装甲車で女子中学生を轢いて、二人が死んでしまう事故があり、それを発端に反米デモがおこりました。装甲車のキャタピラーの中に人が巻き込まれるというのは、想像しがたいほどの事故だったわけです。しかしその米兵は軍事裁判の結果無罪となり、アメリカに帰ってしまうんです。それが韓国の一般国民の感情を刺激することになり……。


(堀)

反米デモが一気に盛り上がったんですね。


(李)

しかし、既存の大手メディアはそれをあまり報道しないようにしたんです。


(堀)

大手メディアが報道しなかった! それはなぜですか?