語り処_2023.02.03
1. ひとことオピニオン
いまこそ「戦後の宿題」を片付けるとき
岸田首相は衆院本会議で恒例の施政方針演説を行いました。そのなかで最大の問題は岸田政権が唱える新たな国家安全保障戦略を裏付ける防衛力強化だと思います。しかし、台湾有事について、最前線となる南西諸島の防衛のために現在行われようとしているのは、米海兵隊を小規模戦闘部隊に再編して、与那国島や西表島など南西諸島の島々に分散配備するというものです。つまり、日本の防衛戦略なのに、何の疑問も持たずにアメリカの戦略構想に委ねているわけであり、米国へ丸投げしてしまおうということです。そこには国家防衛に対する日本国としての主権意識や基本的な理念が全く感じられません。実は、この「日本の主権を守る」ということは、敗戦直後から現在に至るまで日本が抱えてきた根本問題の一つです。換言すると、戦後保守が置き去りにしてきた最大の宿題が「日本の主権」であり、それが期せずして、深い考えもなく政策を羅列していく岸田政権により、丸見えになってきたということです。
戦後78年を迎えようとしている現在、終戦直後と同じように何もかも米国に依存し委ね、その代償と...