LINEの勢いが止まらない今、企業もLINE公式アカウントの導入や、O2O向けのLINE商用サービス「LINE@」ビジネスアカウントの活用に注目しています。
LINE@がリリースされた2012年12月4日から、いち早くLINE@を導入したのは、10代~20代の女性向けファッションブランド「LIP SERVICE(リップサービス)」さんです。
アカウント開設後わずか3ヵ月で友だち数の上限である1万人に達成、現時点で3万人を突破するという勢いです。
LIP SERVICEさんのソーシャルメディア・LINE@の活用は一体どういったものなのか、今回はLIP SERVICEさんのLINE@成功事例から、その施策と運用ノウハウの参考となるお話をインタビューという形で伺ってきました。
LINEのサービスの導入を検討している企業の方は必見です!
目次
【前編】今回はコチラの記事
1.ファッションブランドにおけるSNS施策の背景とは?
2.SNS施策を飛び道具としてオウンドメディアにファンを集約する
3.LINE@ 驚きのO2O効果!1週間で売上150%増
【後編】(次回に続きます)
4.LINE@活用成功事例-運用方法と実態を公開
5.経験で得た学びを活かし運用のノウハウ化を目指す
お話を伺った方
株式会社クレッジ
マーケティング・EC事業部
部長 川添隆さん
WEBプロモーション担当 荒井愛さん
(ATOMICBOXXディレクター 鹿内明日香さん)
1.ファッションブランドにおけるSNS施策の背景とは?
ガイアックス :
それではまず、アパレルブランド「LIP SERVICE」において、ソーシャルメディア運用の導入を始めた背景と目的を教えていただけますか?
株式会社クレッジ(以下、クレッジ) 川添さん :
もともと、自社のECサイト運営と、店舗会員・EC会員へのメルマガ配信の運用を継続してきており、基本的なWEBプロモーションの中心はECサイトとメルマガに置いています。
自社ECサイトの目指すところに「店舗とECサイトの購入体験、つまりUX(ユーザーエクスペリエンス)を同じにする」という目標があります。
ECサイトでも店舗と同じ商品が同じタイミングで買える、同じキャンペーン・特典・サービスが受けられる、同じ情報が取れるといったような、ユーザー視点でECサイトを店舗と同じ購入環境にしたいと考え、2012年8月31日に自社ECサイトをインハウス化しました。
ソーシャルメディアの中では特にブログに注力していますが、最近ではユーザーが情報を取りに行く場所が変わってきています。
ユーザーに確実に情報を届けたいと思い、ターゲットが集まるFacebookとTwitterをプロモーションチャネルとして導入しました。
ガイアックス :
そこにいち早くLINE@を導入したことになりますが、その背景・理由はどういったものでしたか?
クレッジ 川添さん :
販売とWEBプロモーションの基盤になっているECサイトの会員と全国の店舗でご登録いただく会員へのメルマガ配信ですが、さらなる会員数増加と情報到達の精度には限界を感じていました。
見込み顧客リストを増やしたい目標があるなか、会員数の純増は継続しづらく、有効な会員数を現状維持させるのに多くのリソースを割いている背景がありました。
メルマガは、会員のメアド変更や機種変更によるメール不通のリスクが高いことや、メルマガのクリック率が年々低下しており、届けたい情報がユーザーに届きにくくなっているという課題が明確になっていました。
ターゲットはLINEを利用している
もともとスタッフ同士が業務連絡などにLINEを使っており、お客様とのコミュニケーションにも利用していました。
それから、まさにターゲット層である10代~20代のユーザーがLINEに集まるなか、弊社も公式アカウントの導入を検討しましたが、費用が高いハードルでした。
ですが、その後LINE@がリリースされ、これなら弊社の規模でも低コストの運用が可能だと思い、すぐにLINE@の導入を決めました。
2.SNS施策を飛び道具としてオウンドメディアにファンを集約する
ガイアックス :
取り組みの目標は店舗とECサイトのユーザーエクスペリエンスを同じにするということですが、その中でECサイトと各SNS・LINE@を利用した施策、それぞれの役割を教えてください。
クレッジ 川添さん :
ファンを集める・囲い込む
店舗とECのプロモーションツールとして優先しているのは、メルマガとブログです。LINE@を導入し成果が出てからは、SNSの中では (1)ブログ (2)LINE@ (3)Facebook (4)Twitter の優先順位で運用に取り組んでいます。
オウンドメディアである自社ECサイトにファンを集めつつ、ブランドと店舗をLINE@・SNSで包括的にサポートするという役割ですね。
自社ECサイトの「ATOMICBOXX(アトミックボックス)」では、会員の約60%が「サイトを毎日みる」というアンケート結果を得られており、大きな役割を果たしています。
1万人以上の友だちが集まった流入元は?
弊社の場合は、店舗とECを併用されているお客様やブランドのファンをECサイトで囲い込めていたので、LINE@の友だち登録への誘導がしやすかったというのもあります。
LINE@への流入元は概ね ECサイト50%、メルマガ・ソーシャルメディア30%、店頭20%という割合のイメージです。
LINEの特性はプッシュ通知機能
特にプッシュ通知機能は、気軽かつダイレクトに情報を促すので、ユーザーへの効果的なアプローチが可能です。
先ほどもお伝えした通り、メルマガはメールアドレス変更や機種変更によるメール不通やクリック率の低下により、こちらが届けたい内容が届かなくなってきているので、プッシュ通知機能は非常に有効だと考えています。
そのため、LINE@の役割は、どのツールよりも確実の情報を届けることです。
LINE@はSNSとメルマガの間
LINE@は、「SNSとメルマガの間」という位置付けとして捉えています。
配信スタイルはメルマガに近く、文面はSNSのように気軽にファンにアプローチできると捉えているので、運営側としてもやりやすさがありました。
そういったLINE@の持つ特性が人に受け入れられて、今後の施策上ではLINE@のプライオリティが高くなるであろうと思っています。
人が集まって初めて「限定企画」が出来るので、まずは母数を増やすことが必須だと思います。そして「LINE@限定」の企画を実施するなど、ユーザーのファン化を促進するという施策にも取り組んでいます。
3.LINE驚きのO2O効果!1週間で売上150%増
ガイアックス :
各メディアの運用において、効果測定はどういった指標を追っていますか?また、数値としてどういった効果を得られていますか?
クレッジ 川添さん :
最終的な成果の指標は「売上」です。効果測定の観点では、直接・間接の誘導に問わず、ECサイトで売上測定を行い、さらに全リンクのクリック数の計測を確実に行っています。
もともと築いてきたアクティブなメルマガ会員の存在と運用ノウハウが強みになっていて、メルマガの配信に対するクリック率はユニークで約20~30%。O2O効果も確認できている主要な施策です。
そのメルマガを指標の基準にして、LINE@や他施策の効果を比較するという見方をしています。
各SNSの効果測定については、友だち数やリーチ数、各投稿の反応(いいね数など)、EC売上などの数値を見ています。ユーザーとのコミュニケーションなどで定性的に効果を評価しつつ、各SNS経由のECサイトの売上でそれぞれの効果を判断しています。
導入後1週間で150%売上増!
LINE@は、友だち数の上限が1万ということで、まずはここを目標にしました。
LINE@アカウント開設後2012年12月下旬の先行セール告知キャンペーンの効果があり、対前週比150%、数千万円の売上UPを達成しました。わずか1,2週間で売上効果を得られたということには驚きましたね。
その後、計測したLINE@のPRページ(ランディングページ)のクリック率は50%、クーポンの開封率は25~50%と、非常に高い数値を確認しています。
4人に1人がLINE@で情報を得ている
それから、2013年3月末に自社ECサイト会員を対象にアンケート調査をしたのですが、その結果によると4人に1人が「入荷・キャンペーン情報をLINE@で収集している」という回答が得られました。
店舗でもLINE@を見て来店したという反応が日に日に増えていますね。
以上、『【必見!LINE@活用術】LINE@で売上150%増!LIP SERVICEから学ぶSNS活用施策|オウンドメディアのブレない運用が成功の鍵!』でした。
今回は前編として LIP SERVICEさんの事例から、LINE@・ソーシャルメディア運用の施策とその効果についてご紹介しました。次回は後編、運用の実態とエンゲージメント獲得の参考になる運用方法をご紹介します!
※元記事 :http://gaiax-socialmedialab.jp/line/221
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