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「ニューロマーケティング」とは?~今さら人に聞けないマーケティング用語集
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「ニューロマーケティング」とは?~今さら人に聞けないマーケティング用語集

2013-01-24 11:02

    「ニューロマーケティング」とは? 日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

     

    ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」 している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

    ニューロマーケティング
    プロフィール

     

    用語説明:【ニューロマーケティング(Neuro Marketing)】

     

    アンケートやインタビュー等従来からのリサーチ手法では捉えきれない人の無意識から生じる行動原理を、脳の活動から明らかにし、商品開発や広告宣伝などのマーケティング活動に役立てようというアプローチのこと。神経マーケティング、心脳マーケティングとも呼ばれる。

     

    脳科学の計測技術の進化に伴い注目され始めた手法で、アメリカを中心とした海外や日本国内でも研究や調査が行われており、また企業によるマーケティング活動への利用も徐々に進められている。

     

    解説

     

    「無意識」が消費行動のカギを握る

     

    従来より、商品開発や広告制作などマーケティング活動においては、消費者へのアンケート調査やインタビュー等の手法を用いて、消費者の意思決定プロセスを解き明かす試みが行われてきました。

     

    しかしながら、この手法ではあくまでも消費者が自ら意識し言葉で表現できる情報でしか捉える事ができず、消費者の感情の動きや心理など、無意識化の意思決定プロセスについて捉える事はできません。そのため、アンケート調査では良い結果が出た一方で、いざ世に出してみたら全く売れなかった、というケースが往々にして存在していると言います。

     

    また、脳科学を用いた実証実験を行ったところ、アンケート調査では分からなかった意外な事実(例えばバニラの香りが「子供のころの母親に守られていた心地よさ」を無意識的に思い出させ好感度を上げる等)が分かることもあるとされています。

     

    ニール・マーティン著『習慣で買うの作り方』の中では、このような「無意識化で行われる意思決定プロセス」について、次のように語られています。

     

    「一般的に、たいていの企業は『消費者は自分の意思で選択をする』前提でマーケティングや、新商品開発を行っている。つまり、『他社にはない優れた機能を作れば、賢い消費者は、違いを判断して選んでくれるようになる』と言った考え方をしているが、実際のところは、消費者の行動の大半は自分でもなぜこれを買っているのかわからない、というのが本音。消費者は、ただ『自分の意思で買った』と思い込んでいるだけなのである。買った理由を聞けばもっともらしい理由を作り上げるが、本当のところは、ほとんどの判断は無意識下で行われているのである。」

     

    つまり、マーケティング活動においては、アンケート調査やインタビューで得られる表面的な回答だけではなく、その裏にある深層心理を探り、真の意味でのコンシューマーインサイトにアプローチすることが重要と言えます。

     

    脳科学はその「無意識」にアプローチする手法として注目を浴びていますが、その一方で「マインドコントロール」「洗脳」や「自由意思への浸食」などの倫理的な問題への懸念があること、また、脳に関してはまだまだ未解明な部分が多く安易に結論付けることはできない等の課題が存在しています。

     

     

    ソーシャルメディアに寄せられる期待

     

    ニール・マーティン氏は、同著の中で「無意識にアプローチするには消費者の『習慣』になることが重要であり、その最たる例は『ブランド』である」としています。つまり、消費者にとって信頼足りうる「ブランド」となれれば、いちいち判断されることなく「習慣」でリピート購入してもらえるようになるだろうと言うのです。また、消費者に好かれ、「習慣」になるための広告手法として、「繰り返し、シンプル、意味のあるメッセージ」をポイントに挙げています。

     

    企業は、ソーシャルメディアを通じて消費者に直接、そして繰り返しメッセージを語りかけることができるようになりました。また、ソーシャルメディアにおける消費者同士の会話の中でも、様々な商品やサービスに関する話題が「自然に」行われており、無意識的に今までとは異なるブランドに触れる機会が増えていると言えます。そして、これら日々の積み重ねが「ブランディング」につながり、消費者による純粋想起率を高め、消費者の「習慣」となりうるのではと期待が高まっています。

     

    様々な広告メッセージが溢れかえり、スマートフォンやタブレットなどデバイスの多様化から消費行動も大きく変わろうとしている中、選ばれ続ける商品であるために、企業のマーケティングは様々な手法で「真のコンシューマーインサイト」に迫っていく姿勢が求められていると言えるでしょう。

     

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    イラスト:速瀬 みさき

    1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
    デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
    広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!

    公式サイト : http://www.nanacom.com/

    Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi

    用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ

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    ■参考書籍
    『「習慣で買う」の作り方』 / ニール・マーティン著

     

    ■元記事
    http://smmlab.aainc.co.jp/?p=16871


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    RSSブログ情報:http://media.looops.net/smmlab/2013/01/24/whatis_neuromarketing/
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