オンナのウラガワ ~名器大作戦~

 第52回 「殺人者」たちから聞いたウラガワ【1】​

 

 

◆もくじ◆

・「殺人者」たちから聞いたウラガワ【1】

・最近の志麻子さん

 出演情報など

 12/9 50歳バースディイベント「バー志麻子」開店

 12/11「新井英樹×溜池ゴロートークライブ」に出演予定

 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中

 怪談えほん『おんなのしろいあし』発売中

 山口百恵「赤いシリーズ」DVDマガジン(解説担当)発売中

・著者プロフィール

 

 

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仕事の取材などで、殺人の罪で服役していた人とこれまで二人会ったことがあるという岩井さん。

だが、彼らのほかにも、逮捕すらされていない「あいまいな殺人者」に複数出会っているという。

今月はそんな闇世界の「ウラガワ」の話です。

 

※編集部の都合により配信が6日になりましたことをお詫び申し上げます。​

 

バックナンバーはこちらから↓

http://chokumaga.com/magazine/backnumber/?mid=111
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2013年7月「名器手術のウラガワ

8月「エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ

9月「エロとホラーと風俗嬢のウラガワ

10月「風俗店のパーティーで聞いたウラガワ

11月「エロ話のつもりが怖い話なウラガワ」 

12月「風俗店の決起集会のウラガワ

2014年1月「ベトナムはホーチミンでのウラガワ

2月「ベトナムの愛人のウラガワ

3月「永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~

4月「浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ

5月「韓国の絶倫男とのウラガワ

6月「ソウルの新愛人のウラガワ

7月「風俗嬢の順位競争のウラガワ

8月「夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ

9月「「大人の夏休みの日記」なウラガワ

10月「その道のプロな男たちのウラガワ

11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ

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 これまでの人生で、殺人者には二人会ったことがある。どちらも対談と取材という仕事の場でのことであり、そのときの話はすでにあちこちに書いている。

 

 男の方はその罪で服役もしているのに、頑として自分はやっていないといい張っていた。熱烈な支持者や身内を除けば、世間様はそんなの信じなかった。

 女の方はもちろん服役も済ませたうえで、殺害した状況なども詳しく語ってくれた。

 

 つまり、妙ないい方だが二人はお墨付きの殺人者というか、間違いなく人殺しである。

 

 しかし振り返ってみれば私は、あいまいな殺人者とでもいうべき人達にもかなり会っている。殺人の罪で服役はしていないどころか、逮捕すらされていない人達。

 

 限りなく怪しいけれど証拠もないし、事故死や自殺としてすでに処理済みだったりするのだ。今月は、そんな境界線上の殺人者達について語りたい。

 

 みなさん実在の人物で、実際にあった話で、しかも彼らは一応「やってない」ことになっているので、名前も人物像もその背景なども、すべて話の内容を損ねない程度に少しずつ変えてあるのを前提とさせてもらう。

 

 ──飲みすぎて記憶が飛ぶときはあるが、寝すぎて日付が飛ぶ、という経験はない。

 周りにはわりと、悪い奴に睡眠薬を盛られたのではなく、ただもう疲れ果てていたので「金曜の夜に寝て目覚めたら日曜の朝だった」みたいな経験をした人がいる。

 

「その空白の一日って、昏々と安全な布団の中で眠り続けていたわけだけど。死んでいたのと同じでもあるよね。殺されていてもそのまんまというか」

 と、経験者の一人はいった。そんなに深く長く眠っていたら、確かに違う世界に半ば魂が行ってしまっていてもおかしくないだろう。

 

 学生時代に、いわゆるバックパッカーとして東南アジアを一カ月以上かけて回ったというKくんは、トータルすると一カ月くらいまったくの空白の日々があるという。

 

「もう時効だと思うのでいいますが、非合法の薬物もやってました。それで意識がぶっ飛んでたときも、ヤバいブツに当たって意識を失ってたときもありました。だからあれらは不思議な経験をしてたのか、単に薬でラリラリしてたのかわかんないんですよ」