オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第54回 「殺人者」たちから聞いたウラガワ【3】
◆もくじ◆
・「殺人者」たちから聞いたウラガワ【3】
・最近の志麻子さん
出演・雑誌掲載情報など
1/18「オメ★コボシ29」開催
映画『チャイ・コイ』韓国でも公開
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
怪談えほん『おんなのしろいあし』発売中
・著者プロフィール
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今月は、岩井さんが「殺人者」や周りの人に取材して集めた話から。
殺人の罪で服役した人とも会ったことがあるけれど、それ以外にも「微妙な殺人者」とでもいうべき人に取材しているという岩井さん。
行方不明の叔父が居るというSさんが語ったのは……
ナナさんの地元のフランス屋敷と呼ばれる心霊スポットは……
中東を一カ月ほど旅したS氏は帰国後……
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2013年7月「名器手術のウラガワ」
9月「エロとホラーと風俗嬢のウラガワ」
10月「風俗店のパーティーで聞いたウラガワ」
11月「エロ話のつもりが怖い話なウラガワ」
12月「風俗店の決起集会のウラガワ」
2014年1月「ベトナムはホーチミンでのウラガワ」
2月「ベトナムの愛人のウラガワ」
3月「永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~」
5月「韓国の絶倫男とのウラガワ」
6月「ソウルの新愛人のウラガワ」
7月「風俗嬢の順位競争のウラガワ」
8月「夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ」
9月「「大人の夏休みの日記」なウラガワ」
10月「その道のプロな男たちのウラガワ」
11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ」
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殺人の罪で服役した人とは、これまで二度会っている。しかし振り返ってみれば、微妙な殺人者とでもいうべき人とは、けっこう会っているのではないかと気づいた。
というのも、ホラー小説を書いているし、仕事を超えてそういう話に興味津々だし、何よりこういう性質と性癖?が幸いしてか災いしてか、そちらの人達がすり寄ってくるのね。もしかしたら、私がおびき寄せているのかもしれないが。
──僕には行方不明の叔父さんがいます。と、私と同世代のSくんはいった。
「叔父さんが三歳くらいの頃、お兄ちゃんとお父さんと町の商店街に行ったんです。つまりお兄ちゃんってのは僕の父で、お父さんってのが僕からは祖父になります。
買い物を終えて帰る途中、土手の上にさしかかった。そこで急にお父さんが、
『買い忘れたものがある。すぐ戻って来るから、ここで待ってろ』
といって商店街の方に戻っていった。叔父さんとお兄ちゃんはぼんやり、土手の上にたたずんでいた。
そうしてお兄ちゃんが、川に浮かぶ船かなんかに気を取られて弟から目を離した、ほんの少しの間に……いなくなってたんです。
すぐに戻ってきたお父さんもあわてて、必死に探した。土手から落ちてもいないし、土手のすぐ下に川はない。土手の下は広場になっていて、その向こうに川があった。お兄ちゃんも、川を見ていたけど叔父さんが走っていく姿は見ていない。
土手の上はとても見晴らしがよくて、ほんの数分の間に三歳の子が走っていって視界から消えてしまうとは思えない。
警察、消防、町の有志、いろんな人が探し回ったけど、叔父さんは何日たっても見つからない。誘拐したとの脅迫なんかも、来ない。
叔父さんの家はごく普通の家で、金持ちでもないし誰かに恨みも買ってない。まさに神隠しとしかいえないものだったそうです。