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身内切りはどの程度有効な戦略なのか?
始めに伝えておきます。
今回のブログでは身内切りに対して否定的な記述が多く感じるかもしれませんが、身内切りという戦略を真っ向から否定する意志はありません。
身内切りという「狼でありながら狼を吊りにいく戦略」が存在しますが、この身内切りという戦略がどの程度有効か考えたことがある人はいるでしょうか?
身内切りをする人は
・狼を吊りにいったという功績を得て良い立ち位置を確保したい
・狼同士でラインを切って最低でもどっちかは生き残りたい
などが狙いだと思います。
もちろん良いポジションを確保することは大事です。
でも村人を処刑しなければ勝てないゲームで仲間を失うことがどれだけ大きな損失か理解しないまま身内切りをしてしまっている人は多いのではないでしょうか?
人狼に誘導しているので、悪いことはしていないという安心感を持ったまま終盤で村人に推理を間違ってもらいたいという逃げの発想でやってしまっている人が多いと思います。
もちろん序盤に得た貯金で吊り余裕2を逃げ切れてしまう村もあるとは思います。
ですが、身内切りをして狼が吊れるということはそれによって白くなる村人もいるということです。
身内切りをして貯金を得たのに終盤で吊られてしまったという経験は多いと思います。
忘れてはいけないのは
狼は遅かれ早かれ、勝つために村人を処刑する必要があるということです。
そして、そのために無実の村人に対して悪意の黒塗りをする必要があるということ。
悪意という単語を使うと怖がってしまうかもしれませんが、村人のミス待ちで勝つのが意外と難しく、人狼はどこかで自身の手を汚さないと勝てないという認識が大事です。
ここからは精神論と経験値の話になります。
長期的な観点から身内切りには厄介な点があると思っています。
それは
身内切りをしたことでひとまず白要素が手に入るので4~5日目くらいまで吊られにくいこと。
そして身内切りをして終盤まで残された狼は自分が上手く立ち回ったと勘違いしかねないことです。
初日に処刑されることは情けないことでしょうか?
もちろん何もせず「判断不能」「浮き位置」などで処刑されてしまうのは情けないでしょう。
でも村人を処刑しようと仕掛けて返り討ちにあった人狼は、実力不足こそあれ決して情けなくはないと思います。
3タテで負けるのは恥ずかしいことでしょうか?
いずれ必ず自分に票を貸してくれる狼仲間を切り捨てて終盤までの安心と安全を買うよりも、危険を冒してでもいつ裏切るかわからない村人を処刑しておくことのほうが大事だと思いませんか?
初日は村人の数が最も多いですが、同時に各個人の推理や投票先が定まっていないことが多いです。
最も村人の票で村人を処刑しやすいタイミングで狼仲間を吊りにいくのはもったいないと思いませんか?
身内切りの是非からは少し話が逸れますが、最後に僕が座右の銘にしている言葉があるので載せておきます。死なないことを意識して議論を握れないぐらいなら死んでも良いから議論を握る(抜粋:人狼本質論)
これを意識するだけで人狼の時の立ち回りは力強くなるし、その立ち回りを続けていればたとえ短命でも1村あたりの経験値も大きいものになります。
議論を握る力を手に入れれば村人を処刑し続けられるので、身内切りに逃げる必要もなくなります。メンタルで 負けるべからず 人狼よ -
人はいつ死ぬと思う?
村人に疑われた時……違う占い師から黒を出された時……違う確定役職に指定された時……違う○○○○を○○した時さ
今回は人狼ゲームにおいて最も大事なことを書きます。
人はいつ死ぬのか?
まぁ襲撃されたら当然死ぬわけなんですが、ここで言いたいのは「議論の中での死」のほうですね。
人狼をしているとちょいちょい遭遇すると思います。
やたら人外を当ててくる人。
いやぁ、怖いですねぇ。
「強い人に狼だとバレてしまった!吊られる!」
そう感じることもあると思います。
そこで怖気づいたら負けです。
この時点では貴方はまだ死んでいません。
疑いの目が向いただけです。
最近よく聞く言葉で表現するのならHPが削られた程度でしょう。
この時点ではまだまだ切り返す方法はあります。
いくつか例を挙げると…
①ヘイト返しーA
A「Bが怪しい!」
B「俺の黒要素を言語化できる?」
A「いや、上手く言語化はできないんだよね」
B「そうだよね?Aは俺を吊りたい狼で間違いないよ!」
②ヘイト返しーB
A「Bが怪しい!」
B「俺の黒要素を言語化できる?」
A「さっきの○○って発言は村人からは出ないでしょ」
B「いや、言葉の綾でしょ。たしかに俺に強い白要素はないかもしれないけど黒要素だってないはずだ。それを悪意ある解釈しかしないならAは俺を吊りたい狼で間違いないよ!」
③説得
A「Bが怪しい!」
B「疑われてるみたいだけど俺はAのことを疑ってないんだよね」
A「え?そうなの?」
B「客観的に見て自分が村っぽい行動をしていなかったのは事実だからむしろ自分を疑ってくるほうが村っぽい視点だと思う。だからここは一旦手を組んでCを吊らないか?俺を信じろ!」
D「Bが狼ならAを吊りにいくはずだからBは村だと思うよ~(棒)」 ←仲間狼
④危機回避
A「Bが怪しい!」
B「狩人!狩人!!」
ざっと例を挙げてみましたが、こういうのは経験と共に修得していくものだし、言い回しのバリエーションは人の数だけあるんで別に覚えなくて大丈夫です。
ただ…
疑われてすぐに死を覚悟して吊りを呑んだり、諦めたりすることは良いことではありません。
諦めたら試合終了です。
その人の誘導に村の多数が納得し、自分に最多得票が集まった瞬間が死ぬ時です。
多少疑われた程度ではまだ死んでいません。
仮に3票もらったとしても人外票を全て1ヵ所にぶちこめば、4票で村人が吊れるんです。
暴論だろうと非論理的だろうと吊られないことが正義です。
ちなみにこれは村人陣営にも適用されることです。
例えば…
村人Aの誘導で村人Bが処刑されました。
ゲーム終了後、村人Aに対して
「推理間違ってんじゃん」
みたいな追及がされることが多いと思います。(特に村が負けた場合)
当然議論内容や展開にも依りますが、村人Bに対して
「大事な場面で村人を説得できなくて吊られてんじゃん」
という追及をする人はあまりいないと思います。
これはおそらく人間の心理的に
「誘導という行為自体に対して若干のマイナス印象があり、やるなら正しい推理の元やるべき」
という感情があるからだと思います。
これは特に人狼ゲームに不慣れな人に多い感情だと思います。
実際は逆です。
推理は水物、間違って当然。
「これは流石に外しちゃいかんだろwww」という物も当然たまにはあります。
周囲を説得できずに処刑された側にも十分責任はあるんです。
(票数の問題はありますが基本的には)民意で村人ではないと思われたから処刑されているわけですから。
人狼は1人でも生き残れば勝利なので自分が吊られないことが最も大事です。
村人は人狼を吊り切らなければならないため一定以上の推理力は求められますが、人狼陣営同様に自分が吊られないことも大事なんです。
何にせよゴネることが大事。
ここまでが心構えの解説という前置きで、これからが本題です。
人はいつ死ぬのか?
それは最多得票を獲得した時です。
そんなの誰だってわかっているでしょ。
当たり前のことをドヤ顔で語ってんじゃねーよ。
と思う人もいるかもしれません。
ですが、これを意識してゲームに臨んでいる人はどれだけいるでしょうか?
最多得票者にならなければ吊られない。
つまり、自分より1票でも多い人を作れば生き残れる。
例えば9人時に
人狼A 2票
人狼B 2票
人狼C 2票
村人A 3票
このように票が分かれたとします。
村人陣営が全員人狼に投票している!すごい!
でも処刑されたのは村人!!!
人狼陣営としてこんなに愉快なことはないでしょう。
組織票は強いのです。
(村人が3w全てを捕捉していない限り「人狼A~Cが組織票を行った」という事実すらバレません)
村人陣営は人数が多いですが組織ではありません。
人狼で強くなるためには
①1ヵ所に票を集める意識
どの村人に票が集まりそうかを察する洞察力
②村人の票を回収する話力
村人に投票する理由をでっちあげる技術
主にこの2点を意識すると良いと思います。
①1ヵ所に票を集める意識
誰が誰を疑っているかを察しましょう。
対面人狼ならば表情も立派な武器でしょう。
AがBを疑っていると発言した瞬間にCが嬉しそうな表情をしました。
Bに2票入りそうなのはわかりますよね。
その後DがAを疑う発言をしました。
Cはまだ何も発言していないけれど、A&C vs B&Dの構図になりそうなのはわかると思います。 (敵の敵は“当面は”味方と判断する人がほとんどです)
こういう情報を非言語情報からでもいいですし議論内容からでもいいので把握できると強いですね。
②村人の票を回収する話力
話術とパッションでみんなの票を回収してやるぜ!
というのも結構ですが、議論にはコスパ・燃費というものがあります。
処刑に追い込む村人を絞る以上、騙す村人を選ぶ必要があります。
これは①の内容に通ずるものですが
”誰がどの程度誰を疑っているか”
の判断が重要です。
例えば
A.人狼を疑っていて意見が変わらなそうな人
B.人狼を疑っているけど強い自信を持っていない人
C.村人を疑っていて意見が変わらなそうな人
D.村人を疑っているけど強い自信を持っていない人
E.主体性がない人
がいた場合
Aを懐柔するよりBを懐柔するほうが容易く
Bを懐柔するよりCに便乗するほうが容易い
というのがわかると思います。
浮遊票の獲得を意識しましょう。
ここまでわかれば後は
絶対に吊りたい村人、絶対に吊りたくない村人、困ったら差し出す村人
を組み分けして、吊る順番というパズルを組み立てるだけです。
メンタル面の話と技術面の話を1つの記事にまとめた上に例えが多くてかなり長くなってしまいましたが、今回の内容は全記事の中でもトップクラスで大事な話なので仕方なし。
でも面白いと思いませんか?
狼が捕捉されているのに村人を処刑できたら。 -
最終日進行
甲子園に魔物がいるように村にも魔物はいるんだよ
人狼をしていると、よく
「最終日を目指そう」
という言葉を聞くと思います。
この言葉は果たして正しいのでしょうか?
※今回の記事における最終日とは生存者が3人もしくは4人の日のことを示します。
盤面的な実質最終日のことを含みません。
正しいとも間違っているとも一概には言えません。
ただ世間に広まっているほど最終日進行は安定進行ではないことを今回の記事では伝えたいと思います。
【最終日進行の長所】
①襲撃による情報が増える
②狩人などの真証明可能役職が生きている場合、詰みにできる可能性がある
③バランスを取る慎重な進行なため賢そうな印象を与えられる
④ゲームを長引かせたことによって負けても感想戦が荒れにくい
⑤1ゲームごとにお金のかかる商業人狼やゲスト会の場合、長くゲームができるのでオトク
【最終日進行の短所】
①最終日に残される村人は狼が選んだ村人
②白位置の狼、潜伏狂人、身内切り狼などの紛れに弱い
③バランスよく処刑した最終日には推理の軸がない
ざっと箇条書きにしてみたらこんな感じでしょうか?
1つずつ解説していきます。
長所①「襲撃による情報が増える」
ゲームを長引かせることで狼は噛みたくない位置を噛まなければならない可能性が出てきます。
そういう展開の場合、“とりあえず長引かせる”進行が功を奏することがあります。
…が、大抵の場合は噛み位置というものが存在し、狼も村の目が覚めるような襲撃先は選んでこないので期待しないようにしましょう。
長所②「狩人などの真証明可能役職が生きている場合、詰みにできる可能性がある」
これは最終日進行の明確なメリットになりますね。
例えば18Aなどで猫又と狩人(狩人の真偽は問わない)が生存しているとします。
占いA 占いB 占いAの黒(狩人CO) 占いBの黒 猫又 共有 共有
こういう残り方をしていた場合、占いロラをして共有鉄板護衛にしておけば死体なしの有無で占いの真偽が確定するので詰みになります。
猫又なしの配役でも狩人が2人出ていて真狼で決め打てる場合、片方に対抗を守らせて護衛勝負などの進行が取れます。
そういう展開の場合、“とりあえず長引かせる”進行が功を奏することがあります。
長所③「バランスを取る慎重な進行なため賢そうな印象を与えられる」
人狼ゲームは詰み進行ではない限り最終的に大なり小なり決め打ちという印象が関与するという話を前回したと思います。
そんな中で決め打ちを保留する人がいたら印象に左右されないクールな人という印象を受けるかもしれません。
優柔不断なだけです。
長所④「ゲームを長引かせたことによって負けても感想戦が荒れにくい」
「ギリギリまで決め打ちを保留する、村も人外もみんなが納得する進行、みんなで一等賞」
デメリットが存在しなければそれはきっと素敵な世界。
長所⑤「1ゲームごとにお金のかかる商業人狼やゲスト会の場合、長くゲームができるのでオトク」
1ゲーム500円としましょう。
決め打ちまくって人外3タテ、20分でゲーム終了!
この場合、1500円/hの出費となります。
決め打ちを保留しまくって最終日まで縺れ込んで50分でゲーム終了!
この場合、600円/hの出費となります。
こうやって並べてみると最終日進行の尊さはあるのかもしれません。
次は短所のターンです。
短所①「最終日に残される村人は狼が選んだ村人」
どれだけ村人が強くても、最終日に残されるのは狼視点で間違えてくれそうな村人です。
先立った村人がどれだけ強くても関係ありません。
最終日は判定役1人間違えさせれば人狼勝利です。
最終日に向かうにつれて村人個々人は情報を手に入れて少しずつ強くなります。
でも村陣営の総合力という意味では最終日が最弱です。
それでも最終日は村が有利と言えるでしょうか?
短所②「白位置の狼、潜伏狂人、身内切り狼などの紛れに弱い」
バランスよく狼位置を処刑していった結果、白位置に潜伏狂人がいてPPされた。
バランスよくSG位置をローラーしていたら、白位置にいた狼に逃げ切られた。
こういう経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
もしこのような負け方をした場合、村陣営の反省点はどこにあるでしょう?
それは「白位置の狼を見抜けなかったこと」ではなく「中盤までに吊り縄を節約する努力をしなかったこと」です。
推理は水物で、狼を見抜けるかどうかは村側の総合力や狼側の技量に左右されるので反省点としては適切ではありません。
序盤雑に行った処刑で終盤手数が足りなくなり負けてしまうことは実際多いのです。
逆に言えば狼の時は序盤気合で村人を処刑しましょう。
身内を切って白くなるのではない。
黒くなっていいから村人を吊る。
吊られた村人に「狼だと思ったわー」と言わせたら勝ちです。
短所③「バランスよく処刑した最終日には推理の軸がない」
生存者7人(村人5、狼2残り)
A:確定白
B:確定白
C:Dを庇い、EFロラ希望
D:Cを庇い、EFロラ希望
E:Fを庇い、CDロラ希望
F:Eを庇い、CDロラ希望
G:誰も庇わず誰にも庇われていない、謎浮き位置
残り3吊り、貴方ならどういう処刑方針を取る?
以前、Twitterで取ったアンケートです。
結果は
CDorEFのロラ(ライン決め打ち) 19.6%CDとEFから1人ずつ処刑 41.4%G処刑 38.9%
これに関する回答はCDorEFのロラ(ライン決め打ち) 19.6% →正解CDとEFから1人ずつ処刑 41.4% →不正解G処刑 38.9% →及第点
です。
C&DvsE&Fの対立軸なわけですが、
①CDorEFのロラ(ライン決め打ち)
最終日は村っぽいE、村っぽいF、何もないGになります。
G頑張れ。
②CDとEFから1人ずつ処刑
最終日は何もないD、何もないF、何もないGになります。
平等に弱いです。
③G処刑
何も積み上げてこなかったGの処刑。
どうせ片側を吊り切って最終日が来たらGが処刑されるんだしGを処刑してから決め打ち。
CDが村狼、EFも村狼で繋がっていた場合にほぼ村の負けがほぼ確定してしまいます。
まぁその場合は①の吊り順でも村の負けが濃厚なのでこの回答は間違いではありません。
ですが、この吊り順のほうがケアできる内訳が多いのも事実です。
この吊り順で負けてしまったとしても村が間違えたのは吊り先であって吊り方針ではないのです。
「何で最終日を目指さなかった!」は反省点ではありません。
と、今回も長々と書き連ねてみました。
改めて言いますが最終日進行を絶対的に否定するつもりはありません。
村と狼の実力が拮抗している場合は最終日進行が安定進行になることもあります。
でも勝てる時に「念のため」を挟んで負けてしまうことは多々あります。
そういう時は決め打ちに踏み込んでいいんです。
それは決して雑な進行ではありません。
9割真の霊能者をローラーしてしまったせいで最終日グレー同士の五分五分の戦いになるなら、霊能者を真で決め打ってグレーをローラーしたほうが良いでしょ?
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