甲子園に魔物がいるように村にも魔物はいるんだよ

人狼をしていると、よく
「最終日を目指そう」
という言葉を聞くと思います。
この言葉は果たして正しいのでしょうか?
※今回の記事における最終日とは生存者が3人もしくは4人の日のことを示します。
 盤面的な実質最終日のことを含みません。


正しいとも間違っているとも一概には言えません。
ただ世間に広まっているほど最終日進行は安定進行ではないことを今回の記事では伝えたいと思います。

【最終日進行の長所】
①襲撃による情報が増える
②狩人などの真証明可能役職が生きている場合、詰みにできる可能性がある
③バランスを取る慎重な進行なため賢そうな印象を与えられる
④ゲームを長引かせたことによって負けても感想戦が荒れにくい
⑤1ゲームごとにお金のかかる商業人狼やゲスト会の場合、長くゲームができるのでオトク

【最終日進行の短所】
①最終日に残される村人は狼が選んだ村人
白位置の狼、潜伏狂人、身内切り狼などの紛れに弱い
③バランスよく処刑した最終日には推理の軸がない

ざっと箇条書きにしてみたらこんな感じでしょうか?
1つずつ解説していきます。

長所①「
襲撃による情報が増える」
ゲームを長引かせることで狼は噛みたくない位置を噛まなければならない可能性が出てきます。
そういう展開の場合、“とりあえず長引かせる”進行が功を奏することがあります。
…が、大抵の場合は噛み位置というものが存在し、狼も村の目が覚めるような襲撃先は選んでこないので期待しないようにしましょう。

長所②「狩人などの真証明可能役職が生きている場合、詰みにできる可能性がある」
これは最終日進行の明確なメリットになりますね。
例えば18Aなどで猫又と狩人(狩人の真偽は問わない)が生存しているとします。
 占いA 占いB 占いAの黒(狩人CO) 占いBの黒 猫又 共有 共有
こういう残り方をしていた場合、占いロラをして共有鉄板護衛にしておけば死体なしの有無で占いの真偽が確定するので詰みになります。
猫又なしの配役でも狩人が2人出ていて真狼で決め打てる場合、片方に対抗を守らせて護衛勝負などの進行が取れます。
そういう展開の場合、
“とりあえず長引かせる”進行が功を奏することがあります。

長所③「バランスを取る慎重な進行なため賢そうな印象を与えられる」
人狼ゲームは詰み進行ではない限り最終的に大なり小なり決め打ちという印象が関与するとい
う話を前回したと思います。
そんな中で決め打ちを保留する人がいたら印象に左右されないクールな人という印象を受けるかもしれません。
優柔不断なだけです。

長所④「ゲームを長引かせたことによって負けても感想戦が荒れにくい」
「ギリギリまで決め打ちを保留する、村も人外もみんなが納得する進行、みんなで一等賞」
デメリットが存在しなければ
それはきっと素敵な世界

長所⑤「1ゲームごとにお金のかかる商業人狼やゲスト会の場合、長くゲームができるのでオトク」
1ゲーム500円としましょう。
決め打ちまくって人外3タテ、20分でゲーム終了!
この場合、1500円/hの出費となります。
決め打ちを保留しまくって最終日まで縺れ込んで50分でゲーム終了!
この場合、600円/hの出費となります。
こうやって並べてみると最終日進行の尊さはあるのかもしれません。


次は短所のターンです。

短所①「最終日に残される村人は狼が選んだ村人」
どれだけ村人が強くても、最終日に残されるのは狼視点で間違えてくれそうな村人です。
先立った村人がどれだけ強くても関係ありません。
最終日は判定役1人間違えさせれば人狼勝利です。
最終日に向かうにつれて村人個々人は情報を手に入れて少しずつ強くなります。
でも村陣営の総合力という意味では最終日が最弱です。
それでも最終日は村が有利と言えるでしょうか?

短所②「白位置の狼、潜伏狂人、身内切り狼などの紛れに弱い」
バランスよく狼位置を処刑していった結果、白位置に潜伏狂人がいてPPされた。
バランスよくSG位置をローラーしていたら、白位置にいた狼に逃げ切られた。
こういう経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
もしこのような負け方をした場合、村陣営の反省点はどこにあるでしょう?
それは「白位置の狼を見抜けなかったこと」ではなく「中盤までに吊り縄を節約する努力をしなかったこと」です。
推理は水物で、狼を見抜けるかどうかは村側の総合力や狼側の技量に左右されるので反省点としては適切ではありません。
序盤雑に行った処刑で終盤手数が足りなくなり負けてしまうことは実際多いのです。

逆に言えば狼の時は序盤気合で村人を処刑しましょう。
身内を切って白くなるのではない。
黒くなっていいから村人を吊る。
吊られた村人に「狼だと思ったわー」と言わせたら勝ちです。

短所③「バランスよく処刑した最終日には推理の軸がない」

生存者7人(村人5、狼2残り)
 A:確定白
 B:確定白
 C:Dを庇い、EFロラ希望
 D:Cを庇い、EFロラ希望
 E:Fを庇い、CDロラ希望
 F:Eを庇い、CDロラ希望
 G:誰も庇わず誰にも庇われていない、謎浮き位置
残り3吊り、貴方ならどういう処刑方針を取る?

以前、Twitterで取ったアンケートです。

結果は
 CDorEFのロラ(ライン決め打ち) 19.6%
 CDとEFから1人ずつ処刑    41.4%
 G処刑              38.9%
こうなりました。
これに関する回答は

 CDorEFのロラ(ライン決め打ち) 19.6% →正解
 CDとEFから1人ずつ処刑    41.4% →不正解
 G処刑              38.9% →及第点
です。
C&DvsE&Fの対立軸なわけですが、
CDorEFのロラ(ライン決め打ち)
 最終日は村っぽいE、村っぽいF、何もないGになります。
 G頑張れ。
②CDとEFから1人ずつ処刑
 最終日は何もないD、何もないF、何もないGになります。
 平等に弱いです。
G処刑
 何も積み上げてこなかったGの処刑。
 どうせ片側を吊り切って最終日が来たらGが処刑されるんだしGを処刑してから決め打ち。
 CDが村狼、EFも村狼で繋がっていた場合にほぼ村の負けがほぼ確定してしまいます。
 まぁその場合は①の吊り順でも村の負けが濃厚なのでこの回答は間違いではありません。

①の吊り順は最終日を迎えられずに2w生存で村が負ける可能性もまぁまぁあります。
ですが、この吊り順のほうがケアできる内訳が多いのも事実です。
この吊り順で負けてしまったとしても村が間違えたのは吊り先であって吊り方針ではないのです。
「何で最終日を目指さなかった!」は反省点ではありません。



と、今回も長々と書き連ねてみました。
改めて言いますが最終日進行を絶対的に否定するつもりはありません
村と狼の実力が拮抗している場合は最終日進行が安定進行になることもあります。

でも勝てる時に「念のため」を挟んで負けてしまうことは多々あります。
そういう時は
決め打ちに踏み込んでいいんです。
それは決して雑な進行ではありません。


9割真の霊能者をローラーしてしまったせいで最終日グレー同士の五分五分の戦いになるなら、霊能者を真で決め打ってグレーをローラーしたほうが良いでしょ?