第28回 バーリ・トゥード
1993年11月12日、コロラド州デンバーで誕生したアルティメット大会。始まりは地味な大会だった。世間の興味を惹くにはあまりに異型だったから格闘技というよりも不思議なものとして第1回大会は見られたような気がする。
1994年3月11日に行われた第2回大会での衝撃。その衝撃が爆発的に世界に届いた。世界の格闘技にその衝撃は届き、“グレイシー柔術”と“何でも有り”という闘いの方程式は世界中から注目を集めると同時に、謎のベールにも包まれていた。
そして1995年9月3日。「K-1 REVENGEⅡ」が横浜アリーナで行われた。僕はその大会で素手のバーリ・トゥード戦をやった。第2回アルティメット大会を観戦に行って受けた衝撃から1年半が経ち、膝を負傷して欠場していた僕は2年と少し振りにやる試合でもあった。
あの頃の時間の感覚は普通と違っていた。濃密であっという間に時間が過ぎる